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ささやかでいて、やくにたたないこと

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ささやかで、役に立たないことです。
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#エッセイ

人に迷惑をかけない

人に迷惑をかけない

新宿の東南口の大きな階段のたもとに酔っ払ったサラリーマンのおじさんが寝ていた。
倒れてるといってもいいほどに大の字だった。誰も近寄らない。一人の外国人の男の人が「大丈夫?」と声をかけ抱き起こした。おじさんは「ほっといてくれ」と言って立ち上がり、どこかに行ってしまった。

外国人の男の人は「どうして誰も助けないの?」と周りにいる人たちに呼びかけた。僕も何もしなかった一人だ。
若い男が彼に親指を立てな

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人と話すのは綱渡りのよう

綱渡りをしたことはないけど、想像するあの感じがすごく似てる。誰とでもそうなわけでなく、初めて話す人とかはあんまり親しくない人と話すときはほぼ。

落っこちないようにバランスをとっている。会話が始まると足元の綱がぶるぶる震える。身動きが取れなくなる。
きっとそこから落っこちて綱渡りって難しいよねって話をすればいいんだろうけどね。
なんで出来ないんでしょう。別に自分をよく見せようと思ってるわけでもない

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頭の中で誰かと話してる

頭の中で誰かと話してる

頭の中で誰かが誰かと話してる。それは知り合いだったり、知らない人だったりする。僕と誰かなときもある。僕と僕のときもある。心配ごとについてのときもあれば、特に何の内容もないときもある。

いつも話している。めちゃくちゃ真剣に何かについて考えたり、創作したりしているときやなんかは違うけど、隙間があれば会話は始まる。それが普通のことだと思っていた。
漫画とかでもよくみんな頭の中で誰かと話す描写があるし、

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ささやかでいて、やくにたたないこと「目と目が合うのが少し怖い」

ささやかでいて、やくにたたないこと「目と目が合うのが少し怖い」

目と目とがあうのが少し怖い

お寿司屋さんでウェイターのアルバイトをしている。お客さんが帰るときに「ありがとうございます」と大きな声で言う。(ありがとうございました。ではなく、ありがとうございます。)ふと思いついて目を見て言ってみた。
意外とお客さんもこっちの目をしっかり見ていることに気がついた。

こういう事がよくある。目をわざとそらしているわけじゃなく、自然と目を見てない。たまたま目があったと

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