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第二章 02 他の情報参考を経て

2007年の能登半島地震以降、その後も東京で新たに微動や家鳴りを捕捉し始めた記録がある。この当時はすでに地震の予知を目指すとする他の人々が情報発信、こうした情報を受容しながら発信を試みていた。それらを参考にすることで精度が高まるだろうと考えていた。
まだこうした情報を根本否定するほどの根拠も理由もなく、それぞれの発信者において何かこれは、と確信をもって観察しているのだろう、との思いもあった。
ただ、次第に微動に関するさまざまな特質が明らかになるにつれて、微動のみの知見の累積から単独の予測できるとの確信が強まっていった。

以下、能登地震と同年2007年の新潟中越沖地震までの、まとめ記事より。
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▲不穏な静けさ。 
2007/5/13(日) 午後 10:14 
KSさんFMノイズ激しくバーストして警戒情報が出ており
e-PISCOの三観測点全てにイオン濃度急上昇が先行していたこともあり
現在静かではあるけれどもここ1週間ほど、空気が爽やかにもかかわらず
夜空が毎日のように赤みを帯びている。
▲規則微動1日目  
2007/5/14(月) 午後 0:59 
微動は振幅が中程度で約50秒間隔。
12時前後に気づき、その後続いている様子。
▲規則微動再発2日目。    ●5/16再発生
2007/5/17(木) 午後 5:46 
消長を繰り返しながらも2日目の現在も小さな軋みを伴って継続中。
間隔はわりあい短めで振幅も小さい。
阪神淡路や新潟の時のものと比べるとやや不明瞭で小さい。
しかし長期で継続すると危険。
▲断層雲・微動が変化  
2007/5/18(金) 午後 3:18 
朝7時ごろ南の空仰角30度くらいを境目にした
東西に幕のように広がる断層雲が出現。
上の部分が青く下の方に雲がのっぺりと白く現れていて
徐々に輪郭をぼやかせながら仰角40度くらいまで広がってきたあと
全天に溶け込むように消えていき8時すぎごろまであったようで
早い人では朝5時ごろからみえていたという情報も。
各地で目撃者多数。
今年の元旦に南北にすぱっと切れた空が出現したのを思い出した。
元旦のもののほうが異様だった(境界がハッキリとまっすぐなまま押し寄せていったので)
微動のほうは規則微動が消滅し、
かわりにごごごというような地鳴りとともに軋むというものが1回
それ以外にもごごごと硬い感じの微動が3回以上あった。

▲規則微動8日目です。  
2007/5/23(水) 午後 11:43 
とにかく今日は規則微動8日目でした。
しかし現在は小康状態。午前12時ごろが最も活発だった。まだ継続するかもしれない。
継続期間が10日に迫ろうとしているので微動が完全に停止してしまった場合かなり危険な状態です。
▲イオン濃度急上昇・微動停止一日目。     ●5/25微動停止
2007/5/25(金) 午後 11:20 
現在、規則微動が停止している。
昼頃まではかなり明確に繰り返していたが、今、全く気配もない。
ごく小さな揺れすらなく静か。微動9日目経過後の停止。
5/25午前中に大気イオン濃度がe-PISCO兵庫県川西・南あわじ両測定点で普段の90倍の異常値。大地震の可能性が高いです。
▲微動停止12日目。
2007/6/5(火) 午後 6:59最新の異常情報その他自然科学 よく集中するとときおり規則微動の名残のような揺れ。しかし全体に微動の継続はありません。
規則微動が先行している状態である限り警戒は継続します。
e-PISCO川西測定点でイオン濃度上昇などあり。
▲イオン濃度も急上昇。 
2007/6/8(金) 午後 11:06 
e-PISCO南あわじ測定点でのイオン濃度が8日午後から上昇しはじめている。兵庫県川西もその気配あり。微動停止15日目。
▲微動停止21日目。 
2007/6/14(木) 午後 5:53 
阪神淡路大震災の前の静穏期間は少なくとも20日
12月10日くらいから静穏だった記憶があるので
1月に入って16日間として年内で20日くらいとすると36日間はあったということになります。なので21も経ったのだから
外れたという判断をするのは尚早といえると思います。
▲明確な微動発生!  
2007/6/18(月) 午後 7:04 
非常に明確な微動発生18:50ごろから。
軋みも伴う。揺れは振幅が大きく周期は約40秒。
単発で30分を下回る継続時間であるとしても
大地震の可能性はあります。
新潟中越のときは微動停止期間後、直前期間に突然微動が短期間再発していました。
発生地域の特定ができないのが悩ましいところですが経過の特徴から海底ではなく内陸であると推測します。最悪でM7クラス、大地震にならなくても
今後M5クラスくらいのものが頻発する時期に入るかと思います。
▲ゆっくりとした微動 
2007/6/20(水) 午後 9:26 
現在、非常にゆっくりとした振幅の大きい微動がある。
比較的明確なものがときおり混じっている。間隔はよくわからないが1分超えていると思う。ときおり軋む音。7時台から継続している様子。

▲不規則微動。イオン濃度収束 
2007/6/26(火) 午後 8:02 
揺れがときおりある。規則性はない。e-PISCOイオン濃度(南あわじ)は6/24をピークに収束している様子。
イオン濃度急上昇から間をおいて大きな地震があるというのがPISCOの観測記録の傾向なので6月いっぱい、あるいは7/5くらいまで警戒しようと思います。
▲海外地震の予兆あり。  
2007/7/3(火) 午後 1:10 
13:05ごろから2分間ほど一時的な規則微動。揺れはかなり明確で振幅は中くらいピッチは早く約10秒間隔。現在は収束。
予測地域はトルコ以東フィリピン以西M7前後、10日以内。
もしくは台湾・千島などでM6クラス24時間以内。

■■平成19年07月16日10時28分 気象庁地震火山部 発表  
16日10時13分頃地震がありました。
震源地は新潟県上中越沖 ( 北緯37.5°、東経138.6°、新潟の南西060km付近)で震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は6.6と推定されます。新潟県 震度6強 長岡市小国町法坂* 柏崎市西山町池浦* 刈羽村割町新田*長野県 震度6強 飯綱町芋川*(気象庁)
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この時から「規則微動」という言葉を用いていることがわかる。
ここでは6/14の停止21日目の記録で止めているが18日に微動が再発、まもなく海外の地震の兆候として2分間の微動も出現、今から見れば再発と判断できる。(なお、7/3の海外の地震の予測については、中越地震の一週間後、7/26にインドネシアでM7.0の地震が発生。)停止と再発を繰り返し、7月に入ってからは8,11、12日に各地で震度4などの地震が相次ぎ16日に新潟中越沖地震の発生となった。
微動の継続や停止期間の長さ、発生までの経過が一か月以上にわたるなど、今では信じられないが、この傾向が東北地震より前の応力場の異常さを表していたなどと、当時は想像もしていなかった。

新潟中越沖地震のケースでの微動の停止と再発を繰り返す傾向、一筋縄ではいかない複雑さに直面した。が、むしろ他の異常情報を判断材料にすることなく、この微動と地震活動のつぶさな記録と計測の積み重ねでその地域特性を知ることができそうだと考えるに至った。さらに、この複雑な様相により、この微動がなぜ発生しているのか、どういう特質の波動か、を特定していく材料になるのではないか、という確信が深まった。

スマトラ沖地震以降、新潟中越、能登半島、中越沖地震と日本国内で被害地震が多発、それまで阪神大震災だけが地震のすべてであったかのような時代から様子が変わってきた、と感じる人も多くなってきた。異常情報も動物の観察や、FM電波、大気エアロゾル、電磁波などさまざまなものが出てきて、どうも自分の観察する微動もそのひとつという扱いのようで、若干不本意ではあった。結局、独自の地震計やかHi-netの観測網で捕捉されたデータでない限りは信じてもらえないものであり、仕方ない。
とても科学とは言えない、似非科学、疑似科学だ、そうした批判にさらされるのはもう少し後になる。

防災科学技術研究所のHi-netの微小地震観測網の波形を地震が発生するたびにさまざまな地域の波形を目が痛くなるほどあれこれ見ていく、それでも微動を記録した時間帯に同期する波形を見つけることが全くできない。一体どういうことなのか。微動は確かに存在するのに。。。。。
そして2008年になり観測地点は岡山市へと移転することになる。ここでの微動と発生した地震がその後の微動研究のアプローチを一気に変えることになる。






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