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舌痛症とマインドフルネス

「あんまり舌を鏡で見ない方がいいですよ。脳にそういう回路ができあがっちゃうから」


舌痛症・バーニングマウス症候群と診断されて、医師からこのように忠告を受けた。この忠告のおかげで、やりなさいと言われた「あいうべ体操」を鏡の前でやる時でさえ、ちょっと罪悪感を感じる。


「毎日、数時間おきに舌の写真を撮る患者さんがいましたけど、そういう人は絶対治らないです。」


こんな風にきつく言われたから、舌の写真はほとんど撮っていない。でも今となっては記録用に月1くらい写真を残しても良かったんじゃないかと思う。自分の体がどのように変化しているか、治療に効果が出ているのか、医者任せにせず、自分で確認することは大切なことだと思う。


他にも、舌痛症についてネット検索するなとも言われた。こんな風にブログを書いているなんて言ったら、たぶんやめろと言われるんだろうな。


とはいえ、医師の言いたいことはわかる。舌痛症とは不思議な病気で、食事中は舌が痛まないし、仕事や会話に夢中になっていると違和感を感じない。でも気になりだすと、口の中の違和感が自分の頭の中を占領してしまう。気持ちをどこに集中させるか、という気持ち次第な病気ではあるのだ。


舌痛症があるから、人と会って楽しい時間を過ごせるだろうか?
旅行を楽しめるだろうか?
何もやる気になれない・・・。


と、こんな風に頭の中が舌痛症に支配されてしまって、舌痛症を言い訳にして何も手につかなくなってしまうメンタルにもなりえる。この病気で死ぬことはないんだし、舌痛症という持病があっても幸せに生きていければよい。


だからって、舌のことを考えないようにしよう、なんて思うと逆効果で、さらに舌のことを考えてしまう。


私は舌の違和感が気になってきたら、「マインドフルネス」の考え方を利用して気持ちをリセットしている。やり方は、自律神経を整える方法の一つとしてこちらの本に掲載されている方法を参考にしている。

 そもそも、集中力が乱れているとは「目の前の事柄以外を考えてしまっている」という状態です。
 つまり、反対に「常に目の前のことだけを考える」という習慣づけをすると、集中力は高まってきます。
 たとえば、食事のとき箸でニンジンを挟んで食べるとします。その時に心の中で「今、ニンジンを食べている」と意識します。ご飯を食べるときも、鶏肉を食べるときも、水を飲むときも、歯磨きをするときでも、みんな同じです。
 いつでも、丁寧に「今、〇〇をしている」と心の中で意識し、その行動に集中するのです。いわゆるマインドフルネスの考え方です。

整える習慣

これは中々効果的で、まぁ舌の違和感も気になるんだけど、あせっても仕方ない。今は〇〇に集中しよう、といい感じにあきらめることができる。


せっかく気持ちよくお散歩していても、「舌が気持ち悪い」という気持ちが頭を占領してきてしまう。そんなとき、


「今、外を歩いている。外で呼吸している。気持ちいい。」


と考えるだけで心が平和になる。


私の主治医曰く、「舌痛症の治癒には1年近くかかり、もう治らなくてもいいやと諦めたころに治癒する」とのこと。それって治っていないんじゃ?とツッコミたくなるが、もしかしたら心の平和を取り戻すのにそのぐらいの期間を要するということなのかもしれない。


ちなみに、舌が真っ赤になったり、舌が痛くて果物が食べられないなどの激しい症状のある方は、カンジダを原因とする舌痛症にかかっている可能性がある。その場合は気持ちの問題ではなく感染症の治療を最優先すべきなので、早めに舌痛症に理解のある医療機関へ相談することをお勧めする。


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