見出し画像

note俳句部☆ 第5回題詠大会 報告



note俳句部では、5月31日(木)まで、
第5回題詠大会を開催していました。


今回の兼題は、

「ヨット」「香水」「熱帯魚」
「かき氷」「南風」

11名のみなさまにご参加いただき、
総数111句が発表されました。

みなさまに、
たくさんの句をお寄せいただきました。

初参加は、

内橋可奈子さん
丹宗あやさん
アセアンそよかぜさん
泉由良さん

瑞々しい作品をよせていただきました。

今回、最多投句、
ふろやま書房さんの作品
全55句は圧巻でした。


作品は、下記からもご覧いただけます。
写真付きで楽しめます。

#俳句部第五回題詠

note俳句部 第5回題詠マガジン





みなさんの作品をご紹介いたします。
大会ご参加順です。


磯見花さん

香水は暗号彼だけに魔法

陸海風加勢せよ夏空の帆に

熱帯魚古代魚わたしのすきなひと

宿毛線幽魂清めよみなみかぜ

震度5を報せ逆巻く熱帯魚

吾子の手に匙ぎこちなくかき氷

かきごおり死ぬこといがいかすり傷



望美さん

しやくしやくと 氷つついて 君を待つ

香水に 触れる唇 肌温し

老ヨット 夢見るしぶき 白波涛

残り香に 母の温みの 香水よ



ふろやま書房さん

「かき氷」十句

かき氷日の丸ひとつ立てにけり

かき氷虫歯のことを忘れたり

かき氷シロップ赤し舌も赤

かき氷作る音近所迷惑

トンネルの貫通達成かき氷

シロップは身体に悪しかき氷

それぞれに頭抱へしかき氷

かき氷運ぶくちびるを吸ひたい

かき氷シロップ抜きでお願いします

かき氷頭の痛いことばかり


「熱帯魚」十句

熱帯魚場末のカフェの女給なり

熱帯魚光る奴から売れにけり

熱帯魚一夜一夜に減りにけり

熱帯魚スマホの中を泳ぎたる

熱帯魚用の水槽だけありし

熱帯魚ならびに餌も熱帯魚

熱帯魚買おか仕事に疲れたり

アタシほら寒がりなのよ熱帯魚

熱帯魚アイツを餌にしてやろか

熱帯魚はキライだってすぐ死ぬし


「香水」十句

香水の小瓶をひとつ置かれたり

香水を付けし男を迎え入れ

香水を互い嗅ぎ合う仲なりき

香水をねだる女や給料日

香水の瓶割れ消臭剤振る

あなた去り香水の香残したり

お揃いの香水買ひし十五歳

次々と香水誘ふ羽の音

満員のバス香水の充満す

いつぞやの香水見つけ捨ててやる


「ヨット」十句

港出てばらばら進むヨットかな

沖に出て途方暮れたるヨットなり

帆下ろせば墓標のごときヨットかな

不審者がヨットハーバー前に居り

ジグザグのヨット暴走族のやう

見渡せば夕陽にヨットありきたり

絵の中のヨット眺むる山育ち

実際に見たことの無きヨットかな

ヨットなど買ってもらったことも無し

ヨットより新車の欲しき男なり


「南風」十句

南吹く廃墟に入りし隠れんぼ

南吹く今日の予定は何も無し

南吹く君の顔色変わりけり

南吹くガードレールに歪みあり

南吹く夜道足音付いてくる

南風や女難の相と言われけり

南風や湯船の中で眠りたり

南風や坊主頭となりにけり

南風や地震は今夜あるといふ

南風や僕は堕落の道辿る


「自由律俳句」

みなみ風ほおを撫でメニューを変える

ヨットを降りる両手が熱い

熱帯魚悩ましく夜更かししている

後ろに立った香水貴女だ

大至急かき氷を頼む



内橋可奈子さん

☆ 初参加 ☆

はるばるとヨットレースは所望する

少女にはほんの少しの香水を

熱帯魚泳ぐ間もなく雨が降り


かき氷 (5句)

かき氷青き秘密は吸う秘密

かき氷百円しずんでいませんか

落ちていて驚いているかき氷

快楽のみじんもなくてかき氷

この街はめずらしそうにかき氷


南風 (5句)

白南風や列に並んだこどもたち

折に触れ汚れるために南風

ひゃあひゃあという鳥たちの南風

サンドイッチ好きなとこだけ南風

南風にわたくしだけが饐えている



吉田 翠さん

幼子の口もとすぼみかき氷

かき氷見せびらかすは舌の色

香水をつけて可愛や古女房



candycandyさん

熱帯魚モナカですくう大富豪

香水の甘くなりだす夕テラス

遠目には優雅に見ゆるヨットかな

乗り込めば速し忙しあらヨット

南風に脱ぐ子ら眩し羽織る我

匙をさす隙をみせろやカキ氷



丹宗あやさん

☆初参加☆

香水やナイルの庭で君を待つ



アセアンそよかぜさん

☆初参加☆

バラの花自然香水ここちよい

かき氷バナナの国はハロハロと

ヨットよりタライの船が似合う浜

熱帯魚南国行けば食べ物か

飛行機のドアが開いたら南風



くまのみさん

わけへだてなく 幸積もるかき氷

原色の 山がずらりと かき氷

溶けてなお まばゆいばかり かき氷



泉由良さん

☆初参加☆

「ヨット」

水面にヨット浮べし午后の風呂

少年が折つたヨットの色の良い


「香水」

香水と雨滴が交じりすれちがふ

窓辺にはさかなの透ける香水壜

香水壜振れば外では鳩が飛ぶ

寝室の香水壜で今日に封


「熱帯魚」

見つめてゐるのは私、熱帯魚

色セロファン切つて逃した熱帯魚


「かき氷」

銀の匙しやくしやく掬ふかき氷

日々の泡けづられるものはかき氷

二人掛けひとりで座りかき氷


「南風」

空を上ぐ「恋人は南風」と歌ふ

南風足もとがゆるくたなびく



kusabue

句を詠みし一人ひとりがみなみ風



最後はヨシカワさんの写真俳句で
締めくくりです。


ヨシカワさん

香水の鏡の国にたちこめり



ご参加いただいたみなさま、
ありがとうございました。

- note俳句部 -

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?