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「そんなときは、どうするんですかー」

30年来リウマチと付き合ってきた母は、常に身体に不調がある。眠れない、お通じが悪い、足がむくむなど、一つが治まってもまた次の不調が現れる。医師に言って、検査をしたり薬を替えたりはするけれど、なかなか「これは良い!」という方法には出合わない。

日々繰り返される不調の訴えに、すっかり慣れてしまった私。内心、それだけお昼寝してれば問題ないんじゃないのとか、甘いものの食べ過ぎじゃないのとか、ちょっと毒づきたくなったりする。

その点、ケアマネは違う。一つひとつにゆっくり頷いて、メモを取る。そして必ず言うのが、「そんな時は、どうするんですかー」。すると、眠れないときは少し本を読むとか、お通じのために野菜を増やしたとか、何らかの工夫が母自身から示される。話しながら自分で納得しているようにも、もっと言えば自慢しているようにも見える。

これが、他人から提案されるのでは、全く話にならないのだろう。「眠れないなら、本を読んでみたらどうですか」とか「野菜を増やすと腸に良いらしいですよ」なんてアドバイスしても、多分反感を買うだけ。たっぷり1時間、日ごろの悩みや不安を聞いてもらったら、本当にすっきりしたらしい母。ケアマネが帰った後は、ご機嫌で久々の煮物にとりかかっていた。

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