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実朝と公暁

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実朝と公暁。歴史小説。
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記事一覧

実朝と公暁  五の章

実朝は殺された。しかし彼の詩魂は、自分は自殺したのだと言うかもしれない。 ──小林秀雄 …

ウオールデン
2週間前
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実朝と公暁  四の章

実朝は殺された。しかし彼の詩魂は、自分は自殺したのだと言うかもしれない。 ──小林秀雄 …

ウオールデン
1か月前
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実朝と公暁  三の章

実朝は殺された。しかし彼の詩魂は、自分は自殺したのだと言うかもしれない。 ──小林秀雄 …

ウオールデン
2か月前
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実朝と公暁  二の章

実朝は殺された。しかし彼の詩魂は、自分は自殺したのだと言うかもしれない。──小林秀雄 序…

ウオールデン
2か月前
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実朝と公暁  一の章

実朝は殺された。しかし彼の詩魂は、自分は自殺したのだと言うかもしれない。──小林秀雄 序…

ウオールデン
3か月前
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父の戦争論  菅原千恵子

 兄弟の中で父が末っ子だったこともあり、父の兄たちの息子たち、つまり従兄弟たちなのだが…

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テレビが我が家にも登場してきた    菅原千恵子

 家族の中で、私だけが父の仕事につきあっていたせいか、暑い夏や、寒い冬の日など、父の仕事がかなり厳しいものであることは実感していたつもりだった。それなのに、洗濯屋でテレビを買ったというので、夜になると見せてもらいに出かけて行くようになっていた。母でさえ、「お笑い三人組」のある日だけは、見せてもらうことにしていた。いつも、ラジオを囲んで、家族の団らんがあったのだが、あちこちの家でテレビを買うようになると、我が家の団らんは、急に影が薄くなってきた。二人の姉たちは、自分たちの青春の

山百合の中で眠ると死ぬぞと父は言った菅原千恵子

愛しき日々はかく過ぎにき  菅原千恵子  父の仕事が、酪農協同組合に変わってからという…

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奇妙奇天烈の味だった  菅原千恵子

愛しき日々はかく過ぎにき  菅原千恵子  それでもホットケーキ作りは進んでいった。先生…

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ケーキづくりの大騒動   菅原千恵子

愛しき日々はかく過ぎにき   菅原千恵子  授業のカリキュラムに組み込まれていたのかど…

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人生相談     菅原千恵子

 愛しき日々はかく過ぎにき    菅原千恵子  人生相談  母が、いつも聞いていたラジ…

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先生はお弁当をもってこなかった    菅原千恵子

 愛しき日々はかく過ぎにき  菅原千恵子  私が自転車に乗ることを覚えたのは三年生の夏…

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私たち全員、廊下に正座させられた  菅原千恵子

愛しき日々はかく過ぎにき   菅原千恵子   私たちの学年をはさんで、その前後の人数が…

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この時、私はY子を軽蔑した 菅原千恵子

  愛しき日々とかく過ぎにき   菅原千恵子  Y子はいろんな流行歌を知っていて、私によく教えてくれた。歌の題名は知らないのだが、Y子が教えてくれた歌を歌って窓を拭いていると、通りかかった先生にそんな品のない歌を歌ってはいけないと注意され、顔が赤くなるのを味わったこともあった。それはこんな歌詞だった。 「ビールの泡を見ていたら、ちょいとあの子にあいたくなった~」  Y子はこの歌を一番下品な節回しで歌うものだから、それがおかしくて、私もとびきり下品に歌っていたのだ。しか