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白骨化スマホ【毎週ショートショートnote】

「これが△△渓谷で見つかったものです。白骨化スマホとでも言いましょうか…一体なんなのでしょう」
新種のUMAかオーパーツか、それは最近オカルト界隈を賑わしていた。

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「やばい高い!映えるー!」
「ユリ、もうちょっとゆっくり歩いてよ!」
細い吊り橋をどんどん進む友人。
足元の板には隙間があり、高所恐怖症でなくても足が竦む。
「ねぇ写真撮ろ!」
絶景ポイントを見つけた彼女は、スマホのインカメを構えて待っている。
慌てた私は板の凸凹に頓いて、彼女に体当たり。
「あーー!」
スマホは真っ逆さまに、深い谷へと落ちていった。


***

タヌ吉は志高き狸だった。
「お前ももう18だ。そろそろ人間界で腕試しをしてきなさい」
父にそう言われてとある工場に潜り込んだタヌ吉は、この日のために用意しておいたとっておきの葉っぱを頭に乗せ、えいやっと気合を入れた。
たちまち姿を変え、スマホがことりと、出荷用ケースにおさまった。
どうせなら、最高難度の技術の粋に、完璧に化けてやる。

***
(411文字)

ずっと気になっていた、たらはかにさんの企画に初参加!

初めてのショートショートでどうしたもんか、書くに事欠いてメメント方式にした…。



※画像お借りしました。Rieさん、素敵な吊り橋のお写真をありがとうございます。


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