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オムニバス・デシリットル

クルクル(女性)
おにぎり(男性)
久瀬クセ(女性)

この3人は同じ金融機関に勤め、以前ムンバイ支店(仮称)で一緒に働いていた。
転勤で散り散りになった今でも、㎗(デシリットル)というグループLINEを活用し、交流が続いている。


㎗の由来について気になる方はコチラ参照
↓↓


本日のメインストーリーテラーはクルクル
時代は2019年に遡る。
3人それぞれの私生活が交錯するデシリットルの作品をお届けします。




私は久瀬クセ。金融機関に勤めている。

営業店で預金窓口、ローン担当、営業等を経験し、初めて本部に異動になった。
本部の中でも特にお堅い部署であり毎日ΣシグマやらΔデルタやらと格闘している。
Σ、君の名は?と脳内でパニックになろうが、まじめな顔してパソコンに向かう。
脳内では山口百恵を熱唱しようが周りには気づかれない。
皆がカタカタカタとパソコンのキーボードを叩き、カチカチカチとマウスをクリックする音のみが部屋に鳴り響く。

他部署の先輩に「仕事どう?慣れた?」と声をかけられた。

カチックをクリクリする音だけが響いてます」

カチックをクリクリする
もとい、クリックをカチカチする

間違えた。
しかもなんかめっちゃエロいこと言ってるみたいに聞こえる。

「あ~~~~だっるーーーーーーー」

この静かな部屋でいきなり私が大きな声で言うたらどうなるやろうか?あぁ言えない、言えないのである。ここでは言えない。

思い返すあのムンバイ支店時代。
ムンバイ支店で起こった事件の数々。。。。

急性アルコールフラッシュ事件
白目剥いてミートゥー事件

あぁ・・・懐かしい。
おにぎりとクルクルは元気だろうか?


〜㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗〜


僕はおにぎり。金融機関に勤めている。

2ℓの水を持ち歩き、営業のため毎日車を走らせている。
仕事を頑張れるのは、愛する妻と娘と息子の存在があるから。
そして、今は離れて暮らすオカン。

先日、関西の中でも片田舎にある実家からオカンが気合い充分にお土産を買って来てくれた。
名店だと聞きつけて、実家から二つ山を越えて買って来てくれたその店の名は

シャトレーゼ

それ多分すぐそこにもある。
・・とは言えない僕。



オトンの法事のため実家へ帰った際、オカンが神妙な顔つきで姉、僕、僕の妻を呼び席に着くようにと言った。
おもむろに名前入りの封筒を出してこれは気持ちだと。僕の娘、息子の分もあった。
明らかに現金だった。

聞くところによると、隠していたがオカンは今度手術をする。初めての入院、手術の為今のうちから少しずつ整理しておきたい。今までありがとうと。

同居の娘(僕の姉)には既に口座、保険、家の金庫のダイヤルは教えたと。
「昨日夢にオトン出てきてん」とも言っていた。
「来年小学生になる孫娘のランドセル姿見たかったなぁ」とも。

僕はオカンに前から言っているが、「お金は一銭も残らず使い切ってくれ!今までのオトンの看病の分、好きなことしてくれ!」と伝えた。
そうは言ってもオカンは頑固なので問答の末に封筒を受け取った。

ところで病名を聞いてみると「白内障」、しかも疑いだけの日帰り手術だった。

孫娘のランドセル姿、多分今より鮮明に見えるで。
・・とは結局言えない僕。



こんな出来事がある度に、ムンバイ支店の同僚、久瀬とクルクルの顔が浮かぶ。
オモロいエピソードを言いたい。
2人に自慢したい。


〜㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗〜


私はクルクル。金融機関に勤めている。

ムンバイ支店から異動になった先には知り合いもおらずどこに何があるかもわからず全員敵だと思い込み働いている。
そんな支店を私は閉鎖病棟と名付けた。

息がつまりそうな為お昼休憩は外に出る様にしているがランチがおいしい店など知らず、支店近くの本日のパスタを頼んでも、毎日ぬるいカルボナーラしか出て来ない店に通いつめている。

毎日つまらなすぎてムンバイ支店に思いを馳せる。
特に久瀬とおにぎりの話を聞いているのが大好きだった。

(おにぎり)今世徳を積んで、来世頑張ろ!!
(久瀬)いや、今世わい!!

2人は元気だろうか?

助かりてぇ、今日、いやなんならas soon as possibleで助かりてぇ」
たしなむだけ、舐めるだけ、ぶちあがりてぇ」

そういえばおにぎりは沖縄出張から帰ってきたのだろうか?


〜㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗㎗〜


心の拠り所の㎗LINEが動きだす。



※おにぎりさんのタイプは茶髪・アヒル口



㎗LINEで元気をもらい3人はまた仕事に戻った。





その後みーほー、だいちゃん、くーせー、くーるー、4人の今後が㎗で語られた事はないが、身内や支店での面白い話をカニ味噌やしめ鯖を食しながら、ドリフのコントばりにタライが落ちてきても爆笑できる程ビールを飲み助かっている。



以前、どさくさに紛れ込ませなんばグランド花月に行った際、久瀬からエッセイを書いてみたいと話があり、我々クルクルとおにぎりはとても喜んだ。



我々は日曜日の朝を楽しみにしている。
スキをいかにどれだけ早く押せるか。
なんならおにぎりはエッセイが更新されるであろう時間帯を予測して携帯を握りしめている。

我々の顔を出せ、本名公表しろ、マイナンバーの番号や暗証番号叫ぼか?とまで言ってしまう程クセスゴエッセイに出たいと思っている。



つい先日真面目な顔して久瀬が更新について語った。不定期なんだと。
四天王が先日のエッセイで話しているが、エッセイはあくまでも不定期。
そうなった経緯も四天王がエッセイで話している。

うん、でも毎週日曜日、しっかりと更新してる久瀬。

浮いた話はないのであろう、闇はどんどん深くなるのであろう。



久瀬よ、今世沢山徳を積んで来世頑張れ!

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