はじめまして!楠見さんの秘書です。
はじめまして!楠見さんの秘書です。
突然、誰?とお思いかと思います。
事の発端は、楠見さんや同僚との何気ない会話から、「noteで秘書の目から見える楠見さんを書いたらおもしろそう、何でも好きなこと書いてよ!」と無茶ぶりされました(苦笑)。
「私が?」と思いつつ、楠見さんの素顔や思いを少しでもお伝えできればと思い、今回は秘書の私から見える楠見さんを少しお話させていただきます。
君は誰やねん
まずは簡単に私の自己紹介から。
大企業と言われるパナソニックグループのCEO秘書って、皆さんどんな感じだと思いますか?
秘書は、グループCEOからの指示を一手に受け、敬礼しながら「Yes, Sir !」と複数人の秘書でサポート、多様な経験を積んできた近寄り難いスーパーエリート?
そんなイメージでしょうか。
当社の今に限って言えば、それはドラマや小説の世界で勝手につくられた妄想です。
私の場合、今の立場になる前はと言うと、本社に行ったこともない、秘書の経験もない、楠見さんの社長交代をネットニュースで知ったくらいの、とある拠点の営業課長でした。
そんな私が、突然グループCEO秘書になりました。
現在は、秘書室や経営企画など関係スタッフと共に、楠見さんをみんなでサポートしています。専任秘書としては、私ともう一人(心強いバディ)の2人のみです。
パナソニックグループCEOってどんな人?!
前置きが長くなりましたが、ここから本題です。
「パナソニックグループのCEOってどんな人?」と聞かれたら、皆さんどんな人物だと想像しますか?
分単位で会議、面談などを行い、夜は会食。
会社では重厚な個室部屋にいて、普段は会えない雲の上の存在。
切れ者で冷徹、近寄り難く、次から次へと指示を出し、秘書やスタッフが「Yes, Sir !」と動く…。
私も、ここに来る前は、そんな感じのイメージを持っていましたが、現実はまったく違います。
秘書になった時、楠見さんと下記のような話をしました。
社長、グループCEOと呼ばない
社内でお出迎え、お見送りのような無駄なことはしなくていい
楠見は社長室には入らない
現場視点を本社に定着させたい or 現場視点で考える
忖度なく言うべきことを言う
ということで、私は楠見さんを一度も「社長」「グループCEO」と呼んだことがありません。
普段の楠見さんについて少しお話します。
楠見さんのデスクは、スタッフがいるフロアの一角にあり(デスク横には「K-Cockpit」と呼ぶ経営数値がわかるパネルがあります)、スタッフはフリーアドレスで、思い思い好きなところに座り、私もスタッフと共に楠見さんの近くに座っています。
デスク上にあるのは何かお分かりですか?
そう!チコちゃんです。
楠見さんデスクにはチコちゃんグッズが溢れています。
なぜチコちゃんか?
それは、改善活動では欠かせない「なぜなぜ分析*」を大切にしているからです。
モニター裏面には、チコちゃんステッカーが5枚貼ってあります。
楠見さんは「俺が “なぜ?” と5回聞くと威圧感があるかもしれない。だから(自分から言われるよりも)チコちゃんから “なんで?” と5回聞かれた方がいいやろ」と言っています。
私は「たしかに!」と思いつつ、私の方を向いていたチコちゃんの向きをわからないように少し変え、目線が合わないように動かしました😅
また、出社時の朝は、当然お迎えに行くことも無く、ご自身で自動販売機に寄り、何か飲み物を買ってデスクに来ます。
少し時間があれば、近くにいるスタッフも交えて、朝から自転車(Zwift)やランニングしてきたこと、家族との出来事など、皆さんが同僚と会話する時と同じように会話をしています。
フロアをふらっと歩いてスタッフに話しかけていることもあります。
印刷が必要な書類は、ご自身で印刷しています。
まぁ普段の楠見さんは気さくな近所のおばちゃん・おっちゃんという感じですね😁
既にここまでで、なが~くなりましたが、仕事の楠見さんについても少しお話させていただきます。
楠見さんの仕事ぶり
先ほど少し触れましたが、皆さんは、パナソニックのグループCEOは、「切れ者で冷徹、近寄り難く、雲の上の存在」と言ったイメージをお持ちかもしれません。
しかし、私から見える楠見さんはというと、皆さんのイメージ通りの部分があるとするならば、切れ者というところでしょうか。
こちらがついていけない驚異の速さで状況を把握し、何が本質かを理解しようとされます。
社外の方や普段話すことのない社員にとっては、冷徹で近寄りがたく、雲の上の存在というイメージがあるのかもしれませんが、そんなことはありません。
社内会議やスタッフとの会話では、本質を理解するために当然細かく確認をしたり、強い口調で厳しい話もします、指示もします。初めてのメンバーにとっては、どうしても圧倒されてしまうことがあると思います。
ただ、会議出席者や経営幹部、スタッフの話を聞き、議論することを大切にします。
時には、自らがファシリテートをして議論を行い、衆知を集めて判断します。
それは、どんなに「言うべきことを言おう」と言っても、トップがすぐに「自分はこう思う」と話をしたら、たとえチームが多様であっても「トップの考え」ということで、議論もままならずまとまってしまいます。
楠見さんは、トップの考えに盲目的に従う風土、トップの知見に依存した判断では限界があると考えています。
我慢できずに早々に話されることもありますが(苦笑)、辛抱強く我慢しようとしています。
私との会話でも、楠見さんからの指示やコメントに対して、私自身、納得いけば「承知しました!」と動きますが、「おかしいな、こうした方がいいのではないか」という際は、会話をして判断を変えていただくこともあります。
楠見さんは「私一人で何かできるわけではない。私の意見がすべて正しい訳ではない。私が間違っている時や改善すべきところは遠慮なく言ってほしい。」と周りに言い、衆知を集めること(=衆知経営)を大切にしています。
また、フラットに壁を作らず社員と可能な限りコミュニケーションを取ることも大切にしています。
いつでも社員と双方向コミュニケーションができるよう、社内SNS(Yammer)を活用し、楠見さんご自身で感じていることを書き込み、社員からのコメントに返信しています。
社員は、楠見さんからコメントがつくと「え?まさか本当にグループCEOの楠見さん本人?!」と最初はビックリします(笑)。
「ゴーストライターがいるのでは」と思っている社員もいると思いますが、ご本人です。
今では、すっかり慣れて気楽にコメントのやり取りをする人が増えました。
社内拠点を訪問する際は、必ず社員5~6人と楠見さんだけのフリートーク時間を設け、そこでは責任者や人事、私などは入らず、何でも聞きたいことを質問いただき意見交換しています。
楠見さんは本当に社員一人ひとりを大切にしています(忖度で書かされている訳でもなく、これは私の本心です)。
実際にYammerや拠点での会話をきっかけに、社員の皆さんが働きやすくなるよう、職場改善や人事制度改革に繋がった事例もあります。
主体的に自ら考え挑戦し、改善し続けること(=社員稼業)は、ご自身のやりがいと会社が良くなることに繋がる、それを社員一人ひとりが実践できるよう後押ししています。
楠見さんは、当社経営基本方針の一番の実践者であると思います。
締めます
楠見さん秘書として約1年半が経過しました。
楠見さんの近くで、自分だったらどうするか?相手に何を伝え、相手はどう思うのか?楠見さんの立場、相手の立場、現場の立場になって、常に考えてきました。
そして、会社は社員一人ひとりの集合体であり、経営幹部も現場の社員も、それぞれの立場で、一人ひとりが自ら考え挑戦し、衆知を集めて判断・行動することの大切さ、我々が立ち返ることができる経営基本方針の大切さを日々学んでいます。
長々と書きましたが、秘書の目から見た現場レポートはお楽しみいただけたでしょうか。
パナソニックグループについて、少しでも興味をもっていただければ嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!