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しなくていい・しなくていい11「再発防止策は講じなくていい」

再発防止策は講じなくていい。
世界を悪くしているのは再発防止策なのだとブルシットジョブ理論をかじった人ならみんな気づいていると思う。
というか、唯一の再発防止策って、しかるべきポストに信頼に足る人物を置くしかないと思うんですよね。ただ、日本社会はダメな人間を簡単に解雇するわけにいかないので、再発防止策を講じないといけなくなる。
でも、そうなると性悪説に立たざるを得なくて、
個人を責めないとか、仕組みで解決とか言えば聞こえはいいですけど、悪い奴がいる前提で、仕組みで解決するなんて、まあ何て言うか、大概な労力と言うか、ほとんど無理ゲーなんですよね。
ちょっと考えれば分かるはずなんですよ。悪い奴がいるかもしれない。じゃあチェックする奴を置こう。でもそいつも悪い奴かもしれん。だったらそいつをチェックする奴を置こう、って果てしない。
例えば僕が働く市役所でも不祥事はいろいろあって、百歩譲って公金横領だったら分かるんですよ、複数人でチェックしますって。だけど実際市役所で起きてる不祥事って公金横領はごく稀で、圧倒的に多いのは職務遅延なんですよ。払うべき助成費を払えてないとか、4月1日に契約してなきゃいけない案件ができてないとか。それをどうにもできなくて、担当者がごまかすために自腹で払う事例がめちゃくちゃ多い。
そういう職務遅延に対して、仕組みで解決しようとしたらどうなるか。1人のチェックを4人に増やしますと。その4人がチェックに3日くれって言ったらどうなるか。12日余計にかかるんですよね。そうなると、12日前に動き出さないといけなくなる。ただでさえ忙しくて職務遅延してるのに、そんなことやってたら、今までちゃんとやってた人すらちゃんとやれなくなる。一気にハードルが上がる。もはや無理ゲーなんですよ。前、サッカーの話しましたけど、結局、みんなでカバーリングしようとしたら、みんな死ぬ。
だから唯一のマネジメントは信用できない人間を追い出すこと。しかるべきポジションに信用に足る人物を置いて、信じること。それしかない。
でも、できないんですよね。不祥事のあとでは。
信じた結果がそれだろって言われたら終わりなんで。
そんなわけで、不祥事が起きるたびに、みんな死ぬシステムができていく。誰も抗えないブルシット地獄の悪循環。

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