うちの猫が死んだ

うちの猫が死んだ
もう十分生きた、往生だったと思う



死の瞬間を見た
青い目の美しい子だった
その目を開いたまま亡くなった
複雑に光る青い宇宙が、
静かに濁っていくのをただ見ていた

その次の瞬間に、恐ろしいほど大きな谷を見た
その子は、物になった
たった、あの一瞬で
腐るのを待つ物になった
10年以上を共にした時間の流れが、
断絶された瞬間を見た

数日後、荼毘に付した
とうとう姿さえ消えた

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この文は私の弔いです
悲しみを形に残しておくという弔い

ほんのさっきまでと同じ姿なのに、
ただ腐るのを待つだけのものになったという事実がつらかった
それでもまだ残っていた姿かたちが、
燃やしてとうとうなくなってしまったのがつらかった

この子の遺骨は、うちで花になります
この時期に花の咲く庭木を1本買ってきて
遺骨と共に植えます

毎年思い出せるように
また違う形で、一緒に時間を過ごしていけるように

わたしたちはきょうだいの様に育ちました
うちに来て幸せでしたか?幸せだったらいいなぁ
随分仲良くしたね、わたしはとても楽しかったよ

ありがとう

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