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つぶあん派、こしあん派

昨日に引き続き、もう少し和菓子の話をしたい。

和菓子のスタンダードな構成要素として、まず思いつくのはあんこかもしれない。

茶席菓子からどら焼きまで、幅広く使われているあんこ。「BRUTUS」で以前、特集が組まれていたこともあった。

苦手という人も一定数いるが、愛する人がまた多いのもあんこだ。

ところで、あんこを食べる際に「こしあんとつぶあん、どっちが好き?」という話になることはないだろうか。

今までの個人調べによると、ややつぶあん派が優勢である。小豆の皮が入っているぶん、風味と食感がいいという。

その気持ちはわかる。素材を余すところなく使ったお得感もあるし。

私は、二択を迫られたら「こしあんかな」と答えるタイプなのだが、実はけっこうどっちでもいい。

なめらかなこしあんはほれぼれするが、つぶあんも好きなのだ。究極的に言えば、おいしければなんでもいい。

これはほかの食べ物でも同じで、「きのこの山」と「たけのこの里」は選べないし、絹ごし豆腐も木綿豆腐も最高である。

どっちを出されても美味しくいただける自信はある。ほとんど、同じ材料が形を変えただけだから。

「どっち派」の話が絶えず好まれるのはなぜなのだろう。

同じ派閥の人と共感し合いたいからだろうか。
自分や目の前の人がメジャーかマイナーかを測りたい?
それとも単なる話題の提供?

もしかすると当たり障りがないから、選ばれるのかもしれない。

たぶん、今日という1日にも、どこかでその話はなされていて、あっという間に泡のように消えていくのだろう。

まあ何にせよ、そんな話ができるのは、平和な証拠ということで。

あんこでも食べましょうか。

こしあんとつぶあん、ひとつずつ。




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