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アートにまつわる雑感の夜(日経COMEMOイベント)

3月4日、「不確実性の時代にアート思考をどう活かすか」という日経COMEMO主催のトークイベントに参加した。

メディアアーティストの市原えつこさん、資生堂の中西裕子さん、そしてファシリテーターの若宮和男さんの3名が登壇。それぞれの立場から、アート思考を紐解いていく2時間。大変楽しみにしていたのだが……

なんと後半からの参戦、立ち見での観覧となってしまった。そのため、キーワードを拾った個人的な雑感を綴ります。
(写真はイベントのグラレコです↓)

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純粋にものづくりをする美大生はどうすべきか

作品を作る際、常にマーケ思考だという市原さんの言葉が印象的だった。
ある程度、それが本人に備わっているか、もしくはバックアップがあるか(後者の例:作家の小松美羽さん)。どちらかでないとアートで生きていくのは難しいだろう。

戦略とお金とコミュニケーションは、結局どの世界でも不可欠だ。

好きという純粋な気持ちで突き進んできたこれからの作り手、特に美大生たちを助けるのは、おそらくマーケ思考を自分ごととして捉えることではないだろうか。

とりあえず、市原さん含め意識的に制作をしている人に学ぶのが、まずは良いのではないかと思う。

後は、美術がテーマの人気マンガ「ブルーピリオド」で、「美大を戦略的に生き抜くぜ」編をやってもらえたら、もっと多くの人に伝わる気がする。

アーティストとの接し方

質問コーナーで、「アーティストと新規事業をする時に、どのように接すればいいですか?」というものが出てきた。

確かに、彼らにコンサル的に接してしまうとあまりうまくいかないかもしれない。
アーティストは企業に勤める人より、もっと生の状態で生きている人が多いような印象を受けるからだ。

もしプロジェクトを行う場合は、サラリーマン経験のある人や、メディアアートの人(バランスが良く、ビジネスに親和性の高い人が多い)となるべく組むのが良さそう。

お互いのマーケ思考、アート思考(どちらも、誰にでも微量には存在するはず)が引き合って、魅力的な事例がたくさん出てくることを期待している。

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ところで、私は先の質問を聞いて「?」となっていた。

たぶん、それぞれの人と普通に接すればいいのでは……?
なぜ構えるのだろう、と。

しかし、もしかすると自分の考えの方がマイナーだったりするのかもしれないと気づく。

アーティストというか、クリエイターが周りにごろごろいる中で働くのは、案外稀なことのようだった。

最後のくだりで、企業の人とアーティストを結びつける受け皿、翻訳する人の話が出てきた。もしかすると自分にも、少しはその素養があるのかもしれない。

そんなことに思い至り、取り留めもなく考えた雨の夜だった。関係者の方々、貴重な機会をどうもありがとうございました。


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