壁が好きだ。
いや、ショーウィンドウも捨てがたい。
椅子も良いなあ。

何の話かというと、写真の話である。

デザインが素敵なものを探して、ふらりふらりとするのが趣味なので、よきものを見たらiPhoneでパチリ。
時たまインスタにあげる。
その繰り返しの日々。

先日、原宿をうろうろしていたところ、目立つグラフィティの壁の前にたくさんの若いひとがいた。何人かは座りこんでいた。

みんな写真を撮っている－自分と友達も収めようと、時に楽しそうに、必死そうに。

私は彼らをうらやましいと思う。
自分を愛していて、全世界に誇れる逞しさを。夢中な時間を持てることを。
まぶしくないと言えば、嘘になる。

私は、そっとその場を後にした。

さあ、誰もいない壁を探す旅を続けよう。