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12月28日 映画館、○割埋まれば収益プラス!?

今日は何の日?をビジネス視点で掘り下げ「頭の体操ネタ」にしています。
今日の「頭の体操」用質問例はこちら。

→映画館はイオンやローソンの子会社が1位2位の規模だが、小売業が映画館に参入する理由は何だろうか?


1895年のこの日、フランス・パリでリュミエール兄弟が発明した世界初の映画であるシネマトグラフで、初の商業公開が行われたことに由来した、「シネマトグラフの日」です。

シネマトグラフってなんだ?という話ですが、世界で最初に複数人で見れる動画を投影できる機械のことです。

映画のものとになる技術としては、1893年にエジソンが「キネトスコープ」を発明していますが、これは覗き込む形で1人でしか見ることはできませんでした。

それを大人数で見れるようにしたものが今回の「シネマトグラフ」であり、「映画の誕生」とも言われています。

映画産業については主に興行収入の推移について、以前、12月4日の「E.T.の日」で取り上げておりますのでご興味あればご参照ください。


足元の映画館の状況ですが、経済産業省が毎月発表している
「第3次産業活動指数」で「映画館」の指数をみると以下の通り。

2020年
1月 103.8
2月 105.8
3月 46
4月 2.4
5月 1.3
6月 18.6
7月 32.9
8月 38.6
9月 61.9
10月 100
11月 88.2
12月 68.3
2021年
1月 55.1
2月 56.5
3月 66.7
4月 51.9
5月 10.8
6月 52.1
7月 61.7
8月 49.9
9月 48.1
10月 69

2020年10月に急増しているのは、そう、鬼滅公開による効果ですね。すごい…

一方で、その後は感染症に振り回されながら50前後で推移していることが分かります。


さて今回は、映画館の収益構造を調べてみました。
まず、全体像から。デロイトトーマツさんのHPの映画業界に関するレポートから「映画ビジネスの3つの機能」のチャートを転載します。

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この興行、というところが映画館に当たるわけです。
収益構造ですが、「消費者行動研究」に分析資料がありました。

それによると、1スクリーン1回上映あたりの固定費は9,836円!変動経費単価は1,008.7円。それに基づく損益分岐点となる座席占有率は7.32%!!

平均的な座席数200の映画館で、15人入ればブレイクイーブンということです。

ちょっと(というかかなり)驚異的な数値でした。
算出根拠を以下に掲載します。

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で、実際どうなのか?ですが、そのデータもありました。
調査に協力した大手シネコンの実際のデータだそうです。

画像3

これによると、最も低い平日の金曜日のデータで、9.8%、最も多い日曜日で、29.9%となっていますので、十分に採算が取れていることが分かります。

映画館、結構儲かるんですね。。。

ただ、ご案内の通り、IMAXやMX4D(シートが振動し風などの特殊効果付!)といった新しい技術が次々と開発されている中、競争上、設備投資が重荷になることも考えられます。

→日本でスクリーン数トップはイオンエンターテイメント。そのほかにも、ローソン子会社のローソンHMVエンタテイメントといった小売業の興行網への参入が目立っているが、彼らが参入する理由はなんだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございます。
過去の投稿は以下にまとめていますので頭の体操ネタに覗いていただければ幸いです。


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