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8月24日 家庭用歯ブラシは年間約○億本売れている!?

普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→歯ブラシ。意識はしないものの、実は様々なマーケティングで各社が凌ぎを削っている市場である。市場が成長しているのもそうした努力の結果であると言える。今後の歯ブラシ市場で差別化や高単価化を図るとしたらどのようなマーケティングアイディアが考えられるだろうか?


東京都荒川区西日暮里に本社を置き、歯ブラシをはじめとする予防歯科のための口腔ケア商品の開発・販売などを行う株式会社オーラルケアが制定した「歯ブラシの日」です。
日付は「歯(8)ブ(2)ラシ(4)」と読む語呂合わせから。


歯ブラシ。
年間どれくらい需要があるものなのでしょうか?

ちょっと古いのですが、消費者庁「歯ブラシの市場と商品の安全対策」によると、平成27(2015)年の歯ブラシの市場販売数量は2億9,700万本(旅館・ホテル等で提供される業務用を除く家庭用のみ)となっています。
また、国内出荷額は400億円程度、輸入額は126億円となっています。

直近の状況ですが、市場規模ではないものの、店頭販売金額の対前年比の推移がライオンの決算資料にありましたので転載します(インテージ、SRI、SDIデータ)。

ちなみに、ライオンの2020年12月期決算をみると、コロナの影響は事業利益で49億円のプラス効果があったと分析しています。2019年の事業利益が300億円ですからかなり大きなプラスがあったことが分かります。

では、2021年は?というと、プラスは消え、むしろ原材料価格の上昇が大きなマイナス要因となっています。


市場全体を示すデータがなかなかないのですが、富士総研「国内のオーラルケア関連市場調査」によると、歯ブラシを含む国内のオーラルケア関連製品の市場規模は、4,103億円(2019年見込)、2022年予測では4,344億円と市場の拡大が予測されています。

この背景には、各社が歯周病のリスクを訴え、歯ブラシだけでなく、洗口剤でも歯周病ケアをラインアップしたことなどがあるそうです。


そもそも「歯みがき」はどのくらい行われているのでしょうか?
厚生労働省が5年ごとに行っている、「歯科疾患実態調査」(平成28(2016)年。まだデータが更新されておらずこちらが最新。)によると、1969年調査では毎日2回以上歯をみがく人は16.9%でしたが、最新の2016年調査では77.0%となっており、歯をみがく習慣は普及していることが分かります。

この結果、国が目標としている、8020達成者(80歳で20本以上の歯が残っている人の割合)は51.2%であり、平成23年の調査結果40.2%から増加しています。

このように順調に市場が拡大しているマーケットですが、その裏には先ほどの歯周病への認知向上や高機能製品へのシフトによる単価引き上げなどの努力が行われています。

直近の動きとして2つご紹介します。

1つ目は富士通とサンスターが共同で始めたサービスです。なんかすごいです…

患者はサンスターのIoT(インターネット・オブ・シングズ)機器「G・U・M PLAY(ガム・プレイ)」を使う。歯ブラシにガム・プレイを装着すると、歯磨きの回数や時間、磨いた部位などをセンサーで記録。近距離無線通信技術のBluetoothで専用のスマートフォンアプリに送り、歯磨きを自己点検できる。
取得したデータは予防歯科を手掛ける歯科医院とクラウドで共有する。歯科医院は患者の日々の状況を踏まえて磨き方を指導し、虫歯や歯周病を未然に防ぐ。口腔・レントゲン写真や検査結果などもクラウドで患者と共有。来院およびネットを介したコミュニケーションの両方で治療を進められる。


2つ目は人口が減少する人間ではなくペットの歯ブラシです。もう当たり前になっているようですね。


最後までお読みいただきありがとうございます。

皆様の頭の体操のネタになるところが1つでもあれば嬉しいです。

このような投稿を続けてきてほぼ2年になります。以下のマガジンにまとめてありますので、ご興味があれば覗いてみてください。



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