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4月21日 ラジオは斜陽メディア?成長メディア?

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問はこちら。

→ラジオ、そのままであれば衰退一辺倒だった市場が、コンテンツはそのままで、ネットで聴けるプラットフォームを作ったことで視聴者を(少なくとも広告費を)維持することができた。他の広告メディアとラジオの違いはどんなところがあり、今後どのような市場として成長できるだろうか?


ラジオ16社に民放初の予備免許が与えられた1951年4月21日を記念した「民放の日」です。同年9月1日に名古屋の中部日本放送(現・CBCラジオ)と大阪の新日本放送(現・毎日放送)が本放送を開始したのを皮切りに、全国で次々と民放ラジオが開局しました。

ラジオ。
在宅勤務が多くなったことで、利用が多くなっているようです。
国内ネットラジオ最大手「radiko」の月間利用者数が2020年3月に急激に増加し、1,000万人に迫ったそうです(下図:radiko)。

ということで明るい業界かと思いきや、ラジオ広告費は2001年に2,000億円だったものが、2019年には1,260億円へと4割近く減少しています。ちなみに2021年は1,106億円とさらに減っています(下図:電通「日本の広告費」)。


帝国データバンクが2020年10月時点に2015年度から2019年度決算の収入高が判明したラジオ放送事業者231社を抽出、分析したデータを公開しています。

それによると、2017年度以降、3期連続で減少し、2019年の収入高合計は1,136億円(前年度比2.3%減)となっています(下図)。

しかも、231社のうち、収入高が1億円未満がなんと153社(66.2%)となっています(下図)。

ラジオ放送事業者の収入高上位5位は以下の通りです(下図)。


このように厳しいラジオ業界ですが、先程の広告費の推移を見てわかるように、実は2011年ごろから減少率が止まり、横ばいになっています。
この要因には2010年にサービスを開始したradikoがあると言われています。アプリのダウンロード数は2,000万、月350円のプレミアム会員は100万人に近づく勢いです。

有料会員からの収入だけでも40億円を超える売上がありますが、さらに聴取ログや、アンケートデータ、アプリ利用履歴、会員データなどにより、ターゲティング広告を行うモデル(ラジコオーディオアド)を試行しています(出典:日本民間放送連盟「ラジオの放送・通信連携への取り組み」)。

もともとはラジオの衰退に危機感を覚えた電通とラジオ各局が立ち上げた会社で株主にはラジオ局がずらっと並んでいます。

これまでYouTubeなどの動画コンテンツ市場が賑やかでしたが、音声コンテンツでも一定の市場が作れるか、注目です。

→ラジオ、そのままであれば衰退一辺倒だった市場が、コンテンツはそのままで、ネットで聴けるプラットフォームを作ったことで視聴者を(少なくとも広告費を)維持することができた。他の広告メディアとラジオの違いはどんなところがあり、今後どのような市場として成長できるだろうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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