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9月15日 過去の規格争いに学ぶ、業界標準となるためのポイントは?

普段の仕事を離れた、翌日にちなんだ過去の出来事をネタに「頭の体操」。
そこから問いや興味を広げたり、抽象度を上げて他への応用を考えてみたり…
さまざまな「頭の体操」に活用ください!
体操のための質問例はこちら。

→ビデオ、CD、DVDそしてBDで起こった規格争いはハードの規格争いだった。現代のプラットフォーマーはいわば一社でこの「規格」を独占するものとも言える。この違いはどのように生まれているのだろうか?


DVD
って覚えてますか?発売前に規格争いがあったそうです。
今は配信で見ますから、ブルーレイでさえあんまり見かけませんし、そもそもプレイヤーがない家もあるような気がします(うちはそうです)。

DVDは1996年に初めて発売されたのですが、その前に激しい規格統一争いがありました。1995年の9月15日、両陣営で規格が統一されました。

片方は、CD規格を主導したソニー、フィリップス陣営。もう片方が東芝、パナソニック陣営。結局、中立のIBMに間に入ってもらい、それぞれの良いところを合わせた形で規格が統一されたそうです。

今は、規格は先に押さえたものが勝つ、プラットフォームを押さえたものが勝つ、という考えが主流ですが、当時は、いいものを作れば、という考えが、特に日本企業に強かったかもしれません。

さて、この規格争い、実はBD(Blu-ray)でもありました。しかも、DVDのように仲裁者が出て統一されてめでたしめでたし、とはならず、激烈な争いが繰り広げられました。

BDと標準規格を争ったのが、HD-DVD。知らない人の方が多いと思います。私も今回調べてうっすら思い出した程度です…

あちこちの情報を私なりにまとめますと、2002年にソニーがブルーレイディスク規格を公式発表。翌2003年に同社が世界初ブルーレイディスクレコーダーを発表して、そこから多数のメーカーの商品が発表されています。
こちらの陣営には、CD規格からのソニー、フィリップスのほかDVDでは敵方(?)だったパナソニックもいました。前回のDVDの轍を踏まないよう、ソニー側も各社に声をかけ仲間づくりをしていた訳です。

ところが、東芝は今回も我が道を行きます。PCの記録メディアとしての側面も考慮しNECやマイクロソフトも陣営に加えてHD-DVD陣営を立ち上げたのです。

詳しい仕組みの話は私も十分に理解していませんのでそこは割愛しますが、両陣営の違いは、一言で言うと、新技術のBD、既存のDVD技術の発展のHD-DVDとなります。

つまり、主にコスト面で違いがあったのです(当然HD-DVDの方がコスト的には優位)。

HD-DVDの弱点は容量です。
そもそも新しいメディアが必要とされたのにはハイビジョン放送が始まることが要因の一つです。なのに、HD-DVDはBDに比べて録画可能時間が短かったのです。TV番組を録画するのに1枚で2時間取れるか取れないかは大きな違いですよね。

当初こそ、価格優位性に加えて、大きな映画会社を味方につけた東芝陣営が良い戦いをしましたが、プレイステーションへのBD搭載や容量の問題などからジリジリとシェアを落とし、ついには頼みの映画会社もBDへ鞍替えしたことで、わずか2年後には撤退を余儀なくされました。

結局、顧客ニーズが容量より価格であると見誤った東芝が負けた訳です。


ちょっと調べただけですが、このケース、いろいろな学びがあると思います。


最後までお読みいただきありがとうございます。
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