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8月27日 ジェラートは「アイスクリーム」ではない!?

普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→アイスクリーム市場。競争が激しいように見えるが、なぜ単価を継続的に引き上げることができているのだろうか?


東京都豊島区東池袋に事務局を置き、イタリアのアイス「ジェラート」をより身近にしようと活動する日本ジェラート協会が制定した「ジェラートの日」です。
日付は世界中を魅了した映画『ローマの休日』がアメリカで公開された1953年(昭和28年)8月27日にちなんで。映画の中でオードリー・ヘプバーン演じるアン王女がスペイン階段でジェラートを頬張るシーンは、ジェラートを世界中の人々に知らしめ、ローマを訪れる観光客の憧れのデザートとなった。


ジェラート
そもそもジェラートってアイスクリームと何が違うのでしょうか?

ジェラートとは「凍った」という意味のイタリア語で、果汁や果肉、牛乳、砂糖などを混ぜたものを凍らせて作るイタリア発祥の氷菓のこと、だそうです。

実は日本では食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」と「食品、添加物等の規格基準」の2つの法律によってアイスクリームには以下の4つの区分が定められています(日本アイスクリーム協会HPより)。

表にすると以下の通りです。

あれ?ジェラートがない!?のですが、ジェラートは上記区分にはなく、一般的なジェラートは乳脂肪分は4〜8%のものが多いため、日本の区分では「アイスミルク」に分類されるそうです。

というわけで、ジェラートの市場規模、というのは見つからなかったのですが、アイスクリーム市場をみてみましょう。

一般社団法人日本アイスクリーム協会『2021年度「アイスクリーム類及び氷菓」販売実績(メーカー出荷額ベース)』によると、2020年度のアイスクリーム市場規模は5,258億円となっています。

2001年からの推移は以下の通りです。

年々市場が拡大していることが分かります。

この要因ですが、以下のグラフと強い関係があるそうです。

そうです。気温です。

2001年から2021年で53%も市場が拡大しています。

そんなにアイス食べるの増えたかな?というところですが、アイスクリーム市場の拡大には、量と単価、両方の拡大が寄与しています。

以下は、先ほどの販売金額に加えて、物量と単価を示したグラフです。

先ほどと同じ2001年から2021年では物量では78.6万㎘から90.0万㎘へ、14%しか増えていません。

残りは単価の上昇です。
同じく437円から584円と33%も増えています。

これはメーカー各社が付加価値の高い商品を投入し、それが消費者に受けれられたことによるものです。


ではどのような商品が伸びているのでしょうか?先ほどの4分類で見てみましょう。

2001年と2021年とで比較すると
☑️ アイスミルク:2.36倍
☑️ ラクトアイス:1.60倍
☑️ アイスクリーム:1.43倍
☑️ 氷菓:1.06倍

となっていて、アイスミルクが倍増していることが分かります。
ジェラートもこの分類でしたね。

また、形態別シェア(2021年度)は
☑️ マルチパック:28.0%
☑️ 紙カップ:16.9%
☑️ その他一般:13.9%
☑️ スティック:10.8%
☑️ プラカップ:7.7%
☑️ モナカ:7.3%
☑️ コーン:5.7%

などとなっています。

推移は以下の通りです。


最後にアイスクリーム市場シェア1位のロッテの2021年度業績を見てみます。

アイス市場、1位のロッテでも17.1%と、比較的シェアは分散していて競争が激しい市場であることが窺えます。


最後までお読みいただきありがとうございます。

皆様の頭の体操のネタになるところが1つでもあれば嬉しいです。

一昨年8月からこのような投稿を続けてきて2年過ぎました。以下のマガジンにまとめてありますので覗いてみてください。



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