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小倉理都子個展

 アーティスト小倉理都子さんの個展がギャルリーワッツ(東京都港区南青山5-4-44 ラ・ポール南青山54#103:℡03-3499-2662)で開かれている。2024年4月23日(火)の初日に顔を出した。
 主な展示作品は2種類。一つは段ボール素材のcorrugated-cardboardシリーズ。段ボールを巻いたり、切ったり、切り込んだりする。

 
 
 

 もう一つがアナログフィルムを素材にしたFilm-worksシリーズだ。このシリーズでは、「瞬間の積層(layered of the moments)」をテーマに、空間や時間をテーマにした新たなシリーズも展示している。


 段ボール作品はブローチだ。色合いがきれいでかわいらしい。
 作成前にまずはハガキで模型を作ってみるのだという。
 そして作成に入るが、断面の山が厚さ5ミリ、3ミリ、1.5ミリの3種類を用意する。色を塗って丸めて切る。その「切った断面で見せる」のだと小倉さんは話す。「それでずっとやって来たが行き詰まっていた」とも。そこで「同じ形のパーツを一枚一枚重ねて造るようにしてみた」のだという。

 小倉さんは1978年、中村ミナトに師事。90年代から国内外で多数のグループ展、個展、美術館での展覧会、アートフェアなどに参加。
 工業製品がアートジュエリーになることを明らかにしたかったとの思いから生まれた段ボールのジュエリー。
 さらには、時間の経過と記憶が想起させる抽象的概念をジュエリーとして成立させたいと模索したフィルムの作品など、様々な素材を駆使し、枠にとらわれない実験的で存在感のある作品を発表している。
 作品は欧米の様々な美術館のパブリックコレクションに所蔵されている。
 米国のヒューストン美術館、フィラデルフィア美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、スミソニアン国立デザイン博物館、カナダのモントリオール美術館、オランダのCODA MUSEUM、フランスのCollection of the Tour of Cagunes-sur Mer、フィンランドのDesign Museum、ロシアのエルミタージュ博物館など。

 今回の個展は4月28日(日)まで。開廊時間は正午から午後6時(日曜日は正午から午後5時)。無料。

 ちなみに音楽評論家の小倉エージさんはご主人である。

 

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