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原子力規制委2.7会見

 原発が立地する自治体住民から今回の能登半島地震に関する新知見が出るまで現在行われている原発に関する審査を凍結してほしいとの要望がなされたが、原子力規制委員会の山中伸介委員長は2024年2月7日(水)の定例会見で凍結する考えはないと表明した。
 「要望は拝見している。新知見を出来るだけ取り入れて厳正な審査を進めていきたい」と山中委員長は述べるにとどまった。
 同日の会合で事故後のSNSでの情報発信に一定の効果があったと評価したものの、1月18日にはドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天が共同会見を開き、基地局にたどり着けなかった旨の話があったと指摘があった。
 これに対して、山中委員長はSNSでの情報発信に対して多くのアクセスがあったので「一定の効果があったと評価している」と話す一方で「ホームページの在り方は不十分な点があるので改善していきたい」という。
 原子力防災対策指針(原災指針)を見直す考えはないのかと改めて問われて、山中委員長は「まずは自然災害に対して人命を優先すべき」であり、その後に原災指針が来るとの考え方を繰り返した。

海岸線隆起の問題について
 山中委員長は「原災指針では放射線の源となるような原子力発電所から逃げていく手段、遮蔽して頂く手段、いずれかをとって頂く基本的考え方
を定めている。今回の災害が、(その基本的考え方に)特段大きな影響を与えるとは思っていない」と話した。
 志賀原発がどれくらいの海岸線の隆起にまで耐えられるかについて北陸電力が「取水口で20センチまで耐えうる」としている点について、「審査の中で海岸線の隆起について、隆起を及ぼす可能性のある海岸線の断層について審査してもらっている」と山中委員長はコメントした。

原子力規制員会の山中伸介委員長


 能登半島地震では家屋倒壊などが起こって想定されている屋内退避が不可能な事態となった。しかし、山中委員長は「屋内退避をいつ始め、どのくらい続け、解除した後どうするかについてが重要だ」と繰り返した。
 そのうえで、まずは地域ごとに違った条件があるので地域ごとに対応を考えてほしいとの考えを示した。「地域ごとに防災計画は変わってくる。国と連携しながら進めてほしい」と山中委員長は話した。
 空間放射線量を測るためのモニタリングポストが今回の地震の後、18ヵ所で欠測し、その主たる原因が通信にあったと判明している。
 山中委員長は通信の多重化、多様化を図っているとした。しかし、それをいつまでにというスケジュールについては「出来るだけ早くに対応したい」と述べるにとどまり具体的な言及は避けた。
 モニタリングポストによる放射線量の計測結果によって原発周辺住民の避難計画が立てられることになっている。

 

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