私が本を読まなくなった理由
小さい頃は、本をよく読んだ。本の虫だった。
時間のある限り本を読んだし、小学校の図書館にある本は小4くらいでほとんど読みつくしてしまった。
その後は市営の図書館へ行き児童が読みそうなものはすべて読んでしまい。社会問題など大人系の本も端からどんどん読んでいった。今思うと大学テキストレベルも結構あって興味本位とは言えよくあんなに読めたのだと思う。
勉強しなくても成績はいつも上位で、学期毎に配布される教科書も、読み物としてその日に全部読んでしまい、退屈な復習授業中は他の本を読んでいた。
しかしだ、中学に入って2年に上がるころ打ちのめされてしまった。
成績が伸び悩んだのだ。国語はまだ上位だったが数学をはじめ図書館にある本なんか全然読まない友人の方が成績は良く徐々に離されていった。
私はそれまで勉強したことが無かったので国語・数学・理科・社会など本から得た「常識」で試験問題を解きそれなりに、少なくても上位20パーセントにいたのだが通用しなくなってきた。
とくに数学は壊滅的であった。数学読み物的な雑学はあっても、当時は数学とは繰り返し、繰り返し手続きを記憶する科目だと知らず、授業は理解できてもテストで解答をトレースすることが出来なかった。
周りを見回し、成績上位の人たちが読んでいるのは、私が見たことのない塾のテキストであり、参考書、問題集であった。
自分が幼稚であったと思い知った。
本をたくさん読んでいれば、なんか素晴らしいことがある、知識が広がり、見識が高まり、豊かな人間になり、豊かな人生をおくれる・・、なんてことは全くの幼稚な幻想で嘘っぱちだったのだ。
今後、間違いなく豊かな経済力を身に付け、それによって見識を高め、豊かな人生を送るのは成績上位の彼らなんだ、と。
どんなに本を読んだとイキったところで、成績が伸びなければ生涯底辺生活。
結局、私は書を捨てた。
国語のイマジネーション勝手読みもやめ、パラフレーズと対立で客観的にテストが要求する読み方に合わせた機械のような読解マシーンとなった。
そして参考書と実用書しか読まない生活となった。
May the Force be with you.