column#4 アイドル楽曲大賞2023

毎年おなじみのアイドル楽曲大賞。
簡単にいうと、有志のアイドルファンがその年にリリースした全てのアイドルの楽曲から投票し、今年一番良かった楽曲を決めるものである。

人それぞれ、さまざまな投票基準があると思うが、私の基準は「その年を代表できるか、何かのドラマがあるか」であり、少し楽曲そのものの良さから外れてしまうきらいがある。

今年は「インディース(東京)(グループ)」に限定し投票した。
今回地方アイドルが別枠になったため、タイトル未定とfishbowlがいないのは衝撃である…。(って言ってたのになんか入ってる、あれ見逃してた……??)
昨年度の記事は下記にて。

全体への所感

2023年の楽曲について

今年のアイドルシーンに関していうと、やはりTikTok曲の流行が非常に大きなテーマであった。
例えばiLIFE!であれば『ナイナイ恋煩い♡』や『アイドルライフブースターパック』など、FRUITS ZIPPERであれば『ハピチョコ』や『超めでたいソング~こんなに幸せでいいのかな?~』など、Tiktok人気グループがまたしても流行曲を出し続け、その人気を決定的なものとした。

一方で、23年は隠れた夏曲が豊作であったと考えている。
こののち出てくる個人投票でも、5曲中4曲が夏に発表された曲であり、個人的にはこの夏のクオリティーは非常に高いものだった。
特に特徴的なのが王道夏ソングが復活したことであり、やはりAKBからオタクを始めた自分としては、相性がいいものだったと思われる。

結果に対して

今年は良くも悪くも「楽曲大賞」らしい結果になったと考える。
特にここ数年はfishbowlとタイトル未定という地方アイドル、そしてRingwanderungなどの楽曲派の強さである。

やはりfishbowlが圧倒的、と思われていた中で、今年は票の分散が激しかったと言える。
去年の『わたしの一番かわいいところ』や『熱波』が377.5ptでの1位だっただけに、今年の1位が半数であったこと(一方で投票者も100人程度の減少にとどまった)わけであり、良くも悪くも今年の代表曲が昨年と比較して弱かったこともあげられそうである。

個人投票について解説

1位 初恋のひと。/高嶺のなでしこ

正直2位以降については非常に悩んだが、1位に関しては圧倒的である。

HoneyWorksが楽曲プロデュースをする高嶺のなでしこであるが、その曲の多くの恋に関する歌詞は女性目線の楽曲だった。
一方で、本作は少し冴えない?男性が、クラスの人気者の女子に恋(初恋?)をするという歌詞であった。

まず一番素晴らしいのは、圧倒的な王道感。
ライブアイドルシーンにおいて、久々にザがつくほどの王道をこうも歌い上げるか、という感動とともに、サビに起こる『好き』のリフレインは非常に曲も展開も含めた楽しさを感じる。
歌詞に注目しても、特にリフレインの最初が『ごめん 好き』と、そこに好きになってしまった自分を謝罪するところに、初恋の初々しさも感じられる。

一方で、この曲の立ち位置としても、全国対バンツアーを終え、ここから夏フェスに殴り込みに行く、というタイミングでの曲であり、特に今年ライブアイドルシーンで攻勢を強めていきたい高嶺のなでしこにとって、ここまでの「女性の好きなアイドル」というイメージから、もともとアイドルが好きな男性からの好感というイメージチェンジも図れ、その人気を確かなものにしたといえよう。

2位 アリス/かすみ草とステラ

推しグループであるが、とにかくまずは一度見てほしい。
推しメンがかわいい。

失礼した。
全体的に理想を追い求めるが、目の前にある天才と比較してしまう自分を鏡の国のアリスに見立てるという何ともおしゃれな歌詞で全体が進む。
これは2年目を迎えたかすみ草とステラのメンバーが、ここから成長する中で自分の弱さに悩み始める時期でもあり、そこをテーマとしたワンマンライブに加えて、歌詞で背中を後押ししていると考える。

特に私が一番好きなところが、落ちサビ前の
『もしも過去が変わらないなら 未来を愛せばいいじゃないか』
という歌詞である。
自分を好きになろう、だとか、未来を信じよう、という言葉はすでに陳腐化した23年に、愛すという言葉に込められる思いもあるが、何より、そこにアリスがかかっているのは、さすがに思い込みであろうか…?

3位 夏、恋はじめます/Peel the Apple

もう歌詞の節々から青春があふれ出ていて、本当にいい歌詞。
プラチナム、やればできるじゃないか…

個人的にサビの途中に一気に雰囲気が変わる(転調している…?)ところがあるのだが、やはりここの流れが少し夕方というか、デートの終わりというか、今言わなきゃと思うタイミングに感じられるのに、そこに出てくる歌詞Iは『でも言えないI love you』というもどかしさもあり、個人的にPTAでたまたま聞いた対バンの1回しか聞いていないのだが、圧倒的に好きな曲になった。

4位 ゴールデンタイム/Appare!

個人的にはAppare!といえば『君だけのワンダーランド』などライブを楽しむ、という楽曲ばかり見てしまうのだが、やはりこの夏発表されたこの曲は捨てがたい。
通常でればバラードであればもっとローテンポにもなるわけだが、このハイテンポなのにエモさを感じられるのは、もはや新たなAppare!の代名詞になっていると考える。

5位 真夏のユーレイ!!/Merry BAD TUNE

TIFメインステージ争奪戦優勝おめでとうご祝儀で。

ということで、今年も全体と全然投票の流れが違った食前舌語でした。

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