愛がなんだをセフレと観て告白した話

「映画観に行こうよ」誘ってから私は後悔した。

理由は、この映画を観るには1番誘っては行けない人、セフレくんを誘ってしまったからだ。

彼と私は知り合って1年になる所謂セフレだった。

知り合ったきっかけはアプリだった。

勿論、行為するだけの日もあれば、一緒に出かけたりご飯を食べる日もある。連絡は会う前日にしかしない。干渉しあわないセフレだった。

映画を観終わったあとに、私達は喫茶店に入った。

映画の感想を言ったり、最近の近況報告をしたりした。

「なんか、寂しくなっちゃったよね」映画の主人公と自分を重ねて、主人公が恋してる相手を彼に重ねて観入ってしまった私はそう言った。

すると彼は何気ない感じで、「思える誰かが居るから寂しいんでしょ、俺は寂しいって感情になったことないよ」と言った。

私は何とも言えない感情になった。彼は24年間生きてきて、まともに好きになった人がいないことも知っていた。

だけど、私のことを少しでも思って寂しいと感じる夜は彼にはないんだなぁと思った。

愛がなんだを2人で観てから2か月後、私は人生で初めての告白をした。

いつものラブホテルで「恋人になりたい、貴方が他の人と付き合うのが耐えられない」と告げると、彼は「考える」と言っていた。

そこから2ヶ月たった今でも彼から連絡はない。

そう、終わったのだと思った。

確かに私達はセフレだった。でも、バレンタインもホワイトデーも、誕生日も過ごした中だった。プレゼントを送り合ったり、浅草に行っておみくじ引いたり、水族館でペンギン見たりしたじゃない。悩みも愚痴も言い合えたじゃない。

友達でも恋人でもないカテゴリーの中にいた彼を私は未だに消化し切れず、愛がなんだの予告と、いつも行ってたラブホテルのネオンを見ると胸が痛む。

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