日記(Pさん)

 朝から本を読んだ。朝といっても、起きたのが11時近くだった。寝起きに、何か絶望的な嫌な夢を見た。内容はもう思い出せない。朝は絶好調だった。ハンナ・アレントの『人間の条件』の続きを読んだ。率直に話が進む。思想用語みたいなものはあまり出てこない。とにかく、政治と人類の行く末みたいなものに焦点を絞って話が進む。『政治の約束』を読んだ時にも感じたが、純粋な哲学に寄り過ぎている感じを覚える。アリストテレスと、アウグスチヌスの名前が何度も出てくる。
 書き物は進められることが出来ずに夕方になった。職場の知り合いと会って話し、後輩の変わった特徴について、みなであげつらって笑っていた。あまり気持ちのいい笑いではなかった。得る所は、あまりなかった。
 家に着いてから、松本人志の『経られる前に経ろ』というコントを、ユーチューブで見た。おすすめに出ていたからだが、松本人志の他のコントや番組なんかの記憶はほとんどないが、このコントだけは妙に印象に残っている。今見るとじつに小さい笑いだが、当時はしっかりと面白く自分には伝わっていた。おそらくそうだから、未だに記憶に残っているのだろう。たぶん、実家の、夕食時にでも見たのだろう。自分だけの映像として、集中して見た記憶ではない。「経てぇ~、経てぇ~、経つづけなければいけないんだ」という語感を、ただ覚えていた。あの頃はなんにも考えずにテレビを見ていたんだな。『しんぼる』や、『大日本人』という映画があったが、どんなもんだったのかな、ということが頭をかすめた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?