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「行かないでさくら」

「初めまして」が行き交い
二日目三日目と慌ただしく日々が過ぎていく
もうここも七年目の私はと言えば
五千円の買い物をした帰りである
米五キロに飲み物、夕飯、明日の朝ご飯に油ともなれば両手が塞がって
この詩を記すことはとても出来なかったから
心象の、スケッチにした

昼休み、食事をしながら帰りは桜を撮ろうと考えていたのに
そうして今は、神社内の彩りを横目に
重さに耐えながら歩いています
週明けは雨の予報
春の嵐が巻き上げていく
さくら行かないで
行かないでさくら
心のなかに声が鳴って
声にはどこか幼さが感じられた

別の日、車内でも降車したホームでもこの続きを書いていて
ふと周りに、同じような人は居ないかと少しの間だけ顔を上げ、また戻した
いつまでもこうしてはいられない
終わりを控えたものたちとすれ違っていく
その時は心の声ももう大人になって
悲しみを悲しみと言わないように
(いつまでもこうしてはいられない)
それだけでは足りないから
「いつまでもこうしてはいられない」と実際声にした

(さくら行かないで 行かないでさくら)



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