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医療法人、社会福祉法人あれこれ

これはあくまで私が経験した範囲のことですので他の職場がどのような実態なのかは分からないことを予め申し上げておきます。
まず法人の代表者として理事長がいます。法人の創設者ですね。あるいは2代目、3代目が後継者となっているところもあるかと思います。医療法人の代表者の資格として医師であることが求められます。私が勤務したグループの親法人も代表者たる理事長は医師でした。わたしが勤務していた時期に創設者たる理事長がご高齢のためお亡くなりになりました。立派な葬儀を執り行い、後を継いだのがやはり医師であるご子息でした。初代理事長の方は様々な逸話が残されています。年収は軽く2億円を超えて自治体の高額納税者一覧に毎年名前を連ねるようなお金持ちでした。このお方はアメリカのカリフォルニア州に別荘を所有しており毎年年末年始になるとそこで過ごされるのがルーティンでした。ただ驚いたのはお金持ちであるにも関わらず航空券は毎回エコノミークラスという倹約家でもありました。この辺りににわか成金でない本当のお金持ちたる所以があると思いました。一方私が勤務していた子法人たる社会福祉法人の理事長は親法人の理事長、つまり創立者が兼ねるのですが別に施設長という役職があります。理事長は常駐していませんので実質、施設長が社会福祉法人を取り仕切ることになります。施設長の資格要件は特にないようですがそれなりの特徴があります。初代が理事長の配偶者、2代目は区の元役人、3代目は親法人の病院元副院長、4代目は厚労省の元役人です。親族や行政関係者、グループの元幹部が施設長になってきた訳です。施設長の下に事務長という役職が存在します。事務長という役職は親法人の関連病院やクリニック、老健、有料老人ホームといった施設にそれぞれ置かれていました。事務長の資格要件も特にありません。私が入社した時は元百貨店関連会社、元商社マン、元信用金庫職員、元ゴルフ場運営会社支配人など異業種から参入してきた方が各施設の事務長職を務めておられました。グループの中核病院の事務長は生え抜きの方が務めておられました。異業種参入組の方々は皆会社が倒産したり、自身がリストラされたりとそれぞれ事情がおありのようでした。新卒で入る方は少ない印象でした。事務長職に求められる能力としては予算、決算の計数管理能力や金融機関との交渉力、オーナーである理事長から信頼を勝ち取る力に加えて人脈や人間関係構築力が必要だと感じました。学歴や勤務していた会社が立派なことは入社する時には有利に働きますが入社後即戦力として上記の能力がないと事務長職を続けていくことは難しいと感じました。事実事務長職を解かれ平社員に降格になった方を何人も見てきました。逆に計数管理能力に優れ、対人折衝能力に長けている方は一施設の事務長に留まらず各施設の事務長を束ねる統括事務長に出世していきました。そこは完全に実力主義の世界でした。

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