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戦争って人災を体験するゲームがMOMAの企画展示に出展されているんだとか

リリースは2014年なので、けっこう前のゲームなんですね。
まったく知りませんでした『This War of Mine』って作品で、ポーランドのゲームメイカー11 bit studiosが開発、販売しているもの。

なんとポーランドでは推薦図書(?)になっていたり授業でも使われているゲームらしいんですが..本作のシニアライターをして「まったく楽しくない」とまで言い切る内容は、いつとも知れない停戦まで戦時下で生き抜くという聞くからに重めなシナリオです。

なんだろう、楽しい要素を見出せないのにプレイしてみたくもあり。
最新の「FINAL CUT」版はPS5とXboxSeriesX向けなんですが、ほかにスマホからPS4にSwitchでもプレイできる旧版があるそうで。

本作で、プレイヤーが操作するのは戦時下で生き抜く一般のひと。
ただ生き残ろうとするしかできない、普通のひとです。
クリアの目標になる停戦期限も、プレイヤーに明かされず始まるとか。
まさに、いつ終わるとも知れない戦時下で生き抜くしかないわけ。

ケガをした仲間のために医療品を探すなかで、同じく戦時下を生きる老夫婦から略奪してでも仲間を救うか、みたいな選択肢が繰り返されるらしく。
助けた仲間は、それを聞いて鬱になったりするとか..もう地獄みたいな。
ただ、このゲームをプレイすることで知れる感情だったり考えだったりは、平和に暮らしていると想像する機会もないようなものでしょうね。

たとえば戦争を、ふつうの生活をしている側で描くものってたくさんある。
映画や書籍なんかは、でも第三者の側でしかなくて。
それが本作では、少なくとも自分の選択で事態が動いてしまうわけで。

仲間を救ったあと、老夫婦はいなくなったり。
それで鬱になっちゃった仲間をかかえて、でも生き残ろうとする何だろう?
クリアすることが目的じゃなくて、感情を問うような体験。
だからこそ推薦図書たり得て、授業でも使われているんでしょう。
ポーランドで、というのもあるでしょうね。

ふと思い浮かぶのは、火垂るの墓。
誰も悪くない、ただ戦争があったほかに理由もないバッドエンド。
この『This War of Mine』は、そんなゲームかも。

触れてみたくもあり躊躇ってしまうゲームもめずらしい。
ほかの、呑気に銃撃戦しちゃうようなのを楽しめなくなる怖さもあるかな。
プレイし始めたら、そのときはnoteでも。