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勝鬨

排水トラブル
水道屋として資格は当然もっているけど
プロとしての自覚はない

そもそもプロって何だろうか
むしろ素人が頑張って解決している
そんな感覚がある

真夜中に電話がなった
場所は千葉のコンビニだった
グリストラップが溢れだしそうで

水が使えないから
朝の準備ができないと夜中02時
雨の降りしきる中
東京に近い千葉もあれば
100キロ近く進む千葉もある

あまりにも遠いから
下手をすると明け方になると案内する
時間に余裕を持たせることで
演出の最大化を図る事はある

真夜中の高速、千葉の外房に向かう時
同時方向に進む車は殆どない
少しスピードはオバーしているけど
きっと罰はあたらないだろう

問い合わせの入電から
1時間もかからないうちに
現れた業者に「早い」の言葉は
いつものことだ

だが、その驚きはすぐに疑念に変わる

グリストラップの蓋を開けたら
ためらわずに手を突っ込む
それも手袋をするそぶりもない
この人は気が触れたのだろうか?という
顔をされることはある

手袋したってその隙間に水が入る深さ
手をつっこむのは排水口の向きを知るため
深さ、異物感など

この時はペーパーが手に付着した
「トイレも詰まっていますか?」
「トイレは使えます」

話に合点がいく。
トイレもつまっているけど
行き場を失った水がグリストに流れてくる
それを使えると錯覚している

夜中の時間を考慮すれば
頻繁に使われることがないから
詰まっているとは思っていないのだろう

そのままグリストの場所から離れて
建物を見て回る
千葉の外房のだいぶ田舎なエリアだ

建物の周りを見て回る
「やっぱりな」
そんな独り言がでる。

浄化槽だ
今にもグリストが溢れだしそうなのに
一向に厨房内に現れない
業者に不信感を抱かれるかもしれない

結果が出る前など
散々馬鹿に思われて構わない
彼らの不満など勝てば消える

グリストラップから見ればだいぶ下流側
マスを開けていくとやっぱり
トイレもつまっていた

そして浄化槽を開ける
そして最終決戦は始まる

演出のためここからは音楽を流しながら
読んでください(笑)



グリストラップはお店の最も上流側にある
何も考えずここからワイヤーをいれれば
20m以上ワイヤーをいれることになる

そんなことでは時間はかかるが
プロ御用達の道具が使える
その分、お代も跳ね上がるけど

必要のない事はしない主義
道具なんか使わない
素人丸だしな解決法

構造上詰まり易い
去年の10月に工事をしてから
今までに2回目の詰まりらしい

グリストラップからみれば
浄化槽への流入口が反対についているとき

汚水と雑排(油分)を含んだ排水が
同一系統でトイレは節水型
ペーパーを押し切る力がなく
曲がりを90度のエルボを使うことで
どうしても勢いがしに

汚物が浄化槽手前で力尽きて
どんどん詰まっていく

解決方法は素手に過ぎない
流石に今度は手袋はする
そこは本物のうつけものではない

勝負は一瞬で決まる

移動時間はあっても
3時ちょっと過ぎたくらいの時間
管理会社に連絡をいれる

「どうしました?」と尋ねられる
まさか終わっているとは思っていないだろう

「終わりました」
「えっ?早すぎますね!?」

そりゃそうだろう
演出は効いている
その言葉で満足だ

うちの会社の話をいつかどこか
御社内でしてくれればいい

最高速度というものはある
それは何もかもかなぐり捨て
雑になったから出る速度ではない

中国からの秀吉軍の大返しは
緻密に計算された結果と演出により
成しえたものだ
それができる軍隊に
明智軍が敵うわけもない

皆の者勝鬨じゃ!!
まー一人だけど(笑)

#勝鬨シリーズ

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