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命日

ちょうどこういう何でもない日みたいに、いつもと同じようにバイトから退勤して携帯を見ると、母から連絡が来ていた。何て書いてあったのか忘れてしまったけど、父が亡くなったのですぐに家族と合流して病院へ向かった。到着した時にはもう息を引き取っていたので、わたしが日常をしている間に静かに逝ってしまったのかなと思った。入院中、苦しむ姿を見ることも多く、また家族の生活が一変したこともあり、これはいつまで続くんだろう、とずっと思っていた。これが終わる先に死があることを考える余裕が全くなかった。冷静になってみれば色々と分かることだけれど、まさか本当に死んでしまうなんて思ってもみなかった。苦しむことが無くなったのなら、それは良かったのかもしれない。無念ではあったかもしれない。それでも長く苦しむよりは。遺された物として、9年目の今日も毎日をそれなりに生きている。いつでも心の側にいてくれて、生きることの支えになっている。これからも生きていく家族をどうか見守っていてください。


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