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訴訟や権利行使の事例解読

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外国での知的財産紛争の結果を分析、解読し、今後の課題解決につながるように解説します。内容には十分注意をしていますが、あくまでも個人的経験に基づく見解あり、法的効果を持つものではな… もっと読む
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記事一覧

中国での透明な材料を利用した製品の意匠特許による保護

中国での意匠特許を調べると、製品全体を透明な材料にしたり、或いはその一部を透明な材料にし…

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中国での商標の先使用権の考察

 中国商標法は諸外国同様に先登録制度を採用していることから、2013年の商標法改正では、未…

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中国 オックスvsグリーの発明特許侵害事件のその後(2023年4月)

オックス(奥克斯空調股份有限公司、AUX)とグリー(珠海格力電器股份有限公司、GREE)のエア…

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中国 キャラクター名称などの商標先取り対策

日本の漫画やアニメ、ゲームなどの作品名や登場するキャラクターの名前は、芸能人の名前と同様…

中国 無印良品に意味のある二審勝訴(9月23日)

上海知識産権法院は、北京棉田紡績品有限公司(以下、北京綿田(上訴人、原告))が无印良品(…

中国 ルブタンの赤いソールは中国で勝利(9月13日)

北京知識産権法院は、9月13日付、「500万元の賠償! 北京知識産権法院は「赤いソールの靴」は…

中国 特許開放許諾と契約書上の注意点

中国特許法(専利法)は、2021年6月に改正され、改正の眼目の一つに中国版ライセンス・オブ・ライト(License of Right:LOR)が導入された。日本では開放特許と呼んでいるが、中国では特許開放許諾と呼び、第三者を制限せず通常実施権を供与する用意がある特許権(中国では、発明、実案と意匠が特許のカテゴリーに入る)を保有する権利者は一般にその旨を公示しライセンシーを募集し契約を締結することができる。なお、交換条件としては諸外国と同じように維持年金の割引(改正案では10年

中国 北京・上海・広州法院2021年10大典型事例

北京・上海・広州法院が発表した2021年度の知的財産権事件10大典型事例をそれぞれ紹介します。…

中国 北京法院による知的財産権懲罰的賠償適用典型事例

北京高級人民法院は、4月25日付、記者会見を開き、「北京市高級人民法院による知的財産権侵害…

中国 中国初医薬特許リンケージ事件に非侵害判決(4月15日)

北京知識産権法院はそのSNSサイトで、4月15日付、原告の中外製薬株式会社が2021年11月に温州海…

中国 最高人民法院知識産権法庭2021年度報告(2月28日)

最高人民法院は、2月28日付、知識産権法庭設立3周年の総括と2021年度の年度報告を行った。最高…

中国 広州知識産権法院2021年度知財事件の総括と10大典型事例

広州知識産権法院は、2月22日午前、新聞発表会を行い、2021年度の知的財産権紛争の総括と科学…

中国 オックスvsグリーの発明特許侵害で1.67億元(約29億円)の賠償判決(2021年12…

12月初めに寧波中級人民法院がオックスvsグリーの2件の特許侵害訴訟で下した1.67億元の賠償…

中国 中国初の医薬品特許リンケージ事件

中国では、改正特許法が2021年6月1日に施行され第76条に医薬品特許上市承認過程のいわゆるパテントリンケージの規定が新設された。これに併せて、国家薬品監督管理局と国家知識産権局は、「医薬品特許紛争早期解決メカニズム実施弁法(試行)」を、最高人民法院は、「最高人民法院による医薬品の登録申請に関連する特許権紛争民事事件の審理における法律適用の若干の問題に関する規定(法釈〔2021〕13号」を公布したので、紛争解決メカニズムの具体的手続き対応は概ね完了し、北京知識産権法院に管轄権