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中国「製品品質法」改正意見募集稿公示(10月18日)

国家市場監督管理総局(SAMR)は、10月18日付、「製品品質法(公開意見募集稿)」を公示し、11月18日まで一般からの意見を募集する。現行の製品品質法(产品质量法)は、1993年に施行され、現行法は、2018年の第三回改正で、2019年に施行されている。現行法は、全6章74条からなり、生産者と販売者に健全な内部製品品質管理を求める、いわばPL法に対応する法律であるが、知財から見ると模倣品対策で虚偽表示や粗悪品の販売に適用できる法律として活用してきた経緯がある。今回の法改正は、全体の構成も変え全6章111条と37条増えた。これまでの粗悪品対策と救済の筋書きから、本来の品質管理体制として、行政の役割、事業者に製品の品質安全管理体制と品質に対する保証を求める方向性に軸足が変わっている。

全体の構成は以下の通り
第一章 総則 (1~10条)
第二章 事業者の製品品質義務
 第一節 一般規定      (11~19条)
 第二節 生産者の品質義務  (20~22条)
 第三節 販売者の品質義務  (23~27条)
 第四節 他の事業者の品質義務(28~31条)
第三章 製品の品質監督
 第一節 一般製品の品質監督  (32~48条)
 第二節 特別消費財の品質監督 (49~53条)
第四章 品質促進と品質基盤   (54~69条)
第五章 法的責任
 第一節 損害賠償 (70~82条)
 第二節 罰則   (83~107条)
第六章 附則 (108~111条)

今回の改正案では、事業対象者に製造者と販売者に、中間事業者、サービス業者、オンライン事業者及び輸出入者を加え、それぞれの品質義務、違反に対する法的責任を追加している。また、新たに製品のトレーサビリティ、輸入製品に対する製造者や販売者の責務が明確に規定されていることには注意が必要である。なお、処罰もかなり増額されている。輸入品に対する統制が加わったことに、日本企業は注意が必要である。

以下は、製品品質法の改正案の仮訳である。

第1条【立法目的】
製品の品質の安全を保障し、製品の品質の向上を促進し、製品の品質の責任を明確にすることで、消費者、事業者の合法的権益を保護するため、本法を制定する。
 
第2条【適用範囲】
中国国内において製品の製造、販売などの事業活動及びその監督管理に従事する場合、本法を遵守しなければならない。
本法にいう製品とは、加工、製造され、販売に用いられる物品をいう。
建設工事には本法の規定を適用しない。但し、建設工事に使用される建築材料、建築部品及び設備の製造、販売が、前項に規定する製品の範囲に属する場合、本法の規定を適用する。
 
第3条【品質業務の基本原則】
製品の品質業務には中国共産党の指導を堅持し、安全第一、品質優先、強固な基盤、管理の推進、社会ガバナンスの原則を堅持する。

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