日蓮大聖人の言葉『千日尼御前御返事』せんにちあまごぜんごへんじ 25

内典の仏法に入りて五千七千余巻の小乗大乗は、女人成仏かたければ悲母の恩報じがたし。小乗は女人成仏一向に許されず。大乗経は或は成仏、或は往生を許したるやうなれども仏の仮の言にて実事なし。ただ法華経計りこそ女人成仏、悲母の恩を報ずる実の報恩経にては候へと見候しかば、悲母の恩を報ぜんために此の経の題目を一切の女人に唱えさせんと願す。

弘安元年(1278)7月28日執筆
『昭和定本日蓮聖人遺文』1542頁


(訳)
仏法に入っていても、五千・七千余巻もある小乗・大乗の経典では、女性の成仏が説かれず、悲母の恩に報いることはできません。とくに小乗仏教では、女性の成仏は許されていません。大乗の経典には、成仏・往生を許したように見えますが、仏による仮の言葉(方便)であり、真実の教えではないのです。お釈迦さまが説かれた「八万四千」ともいわれる膨大な教え(経典)の中でも、ただ法華経だけが女性の成仏を説いています。つまり法華経だけが、慈悲の深き母親への恩に報いることができる真実の報恩の経典なのです。悲母の恩に報ずるために、この経の題目(=南無妙法蓮華経)を、すべての女性に唱えていただくことを願っています。

(解説)
『法華経』は「諸経の王」といわれ、すべての経典の王様であります。そして、お釈迦さまが説かれた教えの中で、唯一この『法華経』が女性の成仏を説いてるのです。
日蓮聖人は、亡き母へ孝養を捧げるのであれば『法華経』に依るのみであり、さらには女性自身も自己の成仏のためには『法華経』を信ずる必要があると、指南をされています。
五月は「母の日」です。生んでくれた母に対し、法華経をもって、孝養を捧げましょう。
お母さん、いつもいつも ありがとう!

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