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2022年 マイ・アートアカデミー賞!

今年(2022年ですので昨年か💦)のアートイベントを振り返り、アカデミー賞(主要五部門)になぞらえて勝手に「賞」を出しておこうという、全く個人的取り組み。栄えある(笑)第4回目の2022年の結果はいかに?

 対象は、自分自身が今年直接堪能したものというくくり。今年開催の企画展だけではなく、以前からある常設展なども含みますので念のため。
「戦」が2022年を象徴する漢字になる、なんとも落ち着かない一年でしたが、おかげさまで、ギャラリー含めて今年も50を少し超えるぐらいで「展覧会」「アートイベント」「美術館」等々に顔を出してみることができました。勿論見逃したものの方が沢山。「あれが無いだろう!」もあると思いますが、体験していないのでごめんなさい。

主演女優賞★ 
今年一番印象に残った女性作家は…ロニ・ホーン 
『水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?』
ポーラ美術館 2021年9月18日~2022年3月30日

箱根の山の雰囲気とばっちりフィットした屋外展示がなんとも印象的な展覧会でした。こちらの作品は常設になったようなので、四季折々楽しめますね。どんな景色を“水面”に映しだしてくれるのか楽しみです。
作品の形態が写真、彫刻、ドローイングなど様々なのに、感じる雰囲気が同じトーンで、ここも不思議な魅力でした。自分がガラス素材の作品に興味を持ち始めたタイミングで見たのも良かったのかなぁ。
*次点… カーティス・レイ
『カーティス・レイ 静けさの地平』展 
富山市ガラス美術館(3月12日~6月26日)

★主演男優賞★
今年一番印象に残った男性作家は…ゲルハルト・リヒター
『ゲルハルト・リヒター展』
 東京国立近代美術館  6月7日~ 10月2日

ホロコーストを主題とした《ビルケナウ》が話題となった展覧会ですが、二次元の「絵画」の世界の深さ、広がりを、とことん追求した作家さんなんだなぁと改めて感嘆。映画『ある画家の数奇な運命』を思いだしつつの鑑賞体験が、今も心に残ります。ポーラ美術館で開催していた『モネからリヒターへ』や国立西洋美術館での『自然と人のダイアローグ』での展示も相まって、2022年はリヒター尽くしといった感じでした。
*次点…李 禹煥
 『国立新美術館開館15周年記念 李禹煥』
 国立新美術館 8月10日~11月7日

★監督賞★
うまく作品、作家を演出してくれたなぁと感じたイベント… 苗場酒造(大地の芸術祭2022)
《Invisible Grove ~不可視の杜~》 早崎真奈美

引き続きのコロナ禍ではありましたが、昨年より会期延期になって今年開催された大地の芸術祭に行ってきました。いくつも心動く作品に出会えましたが、こちらの展示が、まさにサイトスペシフィックだったなぁと思ったのと、苗場酒造さんが当初予定の貸し出し期間を過ぎても、この作品のため(そして鑑賞者のため)に、お店のスペースを提供し続けてくれたことに感動。地域芸術祭の“あって欲しい”姿を、Invisibleをタイトルに置く作品で見ることができたのが良かったです。大地の芸術祭では他にも印象に残る“展示”が多かったです。
*次点…大島《Nさんの人生・大島七十年》田島征三 瀬戸内国際芸術祭2022 

★脚本賞★
展示そのものに物語のような魅力を感じた展覧会…新国立美術館
《ダミアン・ハースト 桜》 
3月23日~5月23日

「え? これが(ホルマリン漬けの)ハースト?」って感じがするくらいの《桜》の数々。新国立美術館のやたら広いホワイトキューブだからこその、桜咲き誇る空間。なんとも潔く、爽快。写真映えするせいで、シャッター音が絶えないのも、桜を屋外で愛でる感じで良きでした。
*次点…森美術館 『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』 2月18日~5月29日 

そして、お待たせしました。今年の栄えある
★作品賞★
今年見た中で最高でしょうこれ! のアートイベント(展覧会)は… 
『蜷川実花「瞬く光の庭」』 東京都庭園美術館 

これはもう、一生心に残る鑑賞体験をしてしまったからで、同じ体験を別の展覧会でしたらそちらが作品賞に…いや、やはり、この展覧会だからこその出会いだったのかなと。
庭園美術館で実施している、“障害のある方対象 アート・コミュニケータとめぐる庭園美術館”にお手伝いとして参加。言葉では意思疎通のできない小学生の男子とそのご両親と鑑賞をご一緒しました。初めは「どうなるかなぁ、楽しんでもらえるかなぁ、…」と、心配が大きかったのですが、最後に、”場”(≒鑑賞体験)を確かにその子と共有しているという感覚を持つことができたんです。展覧会の終盤の幻想的なインスタレーションの作品を前に、一緒に「夢心地」なっているだなぁという実感。
「対話型鑑賞」でいう「対話」の、本当の意味に気づけたというか、なんといえばよいのかはいまだわかりませんが…。ともかくアート作品を前に素晴らしい時間が過ごせたことは間違いありません。

2023年も沢山の素敵なアートと出会えますように!

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