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2023年 これが良かったアート大賞!

今年(2023年)のアート体験を振り返り、アカデミー賞(主要五部門)になぞらえて勝手に「賞」を出しておこうという、全く個人的取り組み。栄えある第5回目の発表をいたしま~~す(笑)

 対象は、自分自身が今年直接堪能したものというくくり。企画展や特別展だけではなく、以前からある常設展(美術館所蔵展示)なども含みます。
”コロナ明け”の今年、おかげさまで、ギャラリー含めて50を少し超えるぐらいとの出会いだったでしょうか。勿論、見逃したものの方が沢山。「あれが無いだろう!」もあると思いますが、体験していないのでごめんなさい。
★ここまで、ほぼ例年通りの冒頭挨拶になります。

主演女優賞★ 
今年一番印象に残った女性作家は…ジャファ・ラム / Jaffa Lam
『布の芸術祭 Textile & Art Festival』フジテキスタイルウィーク
山梨県富士吉田市 2023年11月23日~2023年12月17日


この地域で開催の芸術祭、全然知らなかったんですよね。迂闊でした。地域の歴史に根ざしたスペシフィックな展示テーマが良かったですし、ボランティアスタッフの皆様(ほぼ全員女性)から「今」と「昔」の様子を教えていただけたのも嬉しかったです。印象深い作品が多かったのですが、織物が「女性の仕事だったんですよ」というボランティアさんのお話と強く結びついた、ジャファ・ラムさん。窓ガラスにキャプションならぬ歌が描かれているのも何とも素敵でした。
*次点… ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ
『柔らかな舞台』展 東京都現代美術館(2022年11月12日~2023年2月19日)

★主演男優賞★
今年一番印象に残った男性作家は…デイヴィッド・ホックニー
『ディヴィッド・ホックニー展』
 東京都現代美術館  2023年7月15日~ 11月5日


ホックニーの名前と作品は知っていたのですが、正直、それほど好きな作家ではありませんでした。だから、展示もそれほど期待せずに観にいったのですが…何だこりゃぁ~の圧巻の迫力。《春の到来》なんか、絵本の世界が現実世界に現れたような感じで、ビックリ体験。私たちが、写真のようなビジュアル(≒写実)として世界を捉えているのではないことが、感覚的にわかる、素晴らしい作品たち。とっても好きな作家さんになりました。しかも80歳を超えてもまだまだ探求の道中!後で気づいたけど、著作(書籍ね、書籍)が3冊も我が家にありました。あんまり読んでなかったのね💦
*次点…岩崎裕司 
『超老芸術展』 静岡市グランシップ 10月3日~10月8日 

★監督賞★
うまく作品、作家を演出してくれたなぁと感じたイベント…
『跳躍するつくり手たち:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー』展
京都市京セラ美術館 2023年3月9日~6月4日

京都まで、この展覧会のために2回も訪問しちゃいました。何が良かったのか改めて考えると…うーん、ともかく現代に生きる私たちが感じる、機械的な(≒デジタル的な)ものが、存外、感覚的(≒アナログ的)なものと地続きだと実感できる作品群が、新鮮な驚きだったってことでしょうか。
なんか、理屈だらけの中に感じる、面白さと美しさとでもいうか…。こんな世界観でキュレーション組み切れるところが、すんごいなぁと思った次第です。
*次点…『佐伯祐三 自画像としての風景』展 
東京都ステーションギャラリー 2023年1月21日~4月2日(その後、大阪中之島美術館に巡回) 

★脚本賞★
展示そのものに物語のような魅力を感じた展覧会…
《クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ》展
東京都現代美術館
2022年12月21日~2023年5月28日

連日、長蛇の列の展覧会。予約制なのになぜ?というほどの混み具合。
しかし一見の価値は本当にありました。ラグジュアリーブランドの世界が、これでもかと繰り返す様は、圧巻の一言。
写真も撮り放題で、どんだけSNSを賑わしたことか。私も相当枚数、とりまくってました(笑) 会期が後だった、某サンローランの展示(こちらも悪くなかったのですが)と比較すると、改めてディオール展の展示のパワーが思い出されたしだいです。
*次点…
『ウェス・アンダーソン過ぎる風景展』
ヒカリエホール
2023年11月25日~12月28日 
*寺田倉庫で先に開催されてましたが、私はヒカリエで鑑賞しました

そして、お待たせしました。今年の栄えある
★作品賞★
今年見た中で最高でしょうこれ! のアートイベント(展覧会)は… 
『5館が五感を刺激するプロジェクト』
青森県立美術館
青森公立大学 国際芸術センター青森
弘前れんが倉庫美術館
十和田市現代美術館
八戸市美術館

そりゃぁ、まぁ単館でも素晴らしい美術館を5館まとめて鑑賞したら、強いっすよね(笑) アート仲間の4人で2泊3日で回った鑑賞ツアー。本当に楽しかったですし、印象に残りました。その中で、強引に一つだけ挙げるとすると、国際芸術センターの《四季のアーケード》かなぁ。アート作品というより、安藤忠雄設計の建築物なのでしょうが、それこそ、五感をふるわせる圧倒的な存在感。他にも、青木野枝さん他の作品が森に「点在」していたり、青森市内からはちょっとかかるのですが、立ち寄って本当に良かったです。

今年も沢山のアートとの出会いがありました。
東京ビエンナーレへの参加とか、他にもアート体験としては残して起きた出来事沢山ですが、そこはまた賞レースとは別の話ということで。
2024年も沢山の素敵なアートと出会えますように!

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