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<第59回> 仕事の実績は、どのように語ればいいですか?


こんにちは、安斎響市です。


今日いただいた質問は、


地方中小のマーケティング部で広報をしている、新卒4年目女です。

上司に恵まれ、仕事自体は面白いと思っているのですが、会社のあまりに古い体質と給与の低さから転職を考える中で 『
私にも転職って、できますか?』に書店で出会い、そこからTwitterを拝見し、noteの3部作も購入しました。じっくり読ませていただいています。

現業界があまりにニッチなため(伝統産業に近いです)、違う業界に転職することを考えています。 仕事内容については、人が少なく幅広い業務をしていることもあり「広報を中心に4年働いていました」というのは漠然とした印象があるように感じたのですが、一般的にはどのように見えるのでしょうか…? 現状の仕事を棚卸しする中で、エピソードはあれど数字で表せるような成果を挙げることが難しく、説得力が無いのではと不安です。

アドバイスいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。



 というものです。

※この週刊連載:安斎響市の「転職相談室」(毎週土曜日更新)は、マシュマロというツールで募集した匿名の質問に対して、安斎響市が、徹底的に真面目に答えていくという企画です。

かなり込み入った質問や、人生相談のような投稿も多く、Twitterで140文字だけの回答だと私の意見を説明しきれないため、毎週1問、このnote記事で徹底解説していきます。

質問の投稿は、こちらから


嬉しいですね。

私が書いた本の読者の多くは、恐らく、もともと私のTwitterやブログを見ていただいていて、そこから本の存在を知って買っていただいた方々だと思うのですが、逆に、書店で私の本を見つけてTwitterやnoteに流れてくる方がいらっしゃるのは、本当に嬉しいです。

有難いかぎりです。



さて、今日の質問ですが…

「現業界があまりにニッチ」というのは、必ずしも悪い話ではないと思います。

例えば、自動車業界やIT業界みたいなメジャーな業界なら転職しやすいか? というと、同業界内で仕事を奪い合う競合があまりにも多すぎて、ある程度スキルがないと、逆に転職しづらかったりします。これは、何とも言えません。

特定のニッチな業界の経験を持っている方が、業界内では無双できる可能性もあります。もちろん、ケースバイケースなので、どんな業界かによりますが。


そして……

人が少なく幅広い業務をしていることもあり、「広報を中心に4年働いていました」というのは漠然とした印象があるように感じた、

とのことですが、これは、その通りです。この言い方では、さすがにフワッとし過ぎです。


あれもやりました、これもやりました、という「兼務」や「何でも屋」は、転職市場では、非常に弱いです。

では、どのように自分の経験をアピールすれば、強くなれるのか?

今日は、少し具体例を挙げながら、説明します。



重要なのは、「自分は何者なのか?」ということ


私は現在、外資系大手企業で採用活動の面接官を務めています。中途採用の仕事も、今年で5年目になります。

面接官の仕事をしていると、「幅広い業務を経験してきました」「いわゆる何でも屋でした」みたいな自己PRをする人が、意外なほど多くいます。

「ジョブローテーション」や「兼務」をプラスに捉えているのだと思いますが、これは完全に逆効果なので、転職活動では言わない方が良いです。


転職市場においては、基本的に「ジョブローテーション」が高く評価されることはありません。

ジョブローテーションは、会社の仕事を回すために存在するものであって、個人のキャリアにとってはマイナスでしかないです。


どういうことか、もう少し分かりやすく説明しましょう。

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