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No.58 - 「無駄な努力」の見分け方


最近、思います。

今の世の中は、「頑張らなくていいんだよ」と「死ぬほど頑張れ」のあいだだと。


私は基本的に、あまり努力をするのが好きではありません。

ベンチャー企業やコンサルの人たちが大好きな「20代はプライベートを全部犠牲にしてハードワークだ」「若いうちに心身の限界まで働く経験をしておかないとダメだ」という意見も、とても嫌いです。



一方で、「頑張らなくていいんだよ」「ありのままの自分でいいんだよ」という近年ありがちなメンタル本とかにも、かなり違和感を持ってしまいます。

これ、全然「優しい言葉」ではないからです。
むしろ、悪意すら感じます。



なんだか、不思議な世の中だなぁ… と思います。

最近は「コンサル本」ブームで、「コンサルの最速仕事術」みたいな激務ハードワークの仕事を礼賛するコンテンツが無数に生み出される一方で、同時に、「繊細さん」「自称HSP」のような、無理せずに逃げましょう!的な甘やかし系のコンテンツも一種の流行りです。

ある意味で、二極化しています。

本当に、今の世の中は、「頑張らなくていいんだよ」と「死ぬほど頑張れ」のあいだです。


当然ながら、何の努力もしない人は、何も手に入れられません。どこで何をするにしても、一定の努力は必要です。

「頑張らなくていい」はずがありません。


しかし、かといって、「死ぬ気で努力」なんてしたら本当に死んでしまうので、そんなにオーバーワークする必要はないと私は思います。

「死ぬほど頑張れ」は、ちょっと極端過ぎます。



こういう「0か/100か」的な両極端で片寄った思考になってはいけないです。何とか間を取って、ちょうどいいところに落ち着きたいものです。

でも、じゃあ……
私たちは、一体どのくらい頑張ったら良いのでしょうか?


「頑張れ」という言葉には、意味がない


「頑張れ」というアドバイスにはほとんど価値がないという話は、前回の記事にも書きました。



例えば、「お金がないよりは、あった方が色々と良いよ」というアドバイスにまったく価値がないのと同じです。

そうじゃなくて、どうやってお金を稼ぐか? が大事なわけじゃないですか。「お金は少ないより多い方がいい」のは、もうみんな知ってるんだから。



別の例を挙げると、「健康に気を遣うべき」というアドバイスにまったく価値がないのと同じです。

そうじゃなくて、何にどのくらい気を付ければ健康になれるか? が大事なわけじゃないですか。「健康第一」ということは、もうみんな知ってるんだから。



同様に、「頑張れ」というアドバイスには、ほとんど価値がありません。

大事なのは、「何をどのくらい、どんなタイミングで頑張れば、欲しい成果が出せるのか?」 ですよね。


そうじゃないと、一体どのくらい頑張ればいいのか分かりません。

「頑張れ」は、何も生み出しません。


もちろん、何を・どのくらいやればいいのか? という具体的な答えは、取り組むテーマや、目標とする地点によって、人それぞれ異なります。

ただ、常に共通して重要なのは、「無駄な努力」のために時間を使わないことです。


結局は、「頑張らなくていい」も「死ぬほど頑張れ」も、程度の問題だからです。

頑張らなくていい内容は無理して頑張っても仕方がないし、一時的にフルコミットで頑張った方が良いタイミングも、世の中にはあります。

やっても意味のない無駄な努力は、「頑張らなくていい」です。
一方で、「死ぬほど頑張る」くらいの気持ちで取り組むべき内容も、時と場合によっては確かにあります。


この見極めが、大事です。

「頑張れ」という精神論的なアドバイスよりも遥かに重要なのは、「意味のある努力」と「無駄な努力」の見極め方です。

何をやることに価値があって、逆に何に価値がないかを、正確に見定めることです。


「無駄な努力」を見極める、2つのポイント


努力ゼロでのんびりまったりというのは流石によろしくないし、かといって、ひたすら寝る間もなくハードワークでは身体を壊します。

そのどちらも極端過ぎて、ほとんどの人には合いません。


なので、大事なのは、「無駄な努力」を徹底的に省いて、「意味のある努力」だけに時間と労力を投資することです。


これが結局は、最小の努力で最大の結果を出すことにつながります。

まったく努力をしないで怠けるわけでもなく、努力し過ぎて過労死したり精神を病んだりするわけでもなく、必要十分な努力で最適な結果を出すことにつながります。


では、どうすれば「無駄な努力」を見分けることができるのか?

ポイントは、2つあります。

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