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「整体に行ったけど、やっぱり良くならなかった」とならないために気をつけたいこと。

今回は、以前に書いた内容の続きです。

「やっぱり良くならなかった」のは、施術者の技術の問題じゃないか、と思われるかもしれない。もちろん、それが理由のケースもある。

しかし、今回感じているのは、そこじゃない。
技術的な問題で、はっきり言うと「施術内容の不正確さ・習熟度の低さのために、これでは何回通っても良くならないであろう」ことを患者さんに行っているのは論外であるし、施術者個人の課題でしかない。

「やっぱり良くならなかった」と言う理由が、

「痛くないのがいいのに、痛いじゃないか → だから良くない」
「腰が痛いと言っているのに、腰を全然診ない → この先生大丈夫?やぶじゃない?」
「何やっているのかわからない上に、何回も通わされる → なんか騙されているみたい。ぼったくり?」

と、施術内容や考え方が通じていなかったり、理解されていなかったりしているだけで、患者さん側から「整体は信頼できない」と、不本意な評価を受けているケースが想像以上にあるかもしれないと感じたからである。


自分の仕事内容について、思うほど他人は理解していない


1年前、さわらぎ寛子さんの6か月講座を受講した。

自分のビジネスのことを言語化したい人達が、業種を問わず集まった。
私も、自分が患者さんに何を伝えたいか、大切にしている信念は何かについて、じっくりと向き合いたいと思い、受講を決めた。

そこで感じたのは、
インテリアコーディネーターとか、コンサルタントとか、ピラティスインストラクターなど、よく聞く職業であっても、イメージしていた業務内容と実際の業務内容とが少し違っていたことだった。ドラマなどで見た印象や、その業界の有名人の在り方が、いつのまにかデフォルトになっていったからだろう。自分が知っている一部分だけを見て、勝手にイメージが出来上がっていたのだ。

だから、インテリアコーディネートの仕事は体力面でハード(ある面、肉体労働)であることや、コンサルタントと心理セラピストとは、肩書が違うだけでやっていることが同じなんじゃないかと思ったことなど、初めて知ることひとつひとつに驚き、発見できることが楽しかった。新鮮な刺激をたくさんもらえた半年間だった。

また、例えばセラピストという同じ肩書でも、ターゲットも違えばアプローチの方法も違うといった、肩書だけで勝手にイメージして決めつけてはいけないということも学んだ。

自分の仕事についても同様だった。自分がもともと話したいと思っていた内容よりも、3歩も4歩も手前の部分、つまり基本の基本から説明しないと、通じないこともあった。

その経験が、患者さんが本当に知りたい内容について、改めて考えるきっかけになった。

自分にとっての当たり前は、皆の当たり前ではなかったのだ。


健康を優先する人ばかりではない

自分にとっての当たり前は、皆の当たり前ではない、といえば。

「体の不調があれば、良くなりたいと思うもの、楽になりたいと思うもの
といった表現を見かけたことがある。
個人的には、共感できる内容だ。

しかし世の中には、体の不調よりもおしゃれに手を抜きたくない人もいる。
肩や腰が痛いのはわかっているけど、施術代にまわすよりも趣味にお金を使いたい人もいる。

体が冷えるかもしれないが、防寒するよりも首や手首、足首を出して、こなれ感を出す方を優先したい。

施術代5千円、1万円は高い。そのお金でおいしいものを食べたい。旅行に行きたい。

体の健康が最優先事項なのは当たり前ではなく、あくまでも様々なこだわりの中の1項目なのだ。

お互いの意図をよく知らないだけなら、もったいない


患者さんも施術者も、お互いに

「整体とはこういうものだ」

という思いを持ちながら、相手の本当の気持ちやニーズを見誤っていたとしたら。

まるで、婚活で自分のことも話さず、相手にも質問もろくにせずに、
「自分とは合わないからお断り」
と、早々と候補から外してしまう状況と似ているような気がするのだ。

少し会話したら、共通の趣味があることがわかり、話が弾んだかもしれないのに。

お互い人見知りだとわかったら、もう少し優しい目で相手を見ることができたかもしれないのに。


足りないのは、お互いを知るきっかけなのかもしれない。


お互いを知るために

来院したときに、遠慮なく何でも質問できる安心感を感じている患者さんと、
「患者さんが何を知っていて、何を知らないか」を理解し、必要な情報を提供する施術者。

こんな関係を作れたら、「やっぱり良くならなかった」なんて言われることなく、笑顔になった患者さんを気持ちよく送り出すことができるのではないか。


こんな風に
コミュニケーションがとれて、
信頼関係が生まれ、
お互い笑顔で挨拶をして
送り出す。

こんな風に
患者さんが
安心して遠慮なく
来院できるような
サロンを目指している。

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