「整体に行ったけど、やっぱり良くならなかった」はなぜ起こるのか。
「腰が痛くて整体に行ったけど、やっぱり良くならなかった。」
と書かれたブログを見かけた。腰が痛くてやむを得ず、近所にある整体に行ったが、脊椎の矯正を繰り返しただけで痛みは変わらなかった、という内容だった。
「やっぱり」と形容されているところから、
「そもそも良くならない」という前提を持って来院している様子が伺える。
この「やっぱり」に引っかかったのは、こういったことを言われるのは今回だけでないからだ。
「整体に行っても、何回も通わされるだけで良くならないよね」
「どうせ腰痛は治らないものだから、整体に行ってもしょうがないじゃん」
知人にこのように言われたこともある。
どうしてこのような感想を持たれてしまうのか。
施術する側として気になるこのフレーズについて、今回考えてみた。
「やっぱり良くならなかった」3つのパターン
「やっぱり良くならなかった」と感じるときには、3つのパターンが考えられる。
施術後に、自分が思い描いていた変化が体感できなかった。
結局、痛みの原因がよくわからなかった。施術内容も理解できず、何をしているのかよくわからなかった。
施術後に変化を少しは感じられたものの、続けることで自分の思い描く変化につながるか不安。
言い換えると、
身体感覚として、変化を感じられない。または期待したほどの変化ではない。
理屈として、痛みの原因や施術内容が難しくてわからなかった。
目の前の施術者を、このまま信頼して通い続けていいのかわからない。
となる。
「わからない」から不安になる
3つのパターンに共通するのは、「わからない」ことだ。
どうして痛みが出たか、わからない。
腰が痛いと言ったのに、背中やふくらはぎの施術をしたのかがわからない。とりあえず体は楽になったが、施術の内容ひとつひとつが何のために行われているのかがわからない。
施術台に横になり、無防備な状態になるだけで、多少なりとも緊張する。
患者さんの中には、かなりの勇気を出して来院されている場合もある。
自分の体が良い方向に変化できるかが、いちばん知りたいところ。
そこに突破口が見えないと安心できない。
がっかりして、もう行きたくないと思うかもしれない。
患者さんの「わからない」に寄り添うために
痛みの原因はどこにあるのか。
どんな施術をして、どんな風に変化すれば、体が楽になるのか。
何回くらい来院すればいいのか。
こういったことを明確にするのは、患者さんに対する誠意であり、大切なコミュニケーションの一部だと考える。
そして、患者さんとの信頼関係にもつながり、施術中も安心してリラックスしていただけるのではないか。次もまた行きたい、と思っていただけるのではないか。
患者さんへの説明が、自分が考えているよりも届いていないかもしれない。
たまたま見つけた知らない誰かのブログから、
患者さんが必要とする情報、ことばを見直すことにした。
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