シズカとコズエと ⑨
9 コズエのバイクの背に乗って
コズエの髪がシズルの顔にふりかかる
フローラルな香りが鼻腔をふるわせる
光り輝くススキのなかを疾駆する
憂いも哀しみも迷いもふり切って
吹きすぎる風がふたりを祝福している
広葉樹の樹々が歓喜の声を上げている
シズルはシズカとコズエと一緒にどこまでも走っていきたいと思う。
コズエにその気持ちを伝えたくて、彼女の細身のからだをぎゅっときつく抱きしめた。
思いが通じたのか、コズエがさらに加速させる。
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