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過疎鉄道は環境に悪いのか

はじめに


こんばんナマステ💙Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

今月11日に #JR西日本#ローカル線 の収支状況を公表したことが話題になっている。

気になるのはそのなかで、輸送密度の低い路線に列車を走らせるのはCO2排出の観点からしてもよくないとしている点。

正直、どれくらいの輸送密度があれば環境保護の観点からいいのかわかりかねるし、鉄道を廃止することで自家用車が増えたらどうなるのか、なども考慮しなきゃいけない。

しかしそんなことよりも、どうして環境に悪いと知りながら何十年も走らせてきたのか。以前は公共交通を守ることは社会的責任とか言ってなかったか。

結局この会社、過剰にダイヤの余裕を削って107人の命を奪った反省を何もしてないんじゃないかと思う。

環境っていえばみんな許してくれると思うなよ。あんたらの姿勢はエコではなくエゴだっつーの。

しかしながら、こういうことだけは言える。日本の過疎地では鉄道とバスが並立して走っていて極小の利用者を奪い合っていることがよくある。これはどう考えても環境負荷が大きい。

もちろん鉄道とバスにはそれぞれの利点があって、一概に二者択一を迫るのは危険。鉄道の利点は高速性と定時性、バスの利点はルートの柔軟性と低コストであり、それぞれの利点をできるだけ組み合わせて地域の交通体系をつくっていかなければいけない。

JR西日本もそれは理解していて、ソフトバンクと組んで「自動運転・隊列走行 #BRT 」というのを考えているらしい。

基本的な方針は賛成なんだけど、60km/h走行を前提にしているのはちゃんちゃらおかしい。

自分もBRT推進論者だけど、60km/hにとどまるのなら鉄道の死守を訴えたい。

BRTをナメるなと言いたい。世界はそれ以上速いBRTを走らせているんだ。

これまでも再三訴えてきたように100km/h走行とバス専用道と一般道路の交差点において鉄道同様のバス優先走行が不可欠でこれは技術よりも法整備が必要。

鉄道の価値を代替できてこそ、はじめてローカル鉄道をBRTに置き換えられるということを忘れないでほしい。

今日は今回JR西日本から名指しされた路線を今後どうすべきなのか、見ていきたいと思う。

小浜線

北陸新幹線が小浜・京都ルートで建設されるのなら、少なくても敦賀から新幹線駅ができるとされる東小浜までは並行在来線扱いにされてしまう。

しかし逆にいえば東小浜から西は舞鶴や福知山など北近畿と新幹線を繋ぐ重要路線になりうるんじゃないのか。

東舞鶴までが #小浜線 、東舞鶴からは舞鶴線と名称が分かれているのも不可解だけど、東舞鶴で運行系統をぶった切っているのも大問題。運行系統を一本化して、ひとまず再来年新幹線が延びてくる敦賀と福知山を結ぶ北陸新幹線のフィーダー機能を持たせるべきで、鉄道として存続が必要。

ちなみに昨年9月に乗ったんだけど、線路のメンテナンスが発展途上国並みで怖かった。舞鶴線はそんなこと無かったので、JR西日本は露骨に金をかけていないんだろうね。

越美北線

地元では #九頭竜線 と呼ばれていて、これがあの九頭龍閃のネタ元なのかはなんともいえない。『るろうに剣心』は登場人物の大半が新潟の地名を元ネタにしているんだけど、ここは福井だからね。

#越美北線 というくらいだから越後と美濃を繋ぐ路線として計画されたけど、県境を結ぶことはないまま国鉄が民営化され福井側の北線はJR西日本、岐阜側の南線は第3セクターの長良川鉄道になった。

起点の越前花堂(えちぜんはなどう)は福井駅のひと駅隣で、すべて福井駅まで乗り入れる。したがってこの路線だけをバスにしてしまえば乗り換えが生じるか、福井市街地をバスで走らなければいけず定時性にも不安がある。できる限りは鉄道として残したい。

途中の越前大野まではそれなりに市街化もされているし、その途中には観光地の一乗谷もある。越前大野にある大野城は近年日本のマチュピチュと呼ばれて人気が上昇しているし、城自体は再建されたものだけど周りの城下町は北陸の小京都といわれて趣きがある。

同じように福井と内陸の勝山市を結ぶえちぜん鉄道は活性化の努力をしているんだから、越美北線もやらない手はない。越前大野から先は過疎地でBRT化やむなきだけどさ。

ところで、福井から越前花堂の間は北陸新幹線の並行在来線扱いになり、2024年の金沢ー敦賀間開通で第3セクターのハピラインふくいに移管される。そのためたったひと駅だけ越美北線の列車はハピラインに乗り入れることになり、初乗り運賃を請求される。

それなら越美北線もハピライン入りすべきだし、もっといえば前出のえちぜん鉄道、それに名鉄グループの福井鉄道もあって百万人を割るミニ県にもかかわらず鉄道会社が乱立している。

福井鉄道とえちぜん鉄道は直通運転もしていたりするし、ハピラインも含めた3社で統合したうえで越美北線もそこに入るべき。というか、ハピラインを設立する過程でどうしてそれができなかったのか理解に苦しむ。

大糸線

#大糸線 自体は松本と糸魚川を結ぶ路線だけど、南小谷(みなみおたり)以南がJR東日本、以北がJR西日本で分かれていて西日本区間は電化されていない。

この区間については先行して廃止の可能性が取り沙汰されていて、個別の記事を書こうとも思ったのだけど機を逸した。

簡単に書くと、JR西日本区間だけを考えての存続は絶対無理。人がいなさすぎる。

また、北陸新幹線から白馬のスキー場への輸送については既にスキー場へ直に乗り入れる新幹線連絡バスが走っていて大糸線の出る幕がない。

https://bus.pahakuba.com/assets/pdf/itoigawa-line.pdf

鉄道としてのスケール=メリットを活かすには、糸魚川と信濃大町を結んで立山黒部アルペンルート(旅行業界ではよくTKというんだけど)へのアクセスを考えなくてはいけない。

例えば宇奈月温泉に宿を取り、トロッコで欅平。
欅平から2024年に新設される新ルートで黒部ダム。
黒部ダムから扇沢を経て信濃大町。
信濃大町から大糸線の快速で糸魚川。
糸魚川から新幹線で宇奈月温泉へ戻る、というような周遊ルートを確立させられるなら大糸線は存続できる。

しかし、電化されているJR東日本としては極力ディーゼル車に入ってきてほしくない。電車とディーゼル車って運転免許が違うので、ディーゼル車の免許持ってるドライバーを連れてこなきゃいけないのよ。

しかし、近年はハイブリッドとかディーゼル発電とかで、どちらかの免許を持ってれば運転できる車両が出てきている。それを新潟県・長野県がお金出して投入できさえすればチャンスはある。

十中八九廃止だと思うけどね。

山陰本線

長大な #山陰本線 のなかでも対象区間は城崎温泉ー鳥取間・出雲市ー小串間・長門市ー仙崎間。

このなかで出雲市ー益田は120km/hで走っていて、BRTでの代替は難しい。むしろこの区間では特急を中心にして、ローカル輸送を列車とのコネクションを密にしたバスや乗合タクシーに委ねた方がいい。スイスのローカル線では実際にそうしている。

城崎温泉ー浜坂も特急がそれなりに走っているし存続じゃないかな。

もったいないと思うのは益田ー長門市。途中に萩もあるし、どうして特急を走らせないのか。

兵庫・鳥取県境と長門市ー小串・仙崎はBRT化で仕方ないと思うけど、閑散区間でも95km/hを出しているからBRT推進法案を可決させないといけないよね。

関西本線

#関西本線 のなかで対象区間は亀山ー加茂間、名古屋圏と関西圏のはざま。ちなみに名古屋ー亀山はJR東海、亀山ー加茂ーJR難波がJR西日本。

昔は名古屋と奈良を結ぶ急行があったりもしたけど無くなってしまった。なぜかといえば、JR東海的には名古屋ー京都で新幹線に乗せたいから。

基本的に三重・奈良の覇者は近鉄であって、都市部でそれなりの需要があるところはJRも頑張るけど、金かけて対抗しようとはしない。

ただ、京都ー伊勢ではJR経由の方が距離が短く、JRが本気になれば戦える可能性はあるし、亀山にリニアの駅ができれば、東海道五十三次の宿場町が残る関や忍者の里である伊賀上野への観光需要も出てくるはず。

できる限り鉄道として残しておくべき区間だと思うけどねー

紀勢本線

紀伊半島を一周する #紀勢本線 のなかで対象区間は新宮ー白浜間。近年は特急の減便も目立つし、新宮ー紀伊勝浦を除いては熊野古道の世界遺産登録もあまり追い風にはなっていない。

我々旅行屋のドンでもある大物政治家の力によって❓、紀伊半島一周高速道路計画がどんどん進んでいることもある。

かつてはティルティング=トレイン(車体が傾いて高速でコーナリングができる列車、イタリアのペンドリーノが有名)が走っていたのに、それがなくなり新宮から天王寺は30~40分遅くなり、それに対して高速道路が整備されているのだからどんどん競争力を失っていて、新宮・紀伊勝浦からは松阪経由で近鉄特急に乗り換えた方が速いということにもなっている。

そんなダウン=グレードをごまかすためにパンダ特急を走らせてるのが実情🐼

もう一度ティルティング=トレインを復活させる必要があるし、JR西日本はティルティング=トレインの新造を発表した。これは伯備線用だけど、紀州にも誘致してほしい。

加古川線

その名の通り加古川沿いを走る #加古川線 のなかで西脇市以北、谷川までは過疎区間。播磨の国と丹波の国の間の流動が小さいこともある。

ただ沿線自体はそんなに過疎地でもないし、横尾忠則の美術館とかそれなりに観光資源もある。しかし、西脇の市街地を逸れて走っているので利用が延びず、だから列車も本数が投げやりになる。途中で行き違いもできないし。

これだったら西脇市街地をがっつり通って新西脇からバス専用道に入る方がいいのではないかと思う。

姫新線

姫路と新見で #姫新線 なのね。姫路都市圏の播磨新宮までは利用あるけど、あとは少ないと仰せ。

新見までは無理だと思うけど、津山までなら大阪と津山の間で高速バスが頻発しているので、対抗できる可能性はある。そうだとしても姫路ー佐用は智頭急行経由になるかな。

播但線

播磨と但馬で #播但線 。専門学校みたいなネーミングだけど。

このうち寺前を境に姫路側が姫路都市圏で電化、和田山側が非電化で非電化区間の存続が危うい。

大阪ー浜坂・鳥取で播但線経由の特急が走っているけれども、別に福知山経由でもいいっちゃいいんだよね。

生野銀山とやはり日本のマチュピチュと呼ばれる竹田城があるけれど、どちらも駅から歩けない。それならBRTが銀山やマチュピチュに乗り入れたっていいわけじゃん。

ちなみに一昨年の秋に竹田城行ったけど、天気よすぎて雲海見えなかった💦

そのときに播但線全部乗ったけどね、寺前以北より寺前以南の方が線路状態が酷く小浜線同様激揺れ。寺前以南はもうちょい利用あるんだからメンテナンスをきちんとしてほしい。

芸備線

安芸の国と備中の国で #芸備線 。そのうち広島近郊の下深川(しもふかわ)ー広島間を除いて閑散区間としている。

もっとも三次や庄原といった小都市があって、広島との間に頻繁に高速バスが走っているからもっと戦っていいとも思う。ただ、単線というリソースで都市間列車と広島近郊列車の両立がしづらいという悩みもあったりする。

備中神代ー備後庄原は廃止、備後庄原ー下深川は広島県が金を出すなら存続も可能かな。だけど、都市間輸送は高速バスに任せてしまってもいいんじゃないかという気がする。

そうであったとしても高速バスの恩恵を受けない安芸高田市と広島を結ぶ線路は残した方がいいかな。広島まで乗り換えなしで行けるのは大きい。

福塩線


福山と塩町で #福塩線 なんだって。塩町っていうのは別に都市ではなく三次の郊外なので三次まで直通する。

途中の府中を境に福山側が電化、塩町・三次側が非電化。播但線と似たようなパターン。

余談だけど、ここは備後の国の府中で、広島県にはもうひとつ安芸の国の府中もあり、そちらの方がマツダの本社があって市制施行してないのに栄えていたりする。なお備後の府中と武蔵の府中は両方府中市を名乗るけど、特に問題にはなっていない。

府中以北は過疎地だしまあ廃止になると思うんだけど、福山に停まるのぞみと接続する三次の快速があれば東名阪へのアクセスは向上する。広島県のやる気次第では芸備線より残せる可能性はあるんじゃないかな。

ちなみにこんな山の中に南インド料理の店がある。行ってみたいけど、なかなか足を伸ばせないでいる。

因美線

旅行業界でインビって言ったら、インヴィテーション。つまりヴィザを取るための招聘状。就労ヴィザとか留学ヴィザ、それに渦中の旧ソ連の国なんかでは必要になってくることが多い。だけどここでいう #因美線 というのは因幡と美作。

昔は岡山と鳥取を結ぶ都市間路線だったけど、智頭急行というバイパスができて智頭以南は役目を失った。鉄道として存続する意義も薄い。

木次線

#木次線 の沿線人口自体は少ないのだけど、松江市内の渋滞を考えると近郊列車ネットワークとして宍道ー木次くらいは残せるかもしれない。

観光列車の人気が高い「西の五能線」といえる路線だけど、JR西日本にはJR東日本のような経営的な余裕がない。島根県の支援次第だと思う。

岩徳線

いや、違うって。シッキム州には今のところ鉄道が通ってない。

いま山岳鉄道を絶賛建設中だけどね💕

んで、こっちね。

岩国と徳山を結ぶ #岩徳線 。山陽本線はこの区間で海岸沿いを走るため、こちらの方がストレートに結んでいる。しかしながら過疎運転なので結局山陽本線の方が速いことが多い。

また、岩国寄りでは第3セクターの錦川鉄道が乗り入れる。錦川っていうのは錦帯橋の前を流れているあの川のこと。

岩徳線は廃止にするというよりは、錦川鉄道に移管してリソースとオペレーションを共有させる方がいいんじゃないかな。

国鉄〜JRは大雑把にしか駅を置いてないけど、第3セクターなら駅を増やして岩徳線を活性化させられる可能性もあるし。

岩徳線は山陽新幹線の「並行在来線」でもあり、山陽新幹線の運賃はこの区間に限り山陽本線ではなく岩徳線基準で計算される。したがって岩徳線が廃止またはJRからの切り離しになると山陽本線基準になり山陽新幹線の運賃が跳ね上がる可能性がある

山口線

#山口線 は西日本におけるSLのメッカなんだそうで。新山口と山陰を結ぶ特急も走るし。沿線でも津和野というメジャーな観光地がある。

山口都市圏の宮野以北で沿線人口が少ないとはいえ、無くなんないとは思うけどね。ただ、山陰線が120km/hなのに対して85km/hは遅い。

山口県は損失補填よりも高速化のための投資に舵を切ってほしい。

小野田線

#小野田線 は隣接する宇部線と並んで市街地のなかを走るけど、正直やる気があるとはいえず利用されていない。

そして宇部線とともに一時期BRT化の話も出た。

地元もJRも今のままじゃダメだって思ってるわけだし、立ち消えになってしまったけれどもう一度検討すべきだと思う。

しかしながらこれだけ市街地に根を張って線路が敷かれているならLRTでもいいじゃないかとも思う。

BRTのメリットは専用レーン以外への乗り入れが容易なことで、山口宇部空港や宇部興産中央病院などへの乗り入れは大きい。もし宇部興産専用道路を使わせてもらえるなら路線網も大きく広がる。

LRTのメリットは山陽本線をはじめとした他の鉄道路線に乗り入れられること。たとえば厚狭駅に乗り入れて新幹線とリンクできる。

過疎地の鉄道はBRT化すべきだと思うけどここはれっきとした市街地だから線路を活かす手もある。どちらにせよ現状からの脱皮は必要。

美祢線

#美祢線 は古くは石灰石を運ぶ路線だったけど、宇部興産専用道路に代替されて今や単なるローカル線。

それでも美祢、長門という都市があり、山陽線に乗り入れれば萩もある。山口県では川棚に次いで著名な温泉だと思う長門湯本も通る。

貨物列車のスロットが空いた分、小倉と山陰を結ぶ特急を出せばいいと思う。

それができないなら廃止だろうし、美祢までは宇部興産専用道路経由でもいいような気がする。

おわりに

北陸・関西編と中国編に分ければよかったなぁ、と思う分量になってしまった。

ちなみにここに載せてる路線の多くは、ところどころで25km/h以下に減速する。崖崩れが起きた時に急停車できるよう最徐行するんだってさ。

これによって国鉄時代より大幅に遅くなり、単線なので遅くなれば運転間隔も開いてしまう。

それでさらに乗客が減るという悪循環が繰り返されているわけで、沿線自治体が崖の補強を行い、元の速度を取り戻せば活性化できる可能性もある。

だけど鉄道というシステム自体が過疎地にはもう過大であり、バスにして本数を増やした方が幸せということもある。

今、沿線自治体がバス化を拒絶するのは鉄道に較べて高速性と定時性に難があるからで技術的にはほぼクリアできる。あとは法律の問題。

BRT推進法が施行されたら、地域のために時代遅れの鉄道を早くBRTに変えてくれ、という声が日本全国から巻き起こるはず。

BRTが普及することでもっともっと旅行しやすい国になることを旅行屋のひとりとして願ってやまない。

それじゃあバイバイナマステ💙暑寒煮切でしたっ✨


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