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JATA経営フォーラム2022インプット③国内旅行はOMOてなしへ向かえるのか

はじめに

こんばんナマステ💚Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

一昨日からやってる #JATA経営フォーラム2022 のインプット企画、第3弾‼️

基調討論:旅行業「再生」へ向けて

分科会A:コロナ禍での海外旅行の顧客維持に必要なことを考える

これに引き続いての第3弾は、「分科会B:デジタル×リアル融合による新しい旅行会社のビジネスモデルのあり方」を見ていくよ❣️

これまでの #JATA経営フォーラム ってさ、分科会は当然、同時刻にいろんな部屋で分散して行われるわけよ。

だからその時間帯はどれかひとつしか見ることができない。

その人が海外旅行担当なら海外旅行、国内旅行担当なら国内旅行のセッションに行けばいいけれど、長年「専門性がない」旅行屋だったおいらとしてはどれに行っていいか迷うわけ。

そんななかで選ぶ基準は、旅行業界の外のスピーカーが呼ばれていて、新しい旅行のかたちのヒントを得られそうなセッションに行くようにしていた。

折角貴重な時間を費やしてるんだから、予定調和的なの聴くよりはそうじゃないものに触れた方が自己投資に繋がるってね。

でもやっぱり「裏番組」も気になるわけ。業界の人の話に無駄なものはないしね。

それがアーカイヴ配信になったことで、すべてのセッションを視聴することができる。革命だよ、これわ💥

そしてこれはnoteのいいエサになるなー、しめしめと。

来年以降は恐らくリアル開催に戻るのだろうし、有料なのは仕方ないとしてもアーカイヴ配信も残してほしい。有料は永久保存、無料は1週間限定とかね。

基本的に旅行会社のマネジメント層向けのコンテンツかもしれないけど、旅行・観光業に携わる人や目指す人、あるいは取引先とかも含めて誰が見ても勉強になるコンテンツだと思う。日々の業務時間を使って、一斉ではなく順番に従業員に見せるのもアリ。

#JATA ( #日本旅行業協会 )の偉い人がここ見てるわけないと思うけど、もし見てたら来年以降も是非アーカイヴ動画配信の継続をお願いしたい。優良コンテンツを閉鎖空間でのみ消費していたのがこれまでだってことに気付いて‼️

分科会Bの概要

セッションのタイトルだけだと旅行産業全体のディジタル戦略を想起してしまうけど、実際には国内旅行のお話。

大手及び海外旅行中心の旅行会社が集まるJATAでは海外旅行より一段下に見られがちだけど、コロナ禍によって事実上これしかできず、海外旅行専業あるいは中心の旅行会社が縋っている分野。

イヤイヤやってる旅行会社はこの状況が終われば国内旅行から退出するだろうけど、手応えを掴んだ旅行会社は今後も国内旅行事業を継続するはず。コロナ禍で廃業した中小零細の旅行会社も多いわけで、そういう意味では大規模なプレイヤーの退出と参入が同時に巻き起こっている市場といえるよね。

また、今後海外旅行・インバウンドが再開した際はこの期間に国内旅行において何をやってきたかが海外旅行・インバウンドにも影響する。

そういう意味では国内旅行には興味ない、とか思わず旅行屋なら全員刮目すべき議論だといえる。

メンバーはこちら❗️

モデレーター

株式会社JTB総合研究所 コンサルティング事業部 交流戦略部長 主席研究員 山下真輝氏

パネリスト

株式会社日本旅行 執行役員 DX推進本部 統括副本部長 三好一弘 氏

株式会社読売旅行 商品企画本部 本部長 塚原秀尚氏

東武トップツアーズ株式会社 東日本国内企画センター長 岡本章氏

阿寒バス株式会社 営業本部・取締役 営業本部統括 西岡一麻氏

JATA 国内旅行推進部部長 高井晴彦氏

JATAが2019年に発足し、コロナ禍でしばらく休止していたけど今年再開した「 #国内旅行マーケットにおける新たな役割研究会 」のメンバーで構成。座長はNTA三好氏。

今回もトラベルビジョンが真面目なの書いてくれてるよ。全部の分科会で記事書いてくれてるのかは確認してない。

んじゃいってみよう💫💫

イントロダクション

NTA三好「デジタル×リアル融合による新しい旅行会社のビジネスモデルのあり方について研究会を立ち上げ、 #OMO (Online Merges with Offline)戦略について検討することになった。メンバー各社を4つのチームに分けてデジタル戦略について提言を行うことになった。」

JTB総研山下「小売業の先進事例を招いてOMOを研究、旅行会社のOMO戦略について4つの類型、店舗型旅行会社、製販一体型旅行会社、着地型旅行会社、中小旅行会社に分けてグループ化して研究してきた。」

店舗型旅行会社のOMO戦略

NTA三好「このグループでは路面店を持つNTAのほか、JTB、H.I.S.、びゅうトラベルサービスが参加。OMOツーリストという店舗型のモデル旅行会社を設定。この旅行会社ではターゲットを絞り込まず、トラベルコーディネーターがデジタル情報によってパーソナライズ化された提案を双方向に実施する。デジタルの可能性とともに限界も学んだ。デジタルの中に人が介在しなければ効果は最大化しない。お客様の「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」及び「日常」での接点、関係性を持つことにより、これまでの「旅行」「目的地」でのリピーター化活動だけではなく、「モノ・コト」のリピーターも創り出すことが可能となる。例えばこれまでなら青森へのリピーターに対しては青森の情報だけをプッシュしていたが、日常での接点の中で酒蔵巡りが目的だったことがわかれば、全国の酒蔵情報や地酒の通販など幅広い提案をすることが可能。

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オンライン利用が苦手なお客様へのサービス均質性の担保、顧客・地域情報を入手するための体制構築とマッチングの手法、販売からマッチングという役割・評価の変化による店舗社員のモチベーション維持、評価軸の変革で発生するコストが課題。複数の会社で共有できるようなプラットフォームが必要かも。店舗、コールセンター、Webが分断されずシームレスになっている必要がある。丸井など小売業は一歩も二歩もOMOが進んでいる。」

店舗があるという前提ならもちろんそれも含めたシームレス化は大切だけど、このようなデジタル化が進んだ時に店舗の固定費はペイできるんだろうか。小売業は商品の受け渡しなど店舗を持つ意味がそれなりにあるけど、旅行業には通用しない。こうまでして店舗を残していく意味が正直理解できなかった。

製販一体型旅行会社のOMO戦略

読売塚原「このグループでは読売旅行のほか、クラブツーリズム、ANA X、ジャルパック、阪急交通社が参加した。Q・O・L トラベルデザインカンパニーというモデル旅行会社を設定。デジタルリテラシーの高いZ世代からシニア層をターゲットに、24時間365日いつでもどこでも手元で購買活動をする彼らへ手元のデバイスから購買活動がストレスフリー、イージーペイメントな環境が離脱を防ぐ。従来型の物見遊山、薄利多売の旅行商品から、多様な顧客ニーズや期待に応えるピンポイントマッチングなコンテンツ・潜在需要のプロダクト(商品)化へ。シームレスな販売活動に加え、旅行中サポート、顧客体験が共有できるコミュニティープラットフォームの展開でビジネスモデルを連動させていく。旅マエから旅アトまでリアルとバーチャルを連動させ、利便性を進化させることが、結果として顧客の離脱化を防ぐ。」

クラツーの会員誌を媒介にしたビジネスモデルをデジタルにしたらこんな感じなんだろうね。多分KNTの社内ヴェンチャーだった頃のクラツーってこんな感じの情熱に満ち溢れていたと思うよ。実際、クラツーを立ち上げた側の人の話を聴いたこともあるので。読売なら新聞やカルチャーセンター、阪急なら百貨店や宝塚歌劇団、両グループの持つ球団とかそういうグループ全体を巻き込んだ動きになれば面白い。

着地型旅行会社のOMO戦略

東武トップ岡本「沖縄ツーリストと東武トップツアーズが参加。東京下町おもてなし旅行会社というモデル旅行会社を設定。浅草に密着し、下町で人生を豊かにするプログラムを用意。地方在住アクティブシニアがターゲット。高収益なビジネスモデルを目指す。WEBで集客、旅ナカでリアルに接遇(従来のカウンター接客モデルの逆転)。1プログラムにつき3回のツアーをセット化。”旅ナカコンシェルジュ“と”浅草マイスター“のおもてなしやプロモーション。地域の祭りの運営に参加できるなど個人ではなかなかできない浅草で“暮らす”プログラムを複数用意する。”旅アイダ“の期間にも”旅ナカコンシェルジュ“がフォローし次のツアーへの期待感を高める。将来は他地域にも横展開していく。」

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学生や旅行会社の若手社員、あるいは地域おこし協力隊とかに企画させると出てくる感じのツアー。インバウンドやエアビーとの親和性も高いし発展性もあるんだけど、人の介在が多過ぎて、クオリティの確保や多頻度開催(再現性)が難しい。人を呼ぶ以前にまず地域とのコネクションづくりが大切になってくる。でもこれが上手くいけば、お客様や地域だけでなく旅行会社側も楽しめるよね。

中小旅行会社のOMO戦略

JATA高井「会員1114社のうち従業員100名の中小旅行会社は94%、20名以下の会社は75%、また募集型企画旅行(いわゆるパッケージツアー)を取り扱える第一種、第二種旅行会社は75%。今回の提言はJATAの3名でまとめた。今回モデルとする旅行会社はアメリカの小規模旅行会社にあやかってHBA(ホームベースドエージェント)とした。顧客に寄り添うone to oneマーケティング(専任コンサルタント)募集型企画旅行(個人)と受注型企画旅行(団体)の販売がメイン。地域密着ならではの情報・商品の提供。変革のポイントは業務におけるデジタルとアナログの分類、収益率の最大化に向けたデジタル活用、新規顧客開拓のためのデジタルツール(SNSなど)活用。ここで中小旅行会社を代表して阿寒バスにインタヴューした。」

阿寒バス西岡(動画インタヴュー)「かつては店頭販売が主流だったが、現在はwebでの企画型旅行に移行している。インバウンド客のno show(連絡なしキャンセル、飲食業界でも使う言葉)が多くしっかりとした予約と決済のシステムの必要性を痛感。予約から決済までの一貫したシステムを導入し、電話予約が激減、直前申込受付が可能になり、当日の現金決済が無くなったことで8割から9割の業務量削減に繋がった。」

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JATA高井「中小旅行会社の強みは顧客との物理的・心理的距離の近さ、地域密着性、最適な提案、柔軟な対応、迅速な危機対応など。対面販売・渉外活動からSNS・HP等の有効活用、後方業務の徹底したデジタル化による業務効率化が求められる。阿寒バスはカウンタースタッフの手が少し空いたためネイチャーガイドの資格を取らせたり、webで地域の特産品を売ったりというところにリソースを回す予定だという。なんでもデジタル化するのではなく、最適なデジタル化を見極める目利きが必要。」

中小旅行会社ってデジタルとかめちゃ弱い印象があるんだけども。。。JATAとして共通プラットフォームの構築などコンサルティングできたらいいんだけれど。

それにしても大手中心というイメージのあるJATAだけど、大半は中小なんだな。意外だった。

4つのOMO類型を踏まえての意見交換

NTA三好「コロナ禍で一番打撃を受けているのは店舗。そこをどうしていくのかで、会社としてDX、OMOに舵を切っている。」

JTB総研山下「びゅうトラベルサービスでは駅たびコンシェルジュという新しい店舗型サービスが開店。地域のつながりの場としての役割。デジタルシフトのなかでオフラインの新しい価値を模索。」

NTA三好「丸井の売らない店舗ほどではないが、店舗の新しい形を模索していて興味深い。」

駅というスペースがあるからね。他の旅行会社が真似できることではないけど面白そう。

ところで売らない店舗というのはこちら。自分もよく知らない分野なので、今度これについてインプットしたい。

これがわからないと、店舗型旅行会社のOMO、DXも理解できないような気がしてきた。

JTB総研山下「製販一体型の読売旅行はデジタル化にどう取り組んでいるか?」

読売塚原「全社でDX化に取り組んでいる。お客様の方が先にDX化しており、本来は我々が一歩先へ進んで情報を提供しなければいけない立場。同業他社とは連携もしつつ、互いにいいとこ取りをしながら進んでいければ。」

JTB総研山下「着地型旅行について東武トップツアーズはどのように取り組んでいるか?今は法人営業中心と見受けられるが」

東武トップ岡本「日光に事務所があり、東照宮の将軍の間に入るなど地域密着である我々にしかできない強みも持っている。日光市はスポーツツーリズムにも力を入れているので、弊社のスポーツ事業部とも連携をして振興を一緒にやっている。」

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JTB総研山下「中小旅行会社でも阿寒バスのような創意工夫の事例はあるが、全体としてJATAはどう見ているか。」

JATA高井「各会員企業のデジタル化は不十分。JATAとしてセミナー、勉強会、マッチングなどを通じてサポートをしていきたい。必要とあらば業界共通のプラットフォームの構築も検討していきたい。」

NTA三好「(座長として全体のまとめ)デジタル化に伴いスパイスとして人と地域というキーワードが出た。これとデジタルをどう結び付けていくか。業界全体で取り組んでいく必要がある。」

JTB総研高井「ネット旅行会社に対抗するためには商品力だけではなく新しい売り方を考えていかなくてはならない。各社単体では限界。競争から共創へのモデルにしていくためにもJATAとして果たすべき役割も重要。継続的な議論をしていきましょう。」

おわりに

大手と中小の差があり過ぎる世界かなぁ。共通プラットフォームを早く構築して、大手のDXをトリクルダウンさせていかないと、中小の良さが活かせなくなってしまう。

ましてANTA(全国旅行業協会)側の旅行会社は壊滅的に弱いと思う。

そもそもITに苦手意識を持つ旅行屋が異様に多い気がするんだよね。たまたまそーゆー人達にばかり出会ってきただけなのならいいんだけどさ。

さて、JATA経営フォーラムインプット、まだまだ続いてくよ❗️

んで、土日は出張、月曜は #Clubhouse#インドの衝撃 ( #インド大学 )』の講義。

やべぇなぁ。今月いっぱいしか視聴できないのに間に合うのか⁉️

とりあえず明日はインバウンドネタなので、好きな人は楽しみに待っててね🌟

それじゃあバイバイナマステ💚暑寒煮切でしたっ✨




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