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JATA経営フォーラム2022インプット②海外旅行に顧客は戻ってくるのか

はじめに

こんばんナマステ💜Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

今日も昨日からの引き続きで、

#JATA経営フォーム2022 からのインプットをしていくよ❗️

昨日は基調討論 : 旅行業「再生」へ向けてを取り上げたので、今日は分科会 A : コロナ禍での海外旅行の顧客維持に必要なことを考えるを取り上げてみることにする。

分科会の頭に #海外旅行 、2010年代からは #アウトバウンド と呼ばれることが多くなったものが来るというのがやっぱり #JATA ( #日本旅行業協会 )なんだなぁ。これがANTA(全国旅行業協会)の集まりなら、分科会Aは国内旅行なんだと思う。

んじゃ早速見ていきましょか‼️

分科会Aの概要

まずは顔ぶれから。

モデレーター

株式会社JTB総合研究所 コンサルティング事業部 ツーリズム戦略部長 濱中茂氏

パネリスト

株式会社グローバルユースビューロー 代表取締役社長 柴崎聡氏→元出版社
クラブツーリズム株式会社 代表取締役社長 酒井博氏→クラツーの前身であるKNTメディア事業部からのクラツー、一時近鉄に出向して観光特急しまかぜなどを担当
株式会社ジェイアール東日本企画 常務取締役・チーフデジタルオフィサー(CDO) 高橋敦司氏→JR東日本の海外旅行立ち上げから参画し、びゅうの社長などを歴任

JTB総研はJTBのシンクタンク、ジェイアール東日本企画はJR東日本の広告代理店でクラツーはご存知KNT(近ツー)の別働隊だけども、グローバルユースビューローは知らない人も多いと思うので一応解説。

一言でいえば、社名とは裏腹にシニア層向けに海外をやってる旅行会社なんだけども、元は鹿児島で発足したヨーロッパ文化研究会で、KLMオランダ航空をチャーターして若者を送り込んだところからこの社名がついているとのこと。

動画で語られてないのは、なぜ今シニア向けの旅行会社になったのかということ。

東京に進出して最初は学生旅行を中心にやってたけど価格競争が激しくなり、ラグジュアリーツアーに切り替えた結果、自然とシニア層が顧客になっていったとシンポジウムの冒頭で柴崎社長が語っている。

動画でなるほどな、と思ったのは創業者(代表取締役会長)自らがツアーに参加して、その意見をフィードバックしていると。

旅行業界におけるセミ=リタイアのひとつのかたちなのかもね。

今回の分科会についても安定のトラベルビジョンが真面目な記事書いてるから、こちらは私見も混ぜてぐちゃっと書いてくね❗️

海外旅行の現状

年間2000万人を超えていた海外旅行需要はどうなるのか❓


グローバル柴崎「コロナ前は海外旅行が90%、現在は95%が国内、5%が新規事業(オンラインでのネットショッピング、シニアホームの紹介業務)」


クラツー酒井「コロナ前は海外40国内60(トラベルビジョンの記事は逆で書いてるので注意⚠️」、コロナで国内のみに。バス旅行は2018年比10数%、テーマ型旅行は8割強、ラグジュアリー旅行は戻っている。バス旅行が回復しないのは密を避けよう、テーマ旅行はハイキングなど非日常ではなく日常になっている、高級旅行はワクチン接種を終えた65歳以上のファンに支えられていると分析している。」


JR東企画高橋「人々の移動について研究しているが、お出かけ指数(移動マインド)はコロナ前の水準にに戻ってきている。しかしそれを取り巻く周りの人の空気、「動くことが悪」の2年間が足枷。メジャーな観光地やインバウンドを取り込み観光地になりつつある地を見て回っているが、「観光なんていいんじゃないの」という厭世観が気がかり。水際対策への評価89%、パスポート保有率は過去最低の21.8%で北東北3県は1割未満の鎖国状態。今まで海外旅行に行ったことがない層をどう行かせるのか課題が大きい。」

旅行に行きたくてウズウズしてる人と、旅行離れの二極化がコロナで加速したのは間違いないよね。

ポイント1顧客との接点を活かす

クラツー酒井「コロナ禍でデジタルに切り替えざるをえなかったなかで一方通行、表情が読み取りづらい、顧客側がスタッフとのコミュニケーションを楽しめなくなった、というデメリットを感じているが、説明会を各地で複数回開催しなくて済み、物理的な距離を縮められ全国にリーチでき、チャット機能の利用で質問が活発になるといったメリットも感じている。」

グローバル柴崎「デジタル化しつつますますアナログ化する。海外旅行の企画チームを全員国内旅行の企画チームに移し、手分けをしてこれまでのお客様に電話をしたところ、コミュニケーションを喜んでくれて長電話になった。我々の考えている以上にシニア層がインターネットやLINEを使ってることがわかり、インターネットで過去のサロンコンサートや講演会を配信したり、LINEを使って会社の近況を報告。本社移転の様子を動画で配信したところ、見たお客様から段ボール箱でマスクが送られてくるなどデジタルを通じてお客様との距離を縮めることができた。」

JR東企画高橋「デジタルを使わないコミュニケーションは今やありえない。しかしデジタルはツールであり入り口に過ぎない。かつての紙パンフレットという入り口が消え、情報はスマホからの収集が9割という時代。ケンサクがセンタク。旅行の検索ワードのなかに旅行会社は出てこず、旅行に行く時旅行会社を選択肢に入れる人は少ない。それを出てくるように対策してもお金がかかるだけ。デジタルを使って既存顧客とのつなぎ止めを行った方がいい。今の若い人にとっては旅行はBook Air/Book Hotelと同義で、旅行会社という選択肢すらない。」

これはどれも納得。このキーワード検索対策は昔いた旅行会社で一時期担当してたことあるけど、その時ですらなんか違うなあって思ってた。

ポイント2顧客との関係性を深める

クラツー酒井「旅行というお客様の非日常にしかコンタクトを取れていなかったが、日常生活との接点ということでクラブツーリズムPASSという趣味や学びのサブスクをつくった。国内・海外のガイドブック読み放題もついておりサブリミナル的に旅行意欲も喚起しており、サブスク会員向けの南アフリカオンラインツアーを先日やったところ好評だった」

いい取り組みだけど、フリーミニアムに染まっていないシニア層にしか響かないだろうなぁ。

グローバル柴崎「自宅待機を機にクラウドの掲示板を立ち上げ、お客様の近況などをシェア。ツアーで1週間、10日一緒だと健康状態もわかってくるので、それに合わせて国内旅行を提案していった。国内旅行を作るときは旅館の階段の段数まで調べる。」

ラグジュアリー旅行専門の会社ってここまでやるのか。勉強になる。

クラツー酒井「団塊世代が顧客のヴォリュームゾーンだがもう75歳以上で健康上の不安を抱える。旅を諦めない環境づくりとして昨年ライフデザイン旅行センターを立ち上げ「大人のゆるり旅」を打ち出している。歩くのはゆっくりになり、長時間のフライトはきつくなる。そうしたシニアと元気なシニアを分けて考えなくてはいけない。都内8ヶ所でデイサービスを運営している経験が生きている。」

元々、シルバーツーリズムをやってきた添乗員が介護資格を持つのが当たり前の旅行会社的からすると何を今更の話かもしれないけど、大手がそういう年齢層と向き合っていかなければいけない時代にきたんだね。

クラツー酒井「もっと若い世代としては5〜60代のポストシニア世代と大都市圏以外の開拓に注目している。前者は子育てが落ち着き久しぶりに自分のためにお金を使いたいためSITとの親和性が高く、旅行会社の出番が大きい。

大都市圏以外は海外旅行に行ったことがない人が多く、不安と面倒の払拭は旅行会社だからこそできる。」

総じてそうなんだけど、インドの場合ポストシニア世代ってインドにいいイメージ持ってない人が多いと思う。シニアはNHKシルクロードとかで憧れを持ってる人が多いけども。したがってこの世代を惹きつけられるのはSITだ、というふうに考えているのだけど、そもそも世代的にSITと親和性あるなら話は早い。いいヒントをもらえた💛

グローバル柴崎「国内旅行をやってみて思ったのは、個人で物理的に行きにくいという理由ではツアーに参加してもらえない。個人では体験できないものを盛り込むのと同時に、美しい場所、美味しいものなどを共感できることを大切にしている。」

JR東企画高橋「アクティブシニアが後期高齢者に。この先、人口が多いのは団塊ジュニアだが、就職氷河期であるためお金がない人も多い。」

うん、三浦展的な話になってくるよね。

JR東企画高橋「20代は人口が少ないうえに外出率自体が後期高齢者以下。彼らを囲い込めるのか。深刻なのは鎖国していた3年間で子ども達が海外へ行く機会を失った。子どもの時に海外へ行かなかった人は大人になっても興味を示さないのでは。旅行業界だけで解決はできない。」

旅育的なはなし。これは本当にそう思うし深刻。

ポイント3海外旅行への関心を惹きつける

JR東企画高橋「0からのやり直し。今までのやり方をそのままではうまくいかない。海外旅行の大衆化が始まった頃にまで立ち返らなきゃいけない。今は昔と違って旅行会社の店舗がない、ポスターがない、なるほどザ・ワールドのような番組もない、こんな状況でもう一度ムーヴメントを創らなければならない。今はSNSがあるから、新倉山浅間公園の富士山、桜、五重塔が写ったたった一枚の写真がタイでバズって訪日ブームが起きたようなことは仕掛けやすい。見ず知らずの場所で見ず知らずの人との遭遇する楽しさをトリモドス。」

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多分この絵、インドにも伝わってるんじゃないかな。異常なまでに富士山と桜にインド人が執着するのはね。

それにしても、どこよりも早くを掲げてコロナ前と何も変わらない詰め込みツアーを既に発表している某急さんは何を考えているんだろうか。

クラツー酒井「海外旅行マインド醸成のキーワードは安心感の提供と負担の軽減。4つのフェーズに分けて考えるべき。

フェーズ0(渡航開始前) 各国の情報提供が重要

→フェーズ1  アクティブシニア層、少人数グループ、オールインクルーシヴの高いツアーから、大規模キャンペーンはケアが疎かになるのですべきではない

→フェーズ2 メディアも少しはポジティヴに発信をしだし、海外旅行経験者もSNSで発信をしだす。この段階でも大きなキャンペーンは業界全体の首を絞める

→フェーズ3 渡航本格期、デジタルを活かした幅広いプロモーション。ツアーの供給価格も下がっていく。PCR検査証明書の煩わしい手続きも旅行会社が全部請け負い、旅行会社の存在意義を可視化していく。旅行会社が提供する安心・安全の手厚いサポートを報道で知らせ、市場を拡大するチャンス。」

細部は異なるけど、こんな感じにはなりそうだね。というかもうフェーズ1か一気に2まではいきそうな気がする。

そしてここぞとばかりに大規模なキャンペーンをやり出す旅行会社は出てくるよね。天下のクラツーさんがそこに乗らないというのは心強い💫

グローバル柴崎「自分達のことを見直すいいチャンス。価格競争から企画競争へ舵を切るべき。移動と宿泊と観光の組み合わせが旅行商品だが、そこにどんな変数を掛ければ付加価値を上げ、希少化できるか。価格競争から離脱できるか。企画重視になれば業界全体で多様性が生まれる。」

その通り。インドだけでも企画競争がスタンダードになるようにしていきたいね。

議論を踏まえてモデレーターより

JTB総研濱中「昨年亡くなった坂巻元JATA会長の言葉、旅行とは人を動かすことではなくこころを動かすことだ。思いのないものに人の心は動かない。を踏まえて旅行事業者として原点に立ち返り、社会における存在意義を自らに問いかけて、果たすべき役割を実践し、その役割を通した存在意義を社会に伝えていくという重要性を改めて認識させられた。」

視聴者へのメッセージ

グローバル柴崎「リセットされてしまった世の中だからこそ、根拠のない自信を持つ」

クラツー酒井「海外旅行は必ず復活する。パイを奪い合うのではなく広げていく連帯感が必要。」

JR東企画高橋「30年前のカウンターに来たような、あなたに頼んで良かったと言ってもらえる仕事をどう創っていくか」

おわりに

コロナ禍が終われば短期的には需要が回復する、どころか海外旅行ブームになると思う。でもそれは長く続かない。

その時に遅かれ早かれ来るはずだったシニア層の減少という危機と戦わなければいけなくなる。

DXをはじめ、コロナ禍があったからこそ行った変革が功を奏すのかもしれない。

さて、明日は「分科会 B :デジタル×リアル融合による新しい旅行会社のビジネスモデルのあり方」をインプットしていくよ‼️

しばらくnoteの方はこれ一辺倒になるけれど、間もなくラマダーンなので、 #Clubhouse#インドの衝撃 ( #インド大学 )』で3月28日月曜20:00〜、その話をするよ。

4月4日月曜20:00〜はル=コルビュジエ。

それじゃあバイバイナマステ💜暑寒煮切でしたっ✨


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