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インド最強エアラインIndiGo大躍進の軌跡と新たなる闘い✈️前編

はじめに

こんばんナマステ💙Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

今日、明日と一昨夜にClubhouse『インドの衝撃(インド大学)』で話したIndiGoについてテキスト化していくよ‼️

喋った直後にポッドキャストにもなっているから是非こちらも聴いてみてね❗️(約36分)

今日の前半戦はIndiGoの概要とここまでの歴史を簡単に紹介していくよ🛫

NAI・NAI 6Eteen

IndiGoはハリヤナ州グルガオン(グルグラム)に本社を置く航空会社InterGlobe Aviation社の航空ブランド。以後は特に断りがなければ、会社のことであってもIndiGoと表記する。

グルガオンは日本人が多いことで知られているけど、デリー・インディラ=ガンディー国際空港の南にあって航空会社の本社やトレーニング施設なども多い羽田や成田の周りみたいな街でもある。インディゴもそのなかのひとつ。

余談だけど、エアインディアの本社は空港の北側、デリー市街の南部にある。本来エアインディアはタタ航空を国営化したためタタ財閥の本拠地であるマハラーシュトラ州ムンバイに本社が引き続き置かれていたけれど、2007年に同じ国営のインディアン航空と合併した際にインディアン航空の本社が使われることになったため。

そもそもデリーが政治の中枢のみならず経済的に発展していくのは90年代になってからで、それまでグルガオンはただの砂漠だった。だから昔からあるインディアン航空はデリー市内に本社を置いていたわけ。

ただし、昨年タタ財閥がエアインディアを買い戻したことで再びムンバイに本社が移る可能性もある。

閑話休題、IndiGoは2022年6月現在、インド航空市場の56.9%シェアを持つインド最大のエアライン。これはIndiGoの公式サイトから引っ張ってきた数字だけど、最新の報道では6割が見えてきた。

IndiGoのブランド名はIndia + Goとインドの特産である藍を掛けたものだけど、そもそもインディゴという言葉自体がインドと交易していたギリシャが藍をインドに由来してινδικον(インディコン)と呼んでいたことから来ているので循環参照になってしまっている😅

Clubhouseで喋った後は、航空ではなくこっちのインディゴの話にも飛び火して、インドでアパレルをされてる方が今の藍染は手軽な合成藍ばかりになってしまったけれど、近年は自然藍の良さが見直されつつあるというお話をしていただいた。

ということでコーポレートカラーは当然藍色。日本は青いエアラインが大きな顔してるけど、インドでは寒色系のエアラインは珍しいので結構目立つ。

IATA(国際航空運送協会)が航空会社に2レターコードというものを割り振っていて、JALはJL、エアインディアはAIなど老舗は社名・ブランド名に近いものが充てがわれている。ちなみにANAのNHは前身の日本ヘリコプター輸送株式会社に由来している。

しかし、近年は完全にネタ切れで例えばスカイマークはBC。紀元前❓

IndiGoは6E。アルファベットが切れて数字www

ちなみにスターフライヤーは7G、ソラシドエアは6Jだから仲間やね。

んで、この6Eというのが曲者でさ、Excelで旅程表作ってると6E555(便)とか打つと勝手に指数にされちゃうわけ😭

2022年でIndiGo創業16年目となったことを受け、ライバルのアカサから「Happy 6Eteen, @IndiGo6E! 🥳🎂」とのtweetを贈られた。

IndiGoのレスもなかなか粋。

大谷翔平に負けない二刀流

IndiGoはLCC(格安航空会社)でありながら、定時運航に徹底的にこだわり、サーヴィス面でも高品質であることを売りにしている。

オンライン予約、コールセンター、空港カウンターを含むマルチチャンネル直販から、オンライン運航状況確認、Android向けIndiGo専用アプリといったサーヴィスを次から次へと打ち出してきた。

また、インド国内で最も働き甲斐のある会社として何度もアワードを受賞しているほか社会貢献にも積極的であると謳っている。三方よしってやつね。

Clubhouseで聴いてくれた方からは、CAが食事している姿を見ていると、他社のCAよりも誇らしげに感じた、と教えていただいた。

安全面においても16年間死亡事故を起こしていない。

価格とサーヴィスの両立、なんて掲げているとどこかで無理も生じるような気もするけど、そのへんのマネジメントも怠りはないということみたい。

それができてないエアラインもあるからさ。

パイロット、クルーの制服はインド人デザイナーRajesh Pratap Singhが手掛け、CAの制服はインドとは思えないくらいセクシー。

恐らくはやはりCAのセクシーな制服で知られるマレーシア🇲🇾発のLCCでのちにインドにも進出するエアアジアに影響を受けていると思われる。

というか日本におけるエアアジア撤退は男性目線で哀しい😭

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IndiGoはLCCなので機内食や事前座席指定などは有料。

機内エンターテイメントはないけれど、ソニーのインドにおける動画アプリ、ソニーリヴと提携していて有料で動画を楽しむことができる。

シート数を増やすためシート間隔は狭いけれど、生地を薄くして足元の狭さを感じさせない工夫がなされている。生地が薄いのでお尻痛いというレヴューもあるけど。

インドの空を埋め尽くす圧倒的機材数❗️

IndiGoは2022年6月現在インドの航空会社としては最多の279機を保有していて、そのほとんどがエアバスのA320シリーズ。

概ね150席程度のジェット機で、ライバル機のボーイング737と並んでLCCの御用達。

新型のA320NEOの投入にも積極的で、同機の世界最大の発注者となっており、その燃費の良さがIndiGoの経営効率の秘訣でもある。

その一方で、プロペラ機のATR42-600を保有しているのが特徴的。単一ないし極力共通性のある機材で固めることが多いLCCとしては珍しい。

毎日1,600便を運航するのもインド最多。

というより1日1,000便以上飛ばしているインドの航空会社が他にない。

インド国内74都市、国際線25都市に就航していて、デリーのインディラ=ガンディー国際空港を拠点空港、ムンバイ、チェンナイ、コルカタ、ベンガルール、コーチンを準拠点空港としている。

これだけ見たら大都市ばかりで別に面白味はないけどね。

以前はインド全体の中心に近いアーンドラプラーデシュ州ヴィシャーカパトナムをデリーに次ぐ拠点としていたことがあって、これはなかなか面白い選択。

機材が増えてチェンナイやコルカタなど南部・東部の大都市に分散させるようになったと見られる。

藍色に染まるインドの空

1991年にインドの経済が自由化されると、まずはフルサーヴィスキャリア(JALやANAみたいに何でもやってくれる航空会社)のジェットエアウェイズが台頭し、国営のエアインディアやインディアン航空を苦しめた。

2005年になり高級エアラインのキングフィッシャー航空(日本にも入ってるビール会社が母体)が参入する一方で

スパイスジェットやゴーエア(現ゴーファースト)といったLCCも相次いで就航し選択肢は多様化した。

2005年はまさにインドにおける航空ビッグバンといえる。

IndiGoの就航は2006年で、航空ビッグバンのなかでは後発。

航空輸送管理のほか旅行やホテルなどの事業を営むInterGlobe社のラフル=バティアが、元USエアウェイズのCEO兼会長を務めた大富豪でインド系アメリカ人ラケシュ=ガングワルをバティア宅で食事した時にLCCをつくることを口説き、InterGlobe社が51.12%、ガングワルが経営する米ヴァージニア州のCaelum Investments社が47.88%の株式を保有するInterGlobe Aviation社を設立してIndiGoを就航させることになった。

この時のバティアの口説き文句は「用意した金がすべて無くなったらただの友達に戻ろう」だって。

出資比率が対等でない理由は領空主権の観点から、どの国でも航空会社は過半数が自国の資本でなければいけないことになってるから。なので、自国資本が51%程度、外国資本が49%程度の航空会社は結構ある。

2006年中旬に運航開始する計画で2005年6月のパリ航空ショーでエアバス A320-200を100機を正式に発注。

2006年7月28日に初号機を受領し、8月4日にデリーからアッサム州グワーハティー経由でマニプール州インパールへの運航を開始した。

マニアックな選択だけど、最初はなるべくニッチなところから攻める戦略だったんだろうね。

定時運航に徹底的にこだわったことが乗客に評価され、LCCとしては後発ながらすぐにLCCとしてのトップシェアに躍り出た。

2011年には国際線運航許可が下りて国際線に進出、キングフィッシャー航空が運航終了した2012年には、ジェットエアウェイズを抜きすべての航空会社のなかでトップシェアとなった。

快進撃の結果として2015年には株式上場を果たしている。

2014年にはアジア最強LCCでインディゴにとってもベンチマークであっただろうエアアジアがタタ財閥と組んでインドに進出、

翌2015年にはキングフィッシャー航空以来久々の高級エアラインであるヴィスタラがタタ財閥とシンガポール航空の合弁で運航を開始するも、

IndiGoはまったくこれらを寄せ付けずにシェアを伸ばし続け、2019年にはジェットエアウェイズを運航停止、2021年にはエアインディアを民営化に追い込んだ。

2017年、それまでA320シリーズで揃えていた機材方策を転換しプロペラ機のATR42-600を投入。ローカル輸送にも積極的に参入するようになった。言い換えれば、インドの航空インフラ基盤を担う企業になったということ。

国営企業として行き詰まり株式売却を掲げたエアインディアの株式取得にも関心を示していたけれど、エアインディア本体の国際線及び子会社のエアインディアエクスプレスの運営に強い意欲を持っていた反面、エアインディア本体の国内線の譲受に消極的だったこともあってか比較的早くに株式取得競争からは脱落している。

エアインディアの国内線というのは旧インディアン航空の事業だけれども、ある種自分達がボコボコにしてきたフルサーヴィスキャリアの国内線を運営していく自信はなかったみたい。

エアインディアエクスプレスはLCCと親和性が高いので、そのまんまIndiGoブランドに付け替えるつもりだったんだろう。ただ、ボーイングB737しか持ってない航空会社なので、それらはA320neoに買い替えていく算段だったか。B737もLCC御用達ではあるものの、異なる機材を併用すると経営効率がよくない。

結局、エアインディアはタタ財閥が買ったというか、歴史的経緯からすれば買い戻したんだけど、エアアジア本体がインドから撤退の意向ということもあり、タタはエアアジアインディアとエアインディアエクスプレスを統合する予定。

エアアジアインディアもA320使いだけども、エアインディア本体がB737を結構持っているので、グループ内で機材を交換すればエアインディアエクスプレスとエアアジアインディアを統合した新LCCはB737で統一できる。

独自の戦いを続けてきたIndiGoには真似のできない芸当なんだなぁ。

ここまで順風満帆だったIndiGoも2020年以降のコロナ禍は当然に収益を悪化させた。

インドのロックダウンは日本のなんとか宣言の比じゃなかったし。戒厳令だわ😱

絶対量は激減するけど、転んでもタダでは起きないのがIndiGoの強さ。

競合他社に対して相対的にシェアを伸ばしコロナ前は4割台だったシェアがとうとう過半数になった。

コロナ禍の間に、より一層土台を固めたことでIndiGoはどこよりも早く業績を取り戻すだろう。

おわりに

明日はそんなIndiGoを待ち受ける新たな脅威とそれへの対抗について書いていくよ❗️

それから、来週月曜日20:00に『インドの衝撃』でゴールデントライアングルツアーについて話す予定。

今回は内容をライトにして、より広範囲に向けて喋りたいのでtwitterのspaceで。

その告知部屋だけクラハで立ててるけどね🎶

それじゃあバイバイナマステ💙暑寒煮切でしたっ✨

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