土曜日、うろうろ。

またまた肉屋へやって来た。
明日、下宿人くんがドイツから戻ってくる。

一週間、飲まず食わずの旅から帰ってくるのだ。
出かける時は豚の角煮で見送った。
お出迎えはビーフシチューにしよう。

朝、お腹が痛くてなかなか起きられず
肉屋に到着したのはお昼の十二時近い。

週末は混む。
わたしの斜め前のムッシューが順番を越されたとかなんとか。
教育がなってないとかなんとか言い出している。
まあね。勝手にぐちってて。知らん顔をしてやり過ごす。

またしてもわたしの前のマダムの大量買がすごい。
腹、減ってるんだろうなあ。
いやいや、大家族なんだろうなあ。
まあね、食っても食ってもまた食うからねわしらはね。

わたしの番。
「(この牛、1.5キロから2キロくらい、ください)」
「(……、なに言ってんのか、ちいともわかんない)」
「(ブッフ・ブルギリニョン、2キロ、お願いします)」
「(1.5キロてのは何なの)」
「(2キロ、ていうとたいてい2キロ以上入ってるから)」
「(たく、なに言ってんのかさっぱりわかんね。1.9 キロ、これでいいの?)」
「(完璧です)」
「(ぶつ切りにする?)」
「(お願いします)」
「(他には?)」
「(以上です)」

ムッシューはわたしに十二番の札を見せる。
「(どうも、ありがとうございました。いい一日になりますように)
こういう時こそ、心をこめてお礼を言うもんね。

あー、なんか、久々にいじわるな人に当たったなあ。
そう思いながら、こんな経験をするのが決して嫌いではないのだ。

いつも周りの人たちはわたしのフランス語をやさしい気持ちをもって
理解しようと努めてくれているのだなあと再確認することができるから。

あんたのフランス語、なに言ってんのか、さっぱりわかんねーんだよ。
これが現実だ。あーへこむ。

前回と同じように八百屋でじゃがいもとにんじん。
カルフールで料理用の白ワイン。

手提げが重たくなりすぎたので一旦帰宅。

上着やブーツを脱ぐのが面倒で
その足で近所のスーパーへ。
牛乳とヨーグルト、トマトピューレ。

牛肉をオーブンに入れてからローリエがないのに気づく。

はあ!まじっすか!
でもまあ、デザートを買い損ねたのもあるし、と再々出かける。

さっきと同じスーパーに戻るのがしゃくで
気になっていたおしゃれ系の八百屋さんへ。

なんと品切れ。
もう一軒の八百屋へ。
なんとフレッシュ・ローリエはあるが乾燥したのはない。

小さなモノプリにもない。
結局、さっきのスーパーへ。

食べてみたかったちょい高級ケーキ屋さんはお昼休み中。
いつものパン屋さんでフランボワーズのタルトレット。

うろうろした土曜日だった。

さて、そうじ。
お裁縫すると部屋の汚れ方がハンパない。


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