見出し画像

【食エッセイ】替え玉なくても満腹になる桂花拉麺の食べ方

コロナ禍になってすっかり都会に行かなくなったが、唯一出社するクライアントが新宿にあるため、新宿には定期的に行く。土曜日に出社する際によく足を運ぶのが「熊本ラーメン 桂花」だ。

行く時は新宿三丁目にあるこの店舗。

大好きな定番メニュー・桂花拉麺は、豚骨なのにしつこすぎず、焦がしニンニクが効いた絶妙なしょっぱさ。豚骨なのにしつこくない理由は、鶏白湯を使っているから。ニンニクはただ焦がしただけではない。マー油という揚げたニンニク、香味野菜を潰し、ラードと混ぜた油から香ってくる。スープとマー油がベストマッチで、麺とよく絡む。そこにチャーシュー、味玉、茎わかめ、メンマ、わけぎをトッピングしたものが桂花拉麺。

他にも、チャーシューをたくさん乗せたチャーシュー麺、豚バラ角煮とキャベツを加えた太肉(ターロー)麺があるが、私が一番好きなのは王道の桂花拉麺だ。

豚骨なのに重たくなく、香るニンニクが食欲をそそってぺろっと食べられる。本当は替え玉を食べたいくらいだが、そんなことをしたらあっという間に太ってしまう。本当は食べたいけど、昔ほど代謝が良くないから、翌日すぐにデブる。

でも本当は食べたい、食べたい、食べたい!
替え玉が欲しい!!!

しかし、私は替え玉欲に打ち勝つことができた。替え玉を食べたのと同じくらい腹を満たせる食べ方を考案したからだ。今日はその食べ方を特別にお伝えしよう。

まず、最初に食べるのはこれ。

これで100円

茎わかめ。

もとから茎わかめが好きだけど、桂花ラーメンの茎わかめはもっと好き。塩気があり、このまま食べても美味しい。ラーメンの前にこれをちまちま食べる。

赤桂花拉麺。
見た目は普通の桂花拉麺と変わらない

本命がやってきた。
いつもなら桂花ラーメンだが、この日は限定の赤桂花拉麺にした。

辛味がついたマー油を使っている。デフォルトの美味しさはそのままに、ピリッと心地よい辛さでクセになる。ぜひとも定番メニューにしてほしい。

まずはスープを味わい、麺をすすり、チャーシューを食らいと、いつもの如く気のままに食べる。

ある程度麺を味わったら、先ほどの茎わかめを少し入れ、麺と絡ませて食べる。茎わかめのシャキシャキ感と麺が相まって美味い。

と、ここで全部茎わかめを入れたと思った方は読みが甘い。ここでは全部入れませぬ。この時点では半分残し、また麺のみを味わい始める。

麺が残り数本となった時に、残りの茎わかめを投入。

そう、替え玉の代わりとして茎わかめを食べるのだ。スープと絡むシャキシャキ茎わかめは麺に劣らず美味で、替え玉代わりになる。よく噛むから満腹中枢も刺激するというわけ。

茎わかめもたいらげ、残りはスープのみ。

ではない。

最後に食べるために味玉をとっておいたのだ!

これには理由がある。さらに満腹になるためだ。以前ラーメン好きに「最後に食べる味玉で腹がパンパンになるんすよ〜」と言われて以来、ラーメンを食べる時は替え玉防止として味玉を残すようにしている。

味が染み込んだ卵は普通の卵よりも特別感がある。それを最後までとっておいて食べる幸せ。楽しみは最後に残す流儀である。既にぎゅうぎゅうの胃に卵が入るとどしっとして、満腹感が高まる。

最後の最後に少しスープを味わったら終わり。この食べ方なら替え玉を食べずともちょうど良い満腹感、大いなる満足感を得られる。

これでも物足りない人は、茎わかめをもう一皿、味玉をもう一個追加しておくのが良い。替え玉欲を抑えながら、替え玉並みの満足感を得たい人には、この食べ方をおすすめする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?