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「こども大綱」を読んでみたら「ふう・・」っとため息がでてしまった話

おそらく、教員採用試験にかかわっていなかったら、読むことがなかった「こども大綱」。
今回は、「こども大綱」をまとめていて、感じた少し後ろ向きな話です。


こども基本法に規定されている

2023年4月から施行されているこども基本法。
こども基本法第9条1項では、「こども大綱」を定めなさいと規定しています。

(こども基本法 令和5年4月1日施行)


ちなみに、「こどもたいこう」と読みます。
「大綱」とは、「基本的な方針」という感じですね。
参考までに、そう捉えた根拠とする資料を引用抜粋しておきますね。

教育に関する「大綱」を首長が策定
大綱とは、教育の目標や施策の根本的な方針


大綱は、教育基本法に基づき策定される国の教育振興基本計画における基本的な方針を参酌して定めることとされている。

「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律(概要)」文部科学省 平成27年4月1日 文部科学省より引用して一部抜粋)

こども基本法は、こども施策を、社会全体で総合的に推進していくための包括的な基本法律です。
そして具体的に、どのようなことを大事にするかを示したものが「こども大綱」です。

こどもがしあわせに暮らせる社会

こども大綱の「はじめに」には、次のような文章があります。

こども基本法において「こども」とは「心身の発達の過程にある者をいう。」とされている。これは、18歳や20歳といった年齢で必要なサポートが途切れないよう、こどもや若者がそれぞれの状況に応じて社会で幸せに暮らしていけるように支えていくことを示したものであり、こどもが、若者となり、おとなとして円滑な社会生活を送ることができるようになるまでの成長の過程にある者を指している。

「こども大綱」令和5年12月 子ども家庭庁より引用して一部抜粋)

こどもが、どの成長過程でもしあわせに暮らしていけることは、みんなの願いですね。
そうあってほしいと思います。
こども大綱は、これまで別々に作成・推進されてきた、
少子化社会対策基本法
子ども・若者育成支援推進法
子どもの貧困対策の推進に関する法律
これらに基づく3つのこどもに関する大綱を一つに束ねて、基本的な方針や重要事項等を一元的に定めたそうです。

どれもが学校教育とも密接な関係性があるので、「こども大綱」にも、学校教育に関連することが示されています。

教員採用試験対策的には

教採対策としては、「令和の日本型学校教育の構築を目指して~(略)~(答申)令和3年1月中央教育審議会」で示された内容と重なる部分もあり、そこをチェックする必要があると思いました。
そのひとつが次の抜粋部分です。
3つにわけてありますが、3つとも「こどもが安心して過ごし学ぶことのできる質の高い公教育の再生等」という項で記されています。

(こどもが安心して過ごし学ぶことのできる質の高い公教育の再生等)
こどもにとって、学校は単に学ぶだけの場ではなく、安全に安心して過ごしながら、他者と関わりながら育つ、こどもにとって大切な居場所の一つであり、こどもの最善の利益の実現を図る観点から、また、格差を縮小し、社会的包摂を実現する観点から、公教育を再生させ、学校生活を更に充実したものとする。

「こども大綱」令和5年12月 子ども家庭庁より引用して一部抜粋)


住んでいる地域に関わらず、全てのこどもが、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実する。

「こども大綱」令和5年12月 子ども家庭庁より引用して一部抜粋)

これまでの学校教育が果たしてきた、①学習機会と学力の保障、②社会の形成者としての全人的な発達・成長の保障、③安全・安心な居場所・セーフティネットとしての身体的、精神的な健康の保障の3つを学校教育の本質的な役割として継承しつつ、こども・若者、保護者、教育現場、地方公共団体(教育委員会及び首長部局)などのステークホルダーからの意見聴取や対話を行い、施策に反映していきながら、取組を着実に進めていく。

「こども大綱」令和5年12月 子ども家庭庁より引用して一部抜粋)

1つめ、2つめは、すでに他の資料で何度も目にしてきた感があります。
気になったのは3つめの③です。
③安全・安心な居場所・セーフティネットとしての身体的、精神的な健康の保障
③は、文章にするとこんなにも短いですが、ものすごく深く、そして難しさをもっていると感じました。

「ふう・・」
っとため息がでてしまう。

この記事のまとめ

基本的には「教員採用試験」を視点にした投稿をしているので、資料等に関しては、個人的な考えは書かないようにしています。

今回は、少しだけ書いてしまいました。
「ふう・・」とため息がでてしまうと。

基本的な考え方。
大綱
みんなで取り組むものには必要ですね。

どうかそれが教員を苦しめるものになりませんように・・。

少し後ろ向きな話になってしまいましたが、「こども大綱」では、今回引用抜粋した部分は、大事かなと思っているので、チェックしておくとよいかなと思っています。




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