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転職活動『年収交渉に関する』ウソ・ホント

いくらでも情報がとれる時代。だけどあまりにも間違った情報・偏った情報が多い。正しく偏りがない情報は面白みがない、けどそんな面白みない情報を今日も伝えていきたいと思います。

今日のテーマは「年収交渉に関する」ウソ・ホント。

・転職エージェントは年収交渉をしてくれる
・自分で年収交渉はしない方が良い
・求人票の年収幅であれば年収交渉はできる

などなど

転職エージェントをしていると、様々な質問をいただきます。

先に結論を言うと、

基本的に年収は交渉を通じて決定するものではありません。

あくまで、日系企業の場合は

・あなたの経験、スキル
・企業の期待値、同僚との比較
・企業の年収レンジ

外資系企業の場合は、

・任せたい仕事の難易度

これらに応じて決定されるものです。

求人票の記載されている年収レンジ内であれば調整可能とか
転職エージェントの力量の差で年収差が生じるなどは、

ほぼほぼないです。

年収ってどう決定されるの?
転職エージェントって何をしているの?

そんなことを今日は伝えていきます。


自己紹介

約10年のエージェント歴があります。詳細は以下の通りですので是非ご確認ください。

年収ってどうやって決まるの?

年収の決定は大きくわけると3パターンあります。

①日系企業型(メンバーシップ型雇用)

いわいる従来の日本型企業のケースです。
分かりやすい表現をすると、「年功序列型」の企業です。

こういった企業の多くは、ざっくりですが以下のように慣習があります。

~30代前半:一般職
35歳前後~:係長レベル
40歳前後~:課長レベル
45歳前後~:部長レベル

一般職の場合、あなたの社会人経験年数(大学、大学院の卒業年)に基づいて決定されます。

なので、あなたの現在年収や経験・スキルではなく、あくまで社内で設定されてた入社年数ごとの想定年収で決定されます。

この期間は、ほぼ差はないので交渉は非常に難しいです。

35歳以降から徐々に個人差がでてきます。
35歳以上の方は、これまでの経験やスキルから鑑みて、企業がどの役職で採用したいかが年収の決定要素となります。ここの企業ごとの社内慣習を組み合わせながら決定されます。

企業ごとに各役職に上がれる年齢は異なりますので、このあたりは転職エージェントに確認してみてください。

例えば、現在年収1000万円で課長の方がおられます。

A社
最年少課長は38歳の代(社会人歴16年以上)
課長の年収:1000万
係長の年収:800万

→結果
最年少課長同等の経験・スキルを持っているとの判断で年収1000万円提示

B社
最年少課長は40歳の代(社会人歴18年以上)
課長の年収:1000万
係長の年収:800万

→結果
課長の年齢に到達していないので、年収800万で提示

C社
最年少課長は38歳の代(社会人歴16年以上)
課長の年収:1000万
係長の年収:800万

→結果
最年少課長同等の経験・スキルを持っていないとの判断で、年収800万で提示

このように、あくまで社内基準に合わせながら決定していくことが一般的です。

②外資系企業型(Job型雇用)

外資系企業の多くが採用しているJob型雇用です。

Job型雇用については詳しく説明する機会を設けますが、
今回の年収という点に絞って、かなり雑に言うと

職務難易度、職務価値に基づき年収が設定されます。

つまり仕事内容に値段がついていると理解してくれたら分かりやすいかと思います。

この場合は、あくまで年齢ではなく職務遂行能力で判断されます。

注意点としては、日系企業と比べると仕事内容も細かく決まっているので、仕事では発揮できないスキルに関しては加点にはなりません。

賞与もあくまで任せられている職務遂行度合いで決定されます。

③成果報酬型

設定された目標の達成率に応じて報酬が支払われるスタイルが成果報酬型です。

何に応じて報酬が発生するかは、契約により異なりますが、売上金額・目標達成率・契約件数・コスト削減金額・コスト削減率などが一般的です。

・定められた契約が達成できない場合、報酬が支払われない
・一般的には月額の固定給は低めに設定されていて、賞与比率が高い

これらが成果報酬型の特徴です。

年齢や経験に基づいて年収は設定されず、あくまで年収は成果に基づいて設定されます。

転職エージェントって何しているの?

結局転職エージェントって何しているの?ってことなんですが、

転職エージェントという事業モデル的には年収が高いほど、儲かる仕組みです。なので転職エージェントも何とか高い年収を獲得できるように頑張っています

ただ、スポーツ選手や俳優などのエージェントみたいな、ハード交渉はやっておらず、あくまで相手(企業)の懐(制度)を鑑みながら、「調整」をしているという感じです。

具体的には
①日系企業型(メンバーシップ型雇用)の場合は

正直、一般職の際は何もしません。と言うより何もできません。
あくまで企業の設定されているモデル年収をいち早く仕入れて、求職者にお知らせする程度です。

役職者以上の場合は出来る限り、求職者の希望を確認した上で、希望に合致するグレードでの採用検討をお願いしていきます。
仮に○○万円を下回ると、辞退するというラインが明確にあるのであれば、企業に伝えて検討をいただきます。

②外資系企業型(Job型雇用)の場合は

ポジションごとの採用予算を確認し、出来る限り採用予算の上限で採用をいただけるよう依頼をします。
この際も日系企業型と同様に、本人の希望と辞退ラインを企業に伝えて検討をいただきます。

その他、企業提示の年収と希望額で差異が出そうな場合は、サインオンボーナスや、入社後の評価に応じたインセンティブ制度の導入などを設定する場合もあります。
とは言え日本においては、まだまだレアケースではあります。

サインオンボーナス・・・入社支度金、内定に承諾をすると支払われる賞与

③成果報酬型の場合は

実際のところ、転職エージェントができることは非常に少ないです。
入社直後はどうしても成果はあがりにくいので、最初の賞与に関しては○○万円は最低保証するとか、サインオンボーナスの設定があるくらいです。

最後に元エージェントから一言

(是非読んでください、良いこと書いてます)

転職において「年収」はどなたにおいても重要な要素だと思います。

だけど日本人の奥ゆかしい性格が起因しているかもしれませんが、

・転職エージェントにも本当に希望の年収を伝えない
・ご家族と内定が出るまでに話をしていない
・転職エージェントにもいったん、はったりをかける(希望より多めの金額を言う)

などを目の当たりにしてきました。

この点だけは確実なのですが、「年収を高くしたい」というこの点に関しては求職者の皆様と転職エージェントは合致をしています。

なので、年収に関しては転職エージェントに伝えて下さい。
そして出来れば早く伝えていただくことが望ましいです。

繰り返しになりますが、日本における転職では「ハードネゴシエーション」はなく、企業の懐をすり合わせていくものになります。

なので、どれだけあなたが魅力的だったとしても、あなたの希望額が企業の懐を大きく超えるのであれば、残念ながら希望が叶うことはありません。

時間的なことも考慮して早くに転職エージェントにお伝えいただくことが良いです。

そして年収は内定通知書発行以降は基本的に覆ることはありません
内定通知書は公的な文章であり、内定通知書発行以降は変更を受け入れない企業も多いです。(然るべき役職者の承認を得た書類のため)

一般的に年収交渉(調整)を行うのは、最終面接~内定通知書発行までの期間です。

この点も是非覚えておいてください。

自身の希望する生活スタイルは何なのか、コーチの視点・キャリアコンサルタントの視点・元転職エージェントの視点・そしてファイナンシャルプランナー2級の視点で一緒に紐解いていくサポートもしています。

コーチングセッション/カウンセリングに興味ある方は是非以下問い合わせ先からご連絡ください。



ではまた。






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