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自分の感情にもう少しだけ丁寧な名前をつけてあげること

どうも、アンテナ編集長の堤です。

今度、8月から関西の音楽メディアki-ftと組んで、音楽ライター講座【初級編】なるものを開催するんですが、そもそも我々は何故、頭をひねって言葉をアウトプットして何があるんでしょうね。「なんかすごいねん、まじヤバイ」で全部伝わらないんだろうか?

別に言葉になんかしなくたって、伝わることもたくさんあるはずなんですよ。僕が敬愛するブルース・リーだって「考えるな、感じろ」と言っているし、ましてや音楽なんて耳で感じるもの。言葉に変換する必要なんてないはずなんですよね。だってそれ、とてもしんどいんだもの。

言葉にするに2つのSTEPが必要ですよね。まずはSTEP1の「感じる」、その次にSTEP2の「言葉を探す」を経てようやくアウトプットとして成立します。日常生活でも無意識にやっているはずが、これが非常に難易度の高い作業になっている。

先程のSTEPで一番重要かつ、辛いのは1の「感じる」方です。ここをサボってしまうと、次の「言葉を探す」で、適切な言葉が見つからなくなるから。「京都市」とだけ書かれた地図では、目的のカフェまではたどり着けないのと一緒で、意識を集中して、自分が何にどのように心が動かされたのか、ディティールを明確にするために何度も自らに問いかける必要があります。そりゃあ時間もかかるし、しんどい。

正直、僕もとても苦手な作業だから、そんな作業すっ飛ばして「ヤバイ」で全部伝えたい。そんな気持ちは非常によくわかるんですよね。でもちょっと待って欲しい、これを頑張るといいことが2つあることに最近気が付きました。

ひとつめは自分に何度も問いかけて、ディティールを明確にする作業を重ねていくことで、世の中が今まで以上にクリアに見えます。例えるなら、今までファミコンの16bitの世界で生きてきたのが、Switchになる感じ。いきなりそこまでは変わらないんですけど、自分が感情のディティールを明確にしていくことで、以前より多くのものが捉えられるようになりました。そうなると今まで以上に小さな違いにも気がつくことができるようになります。それはとても豊かなことです。

ふたつめは自分に何度も問いかけて、丁寧にすくった感情を適切な言葉に変換できた時、あなたの言いたいことがこれまで以上の説得力を持って人に伝わる可能性があります。人が共感するのって、自分が言葉にできない感情を適切な言葉で発見した時なんですよね。「ああ、わかる」「僕も思ってた」そんな感情を覚えたことが誰しもあるはずです。あなたが丁寧に選んだ適切な言葉たちは、近年のセンセーショナルな見出しが踊ったSNSの言葉よりもよっぽど個性的で、伝わるものになるはず。この力はライターなんかやっていなくたっていろんな場面で役に立つ能力のはずだと僕は信じています。

と、ここまでツラツラと書いてみたものの、僕もまだまだ修行途中。理屈はわかってても全然うまくいかないわけです。だから僕と一緒に、自分の感情にもう少しだけ丁寧な名前をつけてあげる練習してみませんか、って提案です。

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編集長:堤大樹

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