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【レポート】「セミナー&ワークショップ「ハリウッド映画で学ぶ!ヒーローズ・ジャーニーで考える顧客の行動、思考、感情」(2023/10/20開催)

2023年10月20日(金)、「セミナー&ワークショップ「ハリウッド映画で学ぶ!ヒーローズ・ジャーニーで考える顧客の行動、思考、感情」を京都芸術センターにて開催しました。

▼イベント詳細

京都精華大学メディア表現学部より富樫佳織先生を講師に招き、アメリカで生まれた「ヒーローズ・ジャーニー(神話理論)」を用いて、顧客の消費行動を可視化する「カスタマージャーニー・マップ」を作成しました。

前半では、時代と共にマーケティングの目的が変化したことについて話されました。「製品を販売すること」から「消費者を満足させ、つなぎとめること」へ、顧客の消費行動は「モノの消費」から「経験・体験の消費」へとシフト。2000年以降のデジタル時代では、情報獲得⼿段や、購買に繋がる意思決定の⼿段が多様化し、顧客のリアルな⾏動や、感情を理解することの重要性が高まったといいます。こうした背景から、売り手側の視点を離れた新たなマーケティング的発想が求められる中で、注目を浴びたのがヒーローズ・ジャーニーのフレームワークです。

【ヒーローズ・ジャーニーとは?】
アメリカの神話学者であるジョーゼフ・キャンベルが世界各地の神話を調査し、主人公を中心としたストーリーを12のステージに分け、構造化したもの。大ヒット映画の多くはこのフレームワークに基づいてストーリーを構築しているといわれる。
①日常の世界
②冒険への誘い
③冒険への拒絶
④賢者
⑤第一関門
⑥試練・仲間・敵対者
⑦最も危険な場所への接近
⑧最大の試練
⑨報酬
⑩帰路
⑪復活
⑫宝を持っての帰還

ヒーローズ・ジャーニーをカスタマージャーニー・マップに応用する

「顧客が主人公(ヒーロー)になるには、売り手がどのようなコンテンツやサービスを提供すればよいか」という視点で、売り手側の論理から離れ、「顧客を中心とした物語の旅」を12のステージに沿って考えていきます。
 
参加者は、まずヒーローズ・ジャーニーの枠組みを理解するために、お気に入りの映画を12のステージに分けるワークに取り組み、同じグループのメンバーに共有しました。「この映画でいうところの”賢者”はあの人で、”最大の試練”は…」と大いに盛り上がり、どのグループも和やかな空気でワークが進みました。

お気に入りの映画を12のステージに分解

ヒーローズ・ジャーニーについて理解ができたところで、いよいよカスタマージャーニー・マップに応用していきます。グループでテーマとなる消費行動と主人公像を決めたら、主人公の行動を時系列で模造紙に書き込んでいきます。ヒーローズ・ジャーニーの12のステージごとに分けて書くことがポイントです。

12のステージごとに、売り手と主人公(顧客)の具体的な接点についても書いていきます。

最後に、各ステージで主人公(顧客)がどんな感情を持っているかを書き出し、時系列で感情の変化を可視化します。主人公(顧客)の感情がネガティブになっているところでは、改善策を考えます。これにて、カスタマージャーニー・マップの完成です。

カードを使って主人公(顧客)の感情変化を可視化

アート、演劇などクリエイティブに携わる方、学生起業家など、さまざまな属性の参加者が集まり、ヒーローズ・ジャーニーのフレームワークを体感するイベントとなりました。

撮影:𡈽方 大(本記事における写真すべて)


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